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2016.02.20

2016年2月:シャーロック/忌まわしき花嫁 ネタバレ感想メモ(考察はまだ)

さてさていよいよ2/19(金)からシャーロックスペシャル「忌まわしき花嫁」の公開が始まりました!初日に有給休暇とってがっつり観に行ってしまいましたよ。新宿TOHOでは最大箱スクリーン9/TCXと言う大判振る舞いでグッズ売り場も充実。嬉しくって2回続けて観ました。平日にも関わらず昼間の回は6~7割の入りで結構いい感じに入ってた。

入場者特典の絵葉書。

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映画公式サイト

この先は完全にネタバレってますので未見の方は気をつけてくださいね。これ絶対ネタバレなしで観たほうが面白いしびっくりするよ!あ、ドラマはS1~S3まで観てることはほぼマストでしょうなあ。後述しますがS3.5という位置づけですよ

このドラマは物語構造がたいそう面白い。英放映当時のメディア記事にあった「まるでインセプションだ」はあながち的外れでもない(そこまで凝ってはいないけど)。故に一度見た後に「この台詞や行動は本当は誰の何の意図に基づくものか」を考えながら見返すのは面白い。一粒で何度も楽しめるしくみになっているのだ。

冒頭はS1~S3のダイジェスト。シャーロックとジョンの出会いシーンから始まる。

1.2010/ S1
・「The name’s Sherlock Holmes and the address is 221B Baker Street(ばちこーん)」
・ギャラリーで警備員に変装シャーロック
・モリ―の前で死体を鞭うつシャーロック
・マイクロフトとジョンのであい
・ハドソンさんにキスして「The game, Mrs Hudson, is on!」
Explosion(何故かS3E1の国会議事堂爆破シーンがインサート)
・シャーロック「ヒーロー扱いされるのは心外だ」
・プールでのモリアーティとの対決「おまえの心臓を取り出して焼いてやる」

2.2012/S2
・アドラー邸でのまっぱアドラー嬢とシャーロックの対決。そこへジョンが!
・バッキンガム宮殿の二人「パンツはいてる?」「いんや」プークスクス
・シャーロックを鞭打つアイリーン 「あなたを打ち負かした唯一の女って覚えておいてね♡」
・ハウンドに怯えるシャーロックとジョン
・バーツ屋上。モリアーティとの対決。頭を打ち抜くモリアーティ。飛び降りるシャーロック
「さよなら、ジョン」「シャーロック!」

3.2014/S3
・マイクロフト「これらはいずれお前を殺すだろう」
・レストレード「(生きてるシャーロックを見て)くそったれめがああ!」
・シャーロック「さああの血沸き肉踊る世界に二人でもどろうじゃないかあ(S1E1のアンジェロの店から飛び出してタクシーを追いかけるシャーロックとジョンがインサート)」激怒したジョンが頭突きw
・そして何故かS2E3の警察から手錠で繋がれて逃げる二人の逃避行シーンが!
・シャーロックのお墓
・S3E1のラスト、生還を果たしたシャーロックにジョンが語りかける
ジョン「僕は君の墓の前に立って奇跡を願ったんだ。死んでないで出て来いよって言ったんだ」
シャーロック「聞いていたよ」
・S3E2 ショルトーの部屋の前のジョン「黙れ、君はパズル解きじゃあない。君はドラマ・クイーンだ。今一人の男が死にゆこうとしている。(S3E1のラストで鹿討帽をかぶるシャーロック)。ゲームははじまってるんだ。謎をとけ!」
・シャーロック「彼は恐喝界のナポレオンさ」
・マグヌッセン「ホームズさん、今回はヒーローにはなれませんでしたな」
シャーロック「僕は高機能ソシオパスだ!(彼を撃つ)」
・マイクロフト「(レディ・スモールウッドに) シャーロックを閉じ込めておける監獄などありません。代わりといってはなんですが貴女のご承認をいただきたい」
・亡命するシャーロックを見送るジョンとメアリー。
「最高の日々に、ジョン」 握手

