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2017年7月:SHERLOCK S4E1 「六つのサッチャー」【ネタバレ】感想

やほー、ついについに日本でも放送されましたよシャーロックS4。お正月に英国で放送されて、ほどなくしてS4のDVDも手に入れたけど、英語難民の私には今回の脚本が難しくってねえ。凄く凄くエモーショナル。てなわけで感想もなかなか書けなかったんだけどこのたび目出度く日本でも放送されたので、録画を見ながら紐解いていくよ。いやあ今回も素晴らしい。


ここから先は本編ネタバレ満載です。原語版でS4E3まで視聴してるけど極力そこまで俯瞰した感想にはしていないつもりです。


さて「六つのサッチャー」は、S3E3、「忌まわしき花嫁」の続きから。ジョンとメアリーを護るため、元敏腕エージェントであるメアリーの機密を知る恐喝王マグヌッセンを殺害したシャーロック。その罪で国外追放(ほぼ死刑)となった彼はジョンとメアリーに永遠の別れを告げて機上の人となる。しかし直後、英国の全メディアをジャックしてモリアーティの映像が流れる。「Miss Me?(会いたかった?)」と。英国の一大事と直ちに呼び戻されるシャーロック。

本編は内閣のD通告(D Notice)の審査会議から始まる。 D通告とは国家の最重要機密を護るため報道機関に報道差し止めを発する通告。それに携わるのは4人。コードネームはポーロック、ラングデール、南極(マイクロフト)、ラブ(スモールウッド夫人) この4人が英国を動かしているのだ。

注:このコードネームも正典由来、ポーロックは「恐怖の谷」、ラングデールは「三破風館」の登場人物。

しかしその場に呼び出されたシャーロックはどこ吹く風で有頂天。機密会議中なのに「自由の身だ(Free as a bird)!」と嬉々としてツイート。ハッシュタグまでつけてるよ!#OhWhatABeautifulMorning(なんて美しい朝)

なんといっても死地に赴く任務の途中から戻れたんだし、マインドパレスで「忌まわしき花嫁」の冒険までやってきたわけで、会議に用意されたジンジャーナッツビスケットを大好物とぱくぱく食べてるよ。

閑話休題。英国の国民的お菓子ジンジャーナッツビスケット。しょうが風味の歯ごたえあるビスケット。ナッツは入ってないよ。ナッツみたいに硬いって意味らしいですよ。

あまりのはしゃぎっぷりにスモールウッド女史はヤクをやってないの?と疑う。「やってませんですナチュラルハイです」とシャーロックは言うけどやってるよねえええええと「忌まわしき花嫁」を観た視聴者から総突込みが。

とりあえずマグヌッセンはシャーロックでなく現場に駆けつけたスナイパーが撃ったことにする映像操作を施してこれを公的な映像にすると審査会。持つべきものは英国政府のお兄ちゃんだねえええ。

「忌まわしき花嫁」でシャーロックが得た結論。モリアーティはバーツの屋上で自分の頭を打ち抜いて「完璧に」死んでいる。英国中のメディアをジャックして現れたモリアーティは彼が生前に仕掛けた、自分の死後発動するゲームだ。ターゲットはシャーロック。ならば彼は次にモリアーティが仕掛けてくるゲームを待つしかない。モリアーティとシャーロックはゲームが好きなのだ。

シャーロックの語り。背景は水族館の水槽を泳ぐサメ。

「昔商人がいた。バグダッドの有名な市場である日知らない男が驚いた顔で商人のことを見つめていた。それは死神。商人は青ざめ、あわてて市場から逃げ出した。そして向かったのは遠いサマラの街。そこなら死神に見つからないだろうと思った。でもやっとの思いでサマラに着いた商人を待っていたのはなんと死神だった。「わかった」と商人は言った。「殺せ、さあ殺せ。 - でも教えてくれ。バクダッドで私を見てなんで驚いた顔をした?」 「それは」と死神は答えた。「お前とは今夜会う約束だった。ここ、サマラで」

これはおそらく誰でも聞いたことがある運命からは逃れられないという古い逸話でサマセット・モームの短編にもなっている「サマラの約束」だ。クリスティの「死との約束」でも使われてるね。この語りは唐突にも見えるけど、実はこのS4E1全体を現しているのだ。そして誰もがこの物語に暗示される登場人物の運命を予感して暗い気持ちになる......というのを英国のお正月にやるわけですよBBCとモファティスは!英国人って英国人って!

