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英国逍遥2014 -4日目:Richard! Richard!

今回の渡英の目的「マーティンのリチャード三世を観る!」「マーティンに逢う!」という目的を達してほわほわしながら起きたら衝撃ニュースが!

ヴァージン アトランティック航空 路線ネットワークの強化計画と顧客満足度向上のための投資計画を発表

なんと20年来利用してきたVA便が日本路線を廃止してしまうという衝撃ニュース!思えば英国に出張した折にJAL、ANA、VAとそれぞれのビジネスクラスを利用した結果、ファーストクラスを持たないVAはビジネスクラス料金でファーストクラス並みのサービスを受けられるというのが大変に気に入り、以来プライベートの渡英はずっとVAのアッパークラスを利用してきた。アメックスのポイントをマイレージに交換し、アッパークラスの無料航空券に引き換えて数年毎の英国旅行をリーズナブルに楽しんできたのだ。

それが終わってしまう。次からの英国旅行はどこのエアラインをつかえば良いのか頭が痛い。

まあ、それはともかく本日は1日使えるラストデイ。ソワレの舞台まで何も予定はないので気楽にすごすぞ~とのんびり出かける。

徒歩でレスタースクエアを通る。オデオン座の前に人がたくさん集まってる(実はこの時、ロンドン国際映画祭のオープニングがTIGと発表されていたそうで...orz)

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ツイッターのフォロワーさんにお教えいただいた本屋さん、Foylesに行く。近代的な作りで英国らしく芝居の戯曲(と舞台DVD)が揃っている良い本屋さん。個人的に受けたのはグランドフロアの半分くらいが料理本コーナーになっていて、レシピ本も充実。なんとお弁当レシピ本コーナーにはお弁当箱まで。あなどりがたし英国w

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その後は近くのロンドンいちのヲタクショップForbidden Planet(禁断の惑星)へ。ここは何度も来ている世界でも有数のヲタクショップだ。10時の開店ちょっと前についたらすでに行列が!

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英国のヲタクショップらしく、ドクター・フーグッズが充実。若干だけどSHERLOCKもあった。大好きなAdventure Timeのレモングラブ伯爵のTシャツが欲しかったんだけど配色がいまいちでパス。

ドクターフーのクリスマスジャンパー。これもちょっと趣味じゃないなあ。

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結局ドクター・フーのポスターや小物を買うなどw

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午後は改装されたばかりの帝国戦争博物館へ。20年以上前プライベートではじめてロンドンに来た際に改装前の帝国戦争博物館を訪れたのだけど、体調不良になってしまい1階のベンチで休んでたので観ることがかなわなかった(夫は観た)のでリベンジ。

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フロアは第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦(とスパイ戦)時代、中東戦争から現在と、連綿と続く戦いの記録とエビデンスが展示されてる。最上階はホロコーストフロア。写真禁止だったけど第二次世界大戦フロアにはエニグマも展示されてたよ。敵国の遺物展示も多く、日本軍の寄せ書き日の丸や軍刀、別フロアには広島の原爆関連の展示もあった。

第二次世界大戦のフロアでノルマンディー上陸時の実録フィルムが上映されていた。激しい攻防戦。横たわる死体。進軍し力尽きて倒れる多くの兵士たち。シビアなフィルムを観終わって振り返ったら、後ろに大勢の感極まった表情の老いた白人男性が佇んでいて - ちょっと来るものがあったよ。

さて「リチャード三世」ソワレ。今日は最前列下手側。椅子の背には血糊よけの黒い長そでTシャツがかかってる(着るのは2幕目から)。 隣に座っていたカップルはスペイン語を話していて内容はわからなかったんだけど「Cumberbitch」だけは聞き取れましたよw

Trafalgar Studiosの最前列は目の前50cmが舞台空間。しかも段差が無いから地続きってのが素晴らしい。手を伸ばせば届く距離で俳優さんが演技していて、日常と非日常の境が限りなく無くなっていくわけですな。そして気がつくのは俳優さんの"場をつくる"という才能。彼らは「リチャード三世という場」に生きていて、それは彼ら自身とは全くかけ離れている。憑依...ともまた違うな。役自身を含めた世界の構築。

だから俳優さんは全身どこを切り取っても役になりきっている。指の先まで気を抜いていない。それを目の前で体験する。この体験は本当に貴重だ。

英国は演劇大国だ。ウエストエンドでは毎日のようにたくさんの芝居が上演されている。名だたる世界の名優たちの生の演技を観られるのだ。しかし、その英国ですら若い人の芝居離れが叫ばれている。今回Trafalgar Studiosと演出家ジェイミー・ロイドは芝居を観たことのない若い人たちに来てもらおうと、シェイクスピアの古典「リチャード三世」をマーティンを主演に据えて彼の特質を生かしたスピーディで切れの良い芝居に仕立てたのだ。

シェイクスピアを「奇をてらった演出」で上演するというのはすでにそれ自身が陳腐化している。もう誰も見栄えの新奇さだけではその芝居を評価しないだろう。今回のリチャード三世の各紙の評価があまり高くないのもうなづける。役者の芝居は素晴らしいが、演出の肝である「不満の冬」と1970年代の冷戦を背景とした英国政治の停滞とクーデター未遂事件との関連づけは私には必然性があるとも効果がでているとも思えなかった。

しかしそれを越えてなお、この芝居はたいそう魅力的で素晴らしい。オリジナルの戯曲の台詞・配役をコンパクトにした演出は切れが良く。場毎の転換もスムースでだれることが無い。役者の台詞は明瞭で聞きとりやすく演技も明快で観客に余計な疑問を抱かせない。ゆえに観客の反応が良い。これは楽しい芝居体験だ。

こじんまりした舞台との距離が近い劇場で、手だれの役者たちの迫真の演技を体感できる。そこに生まれる舞台と観客席の化学反応。ブログやツイッターなどで拝見した感想では、海外を含む何人かの方が初観劇で、しかも同じ芝居を複数回観ていた。その結果毎回の芝居の印象が少しづつ異なることを発見し非常に面白がっていた。これが芝居のひとつの醍醐味で、私もこれを知ってから舞台の面白さに目覚めたのだ。

芝居とはひと夜の夢。同じ演目出演者でも同じ舞台はひとつも無い。幕がおりれば役者と観客と劇場がつくりあげた空間は霧散するのだ。だからひとつひとつの芝居が強烈に愛おしい。大切に思う。人生に似ている。

私はこの「リチャード三世」が大好きだ。この芝居に出会えて本当に良かった。

てなわけで、終幕後例によってステージドアでマーティンを待ってたら係の人が「今日はエージェントが来てて一杯やってるから出てくるのはおそいよ」とおっしゃったので、ああ今日もサインは無理そうだなあでも一目だけでもと1時間ほど待ってたら、紺色のハンチングと白いジャケット(暗いので正確な色ではありません)のマーティンが!

とうとうサインはもらえなかったよorz。あ、でもでも30年以上の観劇歴で出待ちってはじめてやったんですよ!わくわくしながら役者さんがでてくるのを待っているのはすっごく楽しかったよ!


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