・飛行機に乗り涙ぐむシャーロック そこへ例の「会いたかった?」
レディ・スモールウッド「どうやったの!」
・マイクロフトが機内のシャーロックへ電話
マイキー「亡命はどうかね?」
シャロ「えええっ4分前に飛び立ったばかりだよっ!」
マイキー「おまえが大いに学んでくれたらそれで良いさ」
シャロ「で、今度は誰が僕を必要としているんだい?」
(モリアーティ「会いたかった?」がインサート)
マイキー「イングランド」
着陸する飛行機

ここで画面に「Alternatively」という文字があらわれる。そう、「オルタナティブリー=代替」 。あるべきもう一つの世界を提示というふうにもとれる言葉。やっぱパラレルなのおおおお!と思ってしまった。すぐに2014という文字があらわれて時代が遡り始める。1895年を目指して -

また冒頭で提示される現代シャーロックのS1~S3のダイジェストがオリジナルと全く同じではなく微妙に改変がはいっている(違うシリーズがインサートされたり、補足シーンがはいったり)ことがひっかかった。何故過去のシーンが改変されているのか。それは誰かの - 有体にいえばシャーロックの視点がはいっているからではないのか。

そしてこれは単なるダイジェストではなく導入部なのだろう  - 即ち製作者の「これからはじまる物語はS3の続きである」という宣言。

そう私たちは、あの混乱の坩堝の様だった(好きです) S3の追補をスクリーンで観ているのだ。

スペシャル本編感想メモ。ぶっちゃけネタバレすると、このヴィクトリアンな世界は、S3のラストでモリアーティの復活を知ったシャーロックがマインドパレスに深くダイブして、過去の未解決類似事件を捜査して S2E3のラストで拳銃で頭を撃ちぬいて死んだモリアーティ生存の可能性を探るための舞台装置なのだ。従って登場人物は全てシャーロックを通して見た彼/彼女であり、ホームズ自身はジョンの目を通して見たシャーロックが反映されている。

1.ワトソン博士の戦場での負傷とスタンフォードを通じたホームズとの出会い。これは現代版の置き換えであり、結果として正典「緋色の研究」の冒頭のダイジェストになっている、気になったのがモルグで死体を鞭打つホームズに出会う前、ワトソンとスタンフォードが通り過ぎる部屋の中に現代シャーロックと思しき人影が映っていたような気がした。

2.話は飛んで数年後、既にホームズは探偵として名声を博し、ワトソン博士はストランド誌に著作を発表。最新作は青い紅玉。いわゆる正典ホームズ栄光の時代1895年が提示される。

3.ワトソンは新婚のメアリーを放っておいてホームズの助手として行動しているようだ。
メアリは顔を隠して221Bに夫を訪ねてくる。当初メアリーの正体に気づかず椅子をすすめるワトソンが、S3E3の暗殺者としての正体がバレたメアリーに椅子をすすめるジョンと行動が似ている。また香水からその正体を見抜くホームズもS3E3と一緒。夫婦喧嘩をはじめるジョンとメアリーの背後でホームズはバイオリンを奏でる。その曲はS3E2でシャーロックが二人の結婚式のために作った曲。

即ちこの一連のスケッチは、S3E2~S3E3のトレスであり、にもかかわらず現代版と違ってワトソン博士はシャーロックと行動を共にしている。これはシャーロックの願望がかなった世界であるという解釈もできる。

4.メアリーは聡明で行動的。スパイ活動に長ける。婦人参政権運動にかかわる。これは現代版メアリーを反映したキャラクターづけと思われる。ここでシャーロックは宣言する。「役者は揃った。幕があがる 」「自分自身に深く潜る」 。これはこの時点からモリアーティ生存の可能性を探るための未解決事件の捜査をはじめる宣言だ。
自分自身に深く潜ると言った時のホームズは心もとない表情をしていて、この時点で物語の構造に気づいてなかった私もちょっとあれっと思った。この心もとない表情は、この後何回もでてくることになる。

5.直後に唐突に訪ねてくるレストレード警部。事件を持ち込む。多分彼はこの瞬間にマイパレ世界にあらわれた。.レストレードは(恐ろしい事件に)怯えていると見抜くワトソン。彼は現在ジョンより聡明に見える。このカラクリも追ってわかってくる。「あなたなんてホームズについて記録するだけ」と揶揄するメアリーに「僕のボスウェルは学んで賢くなっているぞ」と言うホームズ(ジョンを成長させているのは自分だというメアリーへの競争心?)