さて場面は変わって、221B。事件はないかとイラつくシャーロックに、ノーパソでブログを書くジョン、おなかの大きなメアリー。スリーサムで事件を解決しながらモリアーティ(の残党)の動きを待つって寸法だ。シャーロックは#221Bに情報を寄越せ!(原語は#221Bringit! たぶんBrexitにかけてる)ハッシュタグでツイートしてる。


持ち込まれるさまざまな事件をばったばったと解決していくシャーロック。正典由来の事件も多数すぎて追いかけられませんがなw

-塵と化す死 (パスティーシュ由来)、親指を観察するシャーロック(技師の親指だろうなあ)、瓜二つの死(忌まわしき花嫁の双子ネタw)、サーカスの胴体、カナリア調教師、心停止....etc

「クラゲじゃ逮捕できないよなあ(ライオンのたてがみ)」と言い合いながら221Bに帰ってきたシャーロックとジョンを待っていたのは産気づいたメアリー。慌てて車で病院に運ぶ二人。獣のようにうなるメアリーに一生懸命ラマーズ法の呼吸をさせようとするジョンとシャーロックがおかしいね。

なんだかんでで無事に娘さん誕生、お祝いに集まったモリーとハドソンさん、シャーロックに「教父母」になってくれと頼むジョン。ここ原語ではGodfather, Godmotherなんだけどこう訳すのははじめて知った。英国国教会での代父母の言い方なんだね。 モリーもハドソンさんもシャーロックもジョンとメアリーの大切な人たち。

でも洗礼式に立ち会うシャーロックはずっとスマホをいじってる。娘さんの名前はロザムンド・メアリー。聞きとがめるシャーロック(自分の名前をつけてもらえると思ってたか?)にモリーが「世界の薔薇 (Rose of the world)って意味よ。ロージーが愛称....ジョンからメールきたでしょう?」 シャロ「僕は「Hi、」で始まるメールは削除するようにしてるんだ」 なるほどジョンのメールはHiではじまるんだな。

司祭様から教父母の誓いを求められるとシャーロックのSiriが「すみません。聞こえませんでした。質問を繰り返して下さい」と答える始末でw

さて221Bでのシャーロックはガウン姿でワトソンに向かってお約束台詞を語ってる。曰く「ワトソン、君は見ているが観察していない。君にとって理解できない謎でも僕にとっては単純明快。論理か気まぐれか。選ぶのは君だ。行動がどんな結果を生むか君にはわかっていない。最後にもう一度言う。ガラガラ(rattle )を持っていたければガラガラを投げるんじゃあない!」

なんとシャーロックが語りきかせていたのはワトソンはワトソンでも赤ちゃんロージー。もちろんロージーはそんなことおかまいないにガラガラをシャーロックに投げつけてキャッキャッ喜んでる。背後には育児に疲れ果てたジョンとメアリーがソファで爆睡してる。なんとシャーロックは彼らの代わりにロージーの面倒を見ているのだ!あのソシオパスのシャーロックが(涙

S4E1で提示されているのは、新米の両親であるところのジョンとメアリーがいかに育児に振り回され疲れ果てているかということだ。二人は敏腕の医師と(元)殺し屋。ばりばりに有能な社会人(殺し屋が社会人かはともかくとしてw)が育児の前では平等に疲れ果ててる。ソシオパスのシャーロックが思わず手助けしてしまうほどに。ポイントは二人がかりでもこの有様ということで。日本のワンオペ育児がいかにお母さんたちに負担をし強いてるかってことが良くわかる。

もちろん英国ならではの問題もある。育児もするけれど、浮気もしちゃうぞ三大陸。

バスでうとうとするジョンのもとにシャーロックからテキスト。新しい事件の話だけどジョンがカチンときたのは「メアリーの許可は得てる」ってところ。シャーロックが有能なメアリに一目置いているのが気に食わないのだ。そこに現れるかわいらしい若い女性。どうやらジョンに興味を持ったみたい(正確にはロージーがジョンの髪の毛につけたお花→かわいい!) 

