野田地図 「キル」観劇感想
さて恒例の年末年始野田地図だ。今回は10年ぶりの再々演になる野田中期の代表作「キル」。初舞台がコトバの洪水の野田地図なんて大丈夫かな妻夫木くんとかちょびっと心配したけど、広末ちゃんとともにぜーんぜん問題なかったね。脇を固める勝村さん、聖子さんはちょっと背筋がぞっとするような名演技。広末ちゃん、山田まりやちゃんは舞台にシフトしてもぜんぜん問題の無い安定感。高橋恵子さんが素晴らしかった。そして性別年齢不詳、高度な身体能力を使って板の上を縦横無尽に遊ぶ野田御大はあいかわらずだ。本当に舞台の妖精(妖怪?)だよね。こわいこわい。
「キル」そのもののシナリオの力はいわずもがな。再演から見ているけど(初演の羽野アキちゃんのシルクがみたかった...)、ラストシーンは何度見てもじわっとくる。膨大なコトバ遊びの果てに、モンゴルの平原が、万里の長城が立ち上ってくるドライブ感は健在。御大のプリミティブな世界情勢へのメッセージもこのくらいだと胸に落ちてくるんだけどね(去年の「ロープ」は生のまま投げつけられてちょっと胸焼けした)
まあ、素晴らしいです。カンパニーもまだ3日目とは思えないくらいまとまりがあった。1ヵ月後くらいにまた見てみたいなあ。妻夫木くんはまだまだ進化しそうだね!
ネタバレ感想は気が向いたら書きます。
P.S.例のシーンで古ちんの野田芝居モノマネ芸を思い出してちょっと噴いたことはナイショだ。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (1)
最近のコメント