6.自殺した花嫁による夫の殺人事件を語るレストレード。事件現場に現れる221Bの部屋から場面を観ながら推理をすすめるこれはシャーロック的演出。ホームズは喜んで捜査にでかける。ワトソン博士も一緒に。置いて行かれて不満顔なメアリーにMからの電報を取り次ぐハドソン夫人。後にこれはマイクロフトだと判明するが、S1E1でモリアーティ的にあらわれたマイクロフトのミスリードをなぞっていると思われる。

7.モルグを訪ねる一行。アンダーソンはただの下っ端(シャーロックが彼を軽く扱ってる) モリ―は男装してフーパーとして現れる。ホームズは気がつかないがワトソン博士が気づく(マイパレ内のキャラクターはある程度自由に振舞う? )
→ワトソンはリコレッティ夫人が肺病を患っていたことにも気づく(覚悟の自殺であったことの示唆)
→死体が.血文字で書いたというYouはモリアーティがよく残していたサインI.O.U( I Owe You)にも似ている

8.ホームズが後頭部を打ちぬいた死体を「彼」と言い間違え(心もとない表情)ワトソン博士が否定する。ここは現実に戻りかけたホームズをワトソン博士が引き戻しているのか?

9.死んだ花嫁による殺人事件が続く。レストレード警部が221Bを訪ねる。模倣犯だと一括するホームズ。
ワトソンを呼ぶが彼はいない。すでに自宅に戻っているのだ。「僕は誰に対して話しかけたんだ?」 (シャーロック自身のジョンの喪失感の反映?)

10.自宅でのワトソン博士。メアリー夫人は出かけている。妻からもメイドからも軽んじられている。ここはシャーロックの願望...というより女性を軽んじるシャーロックの罪悪感か。シャーロックから例の「すぐ来い。用事があってもなくても」との電報で呼び出される

11.ディオゲネス・クラブのマイクロフトを訪ねる。沈黙を重んじるため手話で会話。手話の下手なワトソンが間違えてとんでもないことを言ってしまうのはモンティ・パイソンのスケッチのよう。マイクロフトは正典通り太っている。常に食べ続けている。これは知識や権力を蓄え続ける彼への揶揄か。死期をホームズと賭けている。緩慢な自殺のようだ。この場合の死期とは何を意味するのか。彼がつぶやくチクタクチクタクとは有限のマイパレ滞在時間のカウントダウンなのか。

12.この時点でマイクロフトは花嫁事件の犯人が分かっている。敵とは無政府主義者でも共産主義者でも婦人参政権運動家でもスコットランド人(なんで)でもない。もっと広く遍くこの世にいるものだ。そして勝てるとは限らない。なぜなら分は敵の方にあり悪いのはこちらだからだと。ホームズたちには事件の捜査を続けるように促し、カーマイケル夫人を紹介する。

13.カーマイケル夫人が持ち込んだ事件は持ち込む正典のオレンジの種5つ事件を模している。しかしそこに現れたのはエミリア・リコレッティの幽霊であった。カーマイケル氏は彼女が自分への復讐のために蘇ったのだと恐れている。

14.カーマイケル邸に向かう汽車の中で語るホームズとワトソン。「幽霊は存在しない。私たち自身が作り上げるのだ」とホームズ(心もとない表情)。 ここで指しているのはマイパレ内でウィルスと化したモリアーティと思われる。

15.カーマイケル氏との会談。エミリア・リコレッティと面識は無い、自分の振舞は夢遊病と否定するカーマイケル氏。この時点でホームズはすでに回答にたどり着いている。

16.夜半、寝静まったカーマイケル邸を見はるホームズとワトソン。女性にも結婚にも興味がないと語るホームズに、君はアイリーン・アドラーの写真を持ってるじゃあないかとワトソン。これは正典通りの設定だが写真が現代アドラーである。