さて、グレッグがシャーロックに持ち込んだ難事件。前閣僚ウェルズバラ氏の息子の焼死事件。彼の邸宅で50歳の誕生パーティ中、ギャップイヤーでチベットに行ってる息子さんからおめでとうSkypeがはいる。家の前に停めてある息子の車を見ろと。しかし会話中に電話は切れてしまい息子とは音信不通となる。一週間後、不慮の事故で燃えた息子の車から彼の焼死体が見つかる。それは死後一週間たっていた。ギャップイヤーでチベット...というのはベネさん自身の体験から持ってきてるんだろうなあ。シャーロックはすぐに答えにたどり着いているようだ。いまだにグレッグの名前は覚えてないようだけどこっそりジョンに聞いて「グレッグ」と呼びかけてる。すんげえ嬉しそうなレストレード警部がかわいいねえええ。

グレッグはジョンと育児の大変さを語りあう。

グ「眠れてる?」
ジ「ぜんぜん」
グ「だよなあ、喚かれたら何時でも起きないとならないもんな。生活が一変するな」
ジ「ああ、散らかしたあとを片付けてやって、機嫌をとらないといけなくて感謝の一言もない。人の顔も見分けられないし」
グ「いつも賢いとおだててないとなあ」

途中でシャーロックの話になってるよw ジョンもグレッグもシャーロックの面倒が育児のようだとわかってるのだねええ。

ウェルズバラ邸に向かう一行にメアリーが電話をかけてくる。どうやらメアリーも真相にたどりつきかけている模様。このあたりアイリーンやマイクロフトとの会話を彷彿とさせるね。彼らは同類なのだ。 シャーロックは楽しそうだが、その分蚊帳の外に置かれた凡人ジョンのフラストはたまって行く。

悲しみにくれるウェルズバラ夫妻に(グレッグに釘をさされたこともあり)最初は殊勝に捜査をはじめるシャーロック。しかしすぐに違和感に気づく。 この居間にはあるべきものがない。窓際に置かれたテーブルの上には、(保守党の前首相)マーガレット・サッチャーの写真やサインが飾られている。ウェルズバラ氏はかけだしの政治家だった頃からサッチャー女史のファンであったと。(ここでサッチャーって誰?ってシャーロックが尋ねてみんなでぎょっとするのはお約束) ここには石膏の胸像があったはず。どうして無くなった?と聞くシャーロックに夫人が「強盗が入って逃げる際に割れた」と答える。分厚いラグがしいてあるのに何故割れたのか。シャーロックの興味は息子の死よりサッチャーの胸像のほうに完全に向いている。

息子の死の真相は簡単。父の誕生日、チベットにいると見せかけて電話で車に呼び寄せ、脅かそうとしていた息子は偽シートをかぶったまま不慮の死を遂げる。1週間後、その車が事故で燃えて偽シートが溶けて死体が発見されたと。ウェルズバラ夫妻も息子さんも良い人たちに描かれてるんでかわいそうだったなあ。

ともあれ事件が無事解決し「お見事!」と喜ぶレストレード警部をよそに、シャーロックはサッチャー胸像の謎が気になる様子。シャーロック「僕はほつれた糸があるのが気になるんだ」 ジョン「なにもわざわざひっぱりだすことないのに」 シャーロックはモリアーティが自分に仕掛けてきたゲームではないかと疑ってるんだねえ。

マイクロフトのオフィスで、サッチャー事件の事を話し合うシャーロック。マイキーにスマホでロージーの写真を見せるシャーロック。マイキー「見た感じ完全に機能しているな( Looks very fully functioning)」と。ひどい言い方w

マイクロフトによればモリアーティは晩年ボルジアの黒真珠の追跡に興味を持っていたと。マイクロフトは聞く。「予感があるのか?弟よ(Are you having a premonition, brother mine?)」

シャーロックは答える。

The world is woven from billions of lives, every strand crossing every other.
世界は無数の人生で編まれ、すべての糸が交差していれば

What we call premonition is just movement of the web.
予感とはその網目の揺らぎだ。

If you could attenuate to every strand of quivering data, the future would be entirely calculable, as inevitable as mathematics.
震える糸一本一本のレベルまで細かく見れば、未来は計算できるものになり、数学のように答えがでる


これがシャーロックの推理のベース。それに対してマイクロフトは答える。

「サマラでの約束だな。死神からは逃れられない。子供の頃おまえが嫌いな話だったね。お前は違うバージョンを書いた。スマトラでの約束という。商人はサマラへは行かず、スマトラに行って海賊になるw」

人々の行動の結果が将来を決めてしまう。シャーロックがそれを推理するというのなら彼は運命を推理していることになる。まるでサマラの約束だ。でもシャーロックはその話を嫌う。死神を出し抜こうとしているのだ。

次々と割られていくサッチャー女史の胸像。暗闇に響く男の声は「アモ」と。

閑話休題。正月早々、保守党の元首相サッチャー女史の胸像が次々と粉々になっていくシーンが放送されたので、デイリーメールが「BBCはアンチ保守党だ!」と報道していて可笑しかったよ。

221Bのドアの外でシャーロックを待つグレッグと同僚のステラ警部。シャーロックは依頼人の話を聞いている。向いの椅子には顔を書いた風船。どうやらこれがジョンがわり(似てるんだw) ジョンが留守をする間おいていったみたい。

待たされたグレッグが持ってきたのは他の事件で壊されたサッチャーの胸像。君が言うとおり何かが始まってると。「ゲームは始まった」のだ。

シャーロックはトビーの力が必要とジョンとでかける。トビーは犬。それを飼っているのは名うてのハッカーのクレッグ。クレッグの家につくとなんとロージーを抱えたメアリーが。シャーロックが誘ったのだ。面白くない顔のジョン。

敏腕なトビーはしかし全然動かない(これは本当にわんこが動かなかったらしく急遽脚本を変えたらしいw)
やっと動いたトビーが三人をつれてきたのはバラ・マーケット。

「これで確信が持てた」とシャーロック。「これを企んだのはモリアーティだ。奇怪過ぎる。バロック過ぎる。(It’s too bizarre; it’s too baroque. )僕を誘い込むための罠だ」

ところ変わってワトソン家の寝室。ロージーの夜泣きに悩まされる夫妻。しかしロージーをあやすのにメアリーが寝室をでると、ジョンはバスの彼女とメールをしてる様子。浮気だ!いやあ初放送時には全英でジョンの信用が地に落ちたよなあ。英国の男性って育児には協力的だけど浮気もしちゃうんだろうなあ(偏見御免)

一方シャーロックはハッカーのクレッグに頼んでサッチャーの胸像の販売ルートを調べてる。胸像はトビリシで作られ6つ出荷された。その後も胸像は割られ続け殺人事件も起きる。ついに残るは1つ。シャーロックがその家に張り込むと賊が現れ格闘となる。

賊を叩きのめし、シャーロックは意気揚々とサッチャーの胸像を割る。「これぞインターポールが捜し求めていたボルジア家の黒真珠です(Let me present Interpol’s number one case. Too tough for them; too boring for me. " The Black Pearl of the Borgias.”)」ってね。これは正典「6つのナポレオン」の正しいオチ。正典かくらんシリーズだね。

しかし出てきたのは黒真珠ならぬA.G.R.Aと書かれたUSBメモリー。それはメアリーが持っていた彼女自身のエージェントとしての仕事を収めた超機密USB。S3E3でメアリーはジョンに真実を告白し、彼女の命運を握るUSBメモリーをジョンに渡し、ジョンはそのメモリーをホームズ家の暖炉で焼いたはず。なぜそこにあるのか。

どうやら賊はメアリーのかっての仲間だったよう。しかし彼女を深く恨んでいるよう。動揺してシャーロックはメアリーのことを漏らしてしまう(こら無能探偵!)。メアリーが危ない!