「どうしてそうなったんだ」と問うワトソンに「僕が僕を作ったのだ」と答えるホームズ。その瞬間犬の吠え声。心もとない表情で「RedBeard?」と呟く。これはS3E3で瀕死のシャーロックのマイパレに登場する彼が幼少期の頃に飼いたいへんにかわいがり哀しい別れをした愛犬の名前。 彼を形成するものの中にその「RedBeard」があることが伺える。

ここでのもうひとつのポイントはホームズがワトソン博士のホームズ譚を読んでいることが提示されることだ。ホームズ(=シャーロック)がワトソン(=ジョン)の目から見た自分をよりどころにしていることが伺えるのだ。

17.エミリア・リコレッティの幽霊が現れ消える。ホームズたちが窓を破って屋敷にはいるとすでにカーマイケル氏が殺されていた。ワトソンの前に現れる幽霊。ホームズたちは犯人をとり逃す。

18..カーマイケル氏の死体に刺さる短剣。ホームズが見た時は短剣のみだったが、レストレードが来た時にはメッセージカード(荷札?)がついている。「MISS ME?」 このメッセージはS3E3ラストで英国中のメディアをハックしたモリアーティが発したもの。即ちモリアーティがシャーロックのマインドパレスをハックしていることが示唆される。動揺するシャーロック。場面はマイクロフトとの会談に切り替わる。兄は「MISS ME?」のカードを持っている。

この世界ではモリアーティは滝に落ちて死んでいる(滝の絵はS2E3で登場した絵)。マイクロフトは唐突に「リストは作ったか?」「データ内のウィルス」と現代の台詞を話す。マイクロフトがシャーロックのマイパレにアクセスしている可能性があるが、おそらくシャーロックがマイクロフトをマイパレの安全弁として上位クラスに設定している?

19.221Bで瞑想するホームズ。マイパレ内で事件の切り抜きを視覚的に検索する。7%水溶液のコカインを注射。自分のマイパレ内に存在するモリアーティを呼びだしているのだ。モリアーティが姿を現す。

20.ここで物語の全容が明らかになる。S2E3で自分の頭を撃ちぬいて死んだモリアーティが何故S3E3で蘇ったか。その可能性を探るために過去事件を捜査しているのだと。シャーロックを挑発するモリアーティ。シャーロックの動揺で世界が揺らぎ始める。モリアーティは再び自分の頭を撃ちぬく - しかし生きている。「死は新しいセクシー」 「僕は墜ちてない、"着陸" したのだ」

"着陸" をキーワードに221Bは崩壊する。そして場面はS3E3ラスト、シャーロックを乗せたプライベートジェットが空港に戻り着陸するシーンにドラマチックに転換する。

21.現実に戻るシャーロック。そこはS3ラストから5分後の世界。駆けつけるマイクロフトとジョンとメアリー。実はシャーロックは麻薬でドーピングしてマイパレに無理やり潜っていたのだ。マイクロフトが語ったリストとは麻薬のリストだった。若き日のシャーロックが麻薬の力を借りて(おそらくはじめての)マイパレダイブに挑み死にかけた時、それを助けたのが兄マイクロフトだった(10代のシャーロックと20代のマイクロフトの回想場面!)
たぶんその際に、今度同じことをやるときには事前に使用する麻薬のリストを渡すようマイクロフトはシャーロックに命じていたのだ(蘇生と治療のためにね)

22.自分に潜って過去の事件を捜査していたのだと訴えるシャーロック。素早くMI5のシステムをハッキングしてエミリア・リコレッティの事件を探り出すメアリー(かっこいい!)

23.ヴィクトリアンに戻るホームズ。コカインで酩酊するホームズをワトソン博士が呼び戻したのだ。メアリーから電報が届く。マイクロフトから命じられ事件を探っていたのだ。犯人のアジトをつきとめたと。このあたりは現実のメアリーの反映とシャーロックの反省(やっぱりジョンはメアリーと仲良くないと)かな?