それは6年前にさかのぼる。ジョージア(グルジア)の英国大使館がクーデターで占拠され、英国大使夫妻が人質となる。依頼者「アモ」の命を受けて救出に来たメアリーたちエージェント。しかし作戦は事前にテロリストに漏れていて救出作戦は失敗に終わり、大使夫妻とメアリー以外のエージェントは殺害された。

メアリーのアジトでシャーロックはメアリに会う。かっての仲間が裏切ったと。君を護るというシャーロックをだまして昏倒させメアリーは消える。昏倒するシャーロックの頭にひとつのビジョンが浮かび上がる。犬の鳴き声(赤ひげ?) 海賊帽をかぶった男の子(シャーロック?)、赤い長靴を履いた女の子(?) そして女の子の歌声「I that am lost. Oh, who will find me. Deep down below. The old beech tree? (メロディーはむすんでひらいて)」

メアリーは、ジョンとロージーを護るために逃走を図る。元敏腕エージェントの腕を生かして、足跡を残さないよう入念に地球を半周してたどり着いた先はモロッコ。しかしそこにはシャーロックが待っていた。吃驚するメアリーに、実はUSBメモリーに追跡装置を仕込んだ。そしてその案はジョン。ジョンも一緒に来ていたのだ。しかしジョンは自分を信じてくれなかったメアリーから心が離れていると告げた。この時点でジョンは、シャーロックにもメアリーにも裏切られているのだ。シャーロックはライヘンバッハの時にね。ジョンは彼が愛する二人から信頼されたかった。しかし彼らはジョンを護るためとは言え、彼に真実を明かさなかった。それは彼にとって決して許せないことなんだろうなあ。

そこへ現れる昔の名前エージャイ。彼は敵に捕まり長い間拷問されていたのだ。盗み聞いた敵の会話「裏切ったのはアモ、イギリス女だ」 それをメアリーと思い込んだ彼はメアリーに復讐しようと追いかけていたのだ。彼は駆けつけた警察によって射殺され三人は英国に帰国する。

シャーロックはマイクロフトにアモの正体を示唆する。アモとはラテン語で愛、すなわちラブのコードネームを持つスモールウッド女史であると。女史は拘束される。

帰国したジョンはバスの彼女のことを思う。もらった電話番号を捨てようとしたが思いとどまり(このジョンの顔がゲスで悪いんだ~マーティン最高!)ずるずるとメールのやりとりを続けている。結婚していること告げようと逡巡しているが結局は伝えない。このジョンの心境は複雑だ。シャーロックからもメアリーからも全幅の信頼を置かれていない、しかもシャーロックは自分よりメアリーが重用してる。ジョンが愛する二人と二人が愛するジョンの天秤がつりあっていないと感じてるんだろうなあ。だからって浮気に走るのはどうかと思うけどね。(S4E1時点での話ね。これがE2、E3になるとまた評価が変わってくるけどそれはそのときの話)

スモールウッド女史を詰問するマイクロフト。確かにジョージアでの大使救出作戦を指揮したのはスモールウッド女史。しかし彼女には身に覚えが無いという。シャーロックはMI6傍のヴォクソール橋で思考する。そしてこの事件にかかわった可能性のある「誰か」に思い至る。

ワトソン家の居間でジョンはメアリーに「話しておきたいことがある」と浮気の件を切り出そうとする。そこへシャーロックから大詰めだとのテキストメール。舞台はロンドン水族館。ジョンはロージーをモリーに預けるために家に残り、メアリーが駆けつける。

犯人はスモールウッド女史にいつも付き従ってる老秘書ヴィビアン・ノーバリー。彼女は立場を利用して知り得た情報を敵に売っていたのだ。その秘密をジョージアの英国大使に見破られ彼女を殺すために敵に情報を漏らした。動機は省みられない自分の周囲への嫉妬だと容赦無く動機を暴くシャーロックに追い詰められたヴィビアンは彼に向って銃を放つ。しかしそれをかばってメアリーが変わりに撃たれてしまい駆けつけたジョンの腕の中で息絶える。

このジョンの慟哭がねえ本当に苦しそうで胸に迫る。ジョンはシャーロックを責める。「僕らを護ると誓ったのに」と なすすべもなく佇むシャーロック。取り返しのつかないことをしてしまった。

シャーロックとメアリーに嫉妬し、浮気をしていたジョン。彼はその後ろめたさをすべてシャーロックにぶつけた。つまりこの1話かけてためこんだフラストはすべてこのラストシーンのためだったのだ。

帰宅したマイクロフト。キッチンの冷蔵庫の扉に貼ってあるケータリングのメニューをとって電話をかけようとする。メニューの下から現れたのは「13th」と書かれたポストイット。マイクロフトがかけた電話「シェリングフォードにつないでくれ」と

マイクロフロトはもうひとりのホームズ兄弟「シェリングフォード」と連絡をとっていた。彼(?)はこの事件に関係があるのか。

221Bで嘆き悲しむハドソンさんと会話するシャーロック。夫人にシャーロックは言う。「これから先、もし僕が自信過剰になって自惚れ、調子に乗った時は僕に一言"ノーバリー"って言ってもらえます?そしたら助かります」

これは正典「黄色い顔」のラストのホームズの台詞そのまま。正典では推測した犯行動機が外れたホームズがワトソンに言う台詞。失敗を忘れないためのものだが、ここではノーバリー夫人を精神的に追い詰めて結果的にメアリーを殺してしまったシャーロック自身の軽率さに対するいましめなんだろうな。

そしてまた、シャーロックは自分を護って死んだメアリーの喪失から、自身のライヘンバッハでの死の偽装がどんなにジョンを苦しめたかようやく思い至ったのだろう。モファットとゲイティスは、SHERLOCKでは若くて未熟なシャーロックが正典に登場する紳士で大人なホームズになるまでの成長を書くのだとS1の頃から言っている。S4は確かにシャーロックはそれまでのシリーズとは格段に人間らしく大人らしくなっていく。賛否両論あるのは置いといて、ああこれは確かに成長譚なんだなあ。と思った次第。

ハドソン夫人が届けに来たのはMISS MEと書かれたDVD。「やはりモリアーティの仕業か!」とシャーロックはそのDVDを見るがそれはメアリーの遺言だった。彼女は自分の死を予感していた。サマラの約束のように自分の過去にいつかは捕まってしまうと。そして「自分が死んだらしてほしいことがある。ジョン・ワトソンを救って」とシャーロックに依頼する。しかしジョンは悲しみに沈みシャーロックに会おうとはしない。

シャーロックはどうやってジョンを救うことができるのだろうか。しかし エンドクレジットの後にメアリのDVD映像が「地獄に落ちろシャーロック(Go to Hell, Sherlock.)」と。

P.S. 「六つのサッチャー」はシャーロックはモリアーティの残党が仕掛けた罠の読み違えをしてしまった上、護ると誓ったメアリーまで失ってしまうたいへんな失敗譚だ。しかしモリアーティの残党はちゃんと罠を仕掛けている。シャーロックはそれを完全に見逃してしまっている。なぜなら - (S4E2に続く)


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コメント

いよいよS4の日本放送ですね!!
nyaさんの感想もワクワクして拝読しました!!
あ、あ、あと1回で終わってしまうと思うと楽しみな様な 悲しい様な~😢

投稿: mayu | 2017.07.17 19:38

わあ、mayuさん、コメントありがとうございます!

感想お読みいただきありがとうございます!本当に待ちに待ったS4の放送ですが、始まるとあっという間ですねえ。最後まで楽しみましょうね!

投稿: nya | 2017.07.17 19:43

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