麻薬でふらつきながらも事件の解決に駆けつけようとするホームズ。ワトソンは彼に「君はシャーロック・ホームズだろう。この帽子を被れ」と鹿討帽を差し出す(S3E1ラストへのオマージュ)

24.犯人(秘密結社)のアジトに乗り込み花嫁事件のトリックを暴くホームズ。それはメアリーも参加している婦人参政権運動の仲間が関わっていた。横暴な夫に虐げられた妻たちの復讐だと。KKK団風の頭巾を脱いだ犯人たちはみな女性。モリ―、ジャニーンなど過去にシャーロックが軽く扱ってきた女たち(シャーロックめっちゃ反省してる)
→夫に虐げられた女たちの秘密結社がKKK団風なので海外でも批判がでてるけど、まあ正典(オレンジの種5つ)からの引用だからなあ。あと正典には夫に虐げられた女性が多く登場する...ってか女性が登場するとしたらそういう役割しか無かった時代に対するアンチテーゼかも。ハドソン夫人も台詞が無いことにたいそうご立腹だったし 。メアリーも最初は家庭をないがしろにするワトソン博士と不仲だった。

25.米国でエミリア・リコレッティの財産を騙し取り、英国に渡って財を成したカーマイケル氏。失意のエミリアもまた英国に渡り結婚したがその夫トマス氏もまた酷い人間だった。肺病に罹って余命わずかのエミリア・リコレッテイは夫とカーマイケル氏への復讐を目論む。それを助けたのが彼女同様に夫や男に虐げられてきた女性たちだった。

エミリアは自殺したと見せかけて、すり替えた死体と入れ替わり、自分の手で夫トマス氏を撃ち殺してから、改めて死んでモルグの死体と入れ替わった。そしてカーマイケル氏を殺したのは、エミリアに同情した夫人の仕業だった。エミリアからカーマイケル夫人へと殺人のリレーが行われたのだ。

ホームズは「なぜ自分が犯人なのに僕に捜査を依頼してきたのか腑に落ちない」と。そこに現れる花嫁の扮装をしたモリアーティ。君の推理は間違っている。僕はそんなケチなことしないとシャーロックを混乱させる。

26.動揺したホームズは現実に戻る。エミリア・リコレッティの墓を暴き、身代り死体の場所を捜し出そうとする。
怒って帰るジョンとメアリー(「メアリーを連れて帰る!」「何ですって?」「メアリーが僕を連れて帰る」「いいわ」の会話好き)。つきあうマイクロフトとレストレード。しかしこれはマイパレ内のウィルスモリアーティがシャーロックをマイパレ内に閉じ込めようと画策したワナであり現実ではない。

27.ライヘンバッハの滝で目を覚ますホームズ。そこにはモリアーティが。「君は前に自分の頭脳をハードディスクのようだと言ったね。僕はそこに巣くうウィルスさ」「僕は君の弱点なのだ」とマイパレの中でホームズを滅ぼそうとするモリアーティ。そこにワトソンがあああああああ!かっこいいいいいいい!マイパレの最深部ライヘンバッハの滝にはワトソン博士がいたのだ。何故か「君の物語を書いてるのは僕だからね!」  何故マイパレ内のホームズはワトソン博士の視点で描かれたホームズだったのか。その理由は「ホームズを滅ぼすライヘンバッハという舞台装置にワトソンのサポートを仕掛けておく」ということだったのではないか? 「そりゃないよ~」ととほほ顔のモリアーティ(かわいい!)をけり落とすワトソン博士。

28.「どうやって現実に帰還する?」「初歩的なことだよ。ワトソン君」と言って滝に身を投げるホームズ。それを見守るワトソン。S2E2のライヘンバッハでは、シャーロックはジョンを助けるために一人でバーツの屋上から身を投げた。「今回の」ライヘンバッハでは、ホームズはワトソン博士に助けられ彼に見守られながら身を投げる。

29. 本当の現実に帰還するシャーロック。目が覚めたときに「Miss Me?」って言うけどこれはお茶目だよね?「もう薬はいらない!ジョン、ベイカーストリートに戻るぞ!」とリストを破り捨て意気揚々と飛行機を降りる。マイクロフトがジョンに「弟をよろしく」と。頷くジョン。破り捨てられたリストを手帳に挟むマイクロフト。手帳には「REDBEARD」の文字が(涙...というかこれもまたマイパレ内のキーワードなんだろうな。

「忌まわしき花嫁」事件も無事に解決し、シャーロックのマインド・パレスに巣くったモリアーティというウィルスもワトソン博士の協力で無事に滅ぼした。この一連の捜査でシャーロックは一つの結論を得た。やはりモリアーティは死んでいる。生き返る余地はない。誰かが彼の名を騙り犯罪を起こそうとしている。マイクロフト(英国政府)の命を受けてそれを食い止めなければ!.....S4に続く...


で、.エンディングロールと思いきや....再びヴィクトリアンに。暖炉の前でパイプをやりながら現代シャーロックについて語るホームズとワトソン博士。彼もまた「忌まわしき花嫁」事件を解決するためにコカインでマイパレに潜り現代シャーロックとなってモリアーティ事件を解いたともとれる会話。そう、ここは並行世界。ヴィクトリアン・シャーロックは実在したのだ。 それぞれの世界のシャーロックはマインド・パレスで繋がり、協力し合って事件を解決している! .... のかもしれないw こういう設定は大好きだ!


.「なにしろ僕は遍く存在しているからね」と窓から外を見るホームズ。そこには現代のベーカーストリートの風景が!

いやああ堪能したした。素晴らしい 「僕ら(モファティス)の考えた最強のシャーロック・ホームズとワトソン博士」を観させていただきました! ベネさんも素晴らしいし、マーティンのワトソン博士の恰好良さときたらもうもうもう!いやあS4も楽しみだ。

上映期間は1か月。まだまだ観る予定なので、考察も追ってして行きたいと思います~!


P.S.1月に英国BBCから購入したDVDを英語字幕で観てから、封切で日本語字幕版を観たんだけど、私肝心なことが理解できていないことがわかってしょんもりしました。ヴィクトリアンでカーマイケル邸での会話でホームズがストランド誌のワトソン博士のホームズ譚を呼んでいて登場人物としてのホームズの台詞をそらんじるところ。また現実でもメアリーがシャーロックがジョンのブログを読んでいることを示唆してる。即ちシャーロックのマインドパレス内のホームズ(シャーロック)というキャラクターの造形はワトソン博士(ジョン)を通したものになっているということ。彼自身ではないのだ。だからこそ「今回の」ライヘンバッハではワトソン博士の助けを得ることができたのではないか。その他にもいろいろ考察可能だ。素晴らしい設定で大好きだ。

P.S.その2 SFになっちゃうけど、あらゆる時代、あらゆる世界にシャーロック・ホームズ(とワトソン博士)は存在するって設定はアリじゃないかと思ってる。なにしろ製作者モファットもゲイティスも筋金入りのシャーロッキアン(自分ではファンボーイとw) 。BBCシャーロックには正典と過去の映像作品へのオマージュがてんこもり。コナン・ドイルが生み出した「シャーロック・ホームズ」というミームは以降映像化、パスティーシュで再生産され続けている。それらを全てBBCシャーロックに内包させようという野望があるんじゃないかな。その古今東西遍く存在するシャーロック・ホームズと言うミームを人類史から抹殺しようとするのがモリアーティとかね(妄想)

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コメント

わぁぁぁぁぁぁ!
一気に読ませていただきましたー!

うん、うん(涙)
頷くばかりでした!
考察も楽しみにしていますーーー!

投稿: mayu | 2016.02.20 20:26

うわあmayuさん、全然まとまっていないのに読んでいただいて感謝感激です~!いやあ素晴らしかったですねええええ。DVD買って何回も見てるのに、映画館でまた見たくなっちゃう素晴らしさでした。ツイッターでまとめながら考察していきますね~!ありがとうございました!

投稿: nya | 2016.02.20 20:31

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