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「SHERLOCK:S3E1 空の霊柩車」感想

待ちに待ったNHK-BSプレミアムのSHERLOCK S3。いやあ長かった長かった。S2E3から2年余。そして英国でのS3放送から5カ月近く(DVDは1月末に入手しております)、やっとやっとの日本での放送ですよ。NHKさんありがとう!

てなわけで感想です。英語版での感想ベースに吹替え版での補正をかけております。

ネタバレはここから下に記載いたします。原語版でS3E3まで視聴しておりますので、そこを踏まえた感想になっていることをご容赦ください

NHK SHERLOCK S3 公式サイト

公式サイト: BBC One 「The Empty Hearse」 SHERLOCK / Series 3 Episode 1 of 3

■まずは英国S3E1放映後に間髪いれずに更新されたジョンのブログ。ほとんどストーリーのあらすじになっておりますな。抄訳を記載しますね。意訳入ってるので注意。

The Empty Hearse(空の霊柩車)

もうニュースは見てくれたかな

(BBC BREAKFAST(朝のニュース)の動画 - シャーロックが生還したこと。The SUNの記者キティ・ライリーの謝罪文等)

そう、彼は生還した。いまや#sherlocklivesのハッシュタグがトレンドだ。

このブログを読む前に、ヤードが彼の無実を証明したってニュースも見てほしい。僕がこのブログに書いてきたことの全てが真実だって明らかになった。ブログのコメント欄に彼の無実、生還を信じて書き込んでくれた全ての人たちにありがとうを言いたい。心強かったよ。

さて、シャーロック・ホームズは死から甦った。モリアーティが僕ら、彼の友人の命を盾に彼を脅したので彼は死を偽装したんだ。彼は身を隠し、僕らは彼の死を信じた。彼らが僕らを救うためにそれをしたってことは解ってる。でも彼は真実を僕らに打ち明けるほどには僕らを信じていなかった。そのことに関して僕は彼を決して許さない - でも人生は続くしね。

彼が戻ってきたのは、ロンドンをテロの攻撃から守るため。僕らの命を守るため、危険を承知で戻ってきたのだ。生か死か - その中間はない。

彼が戻ってきたとき、僕は彼女とディナーを共にしていた。彼はなんとウェイターに変装して姿を現したんだ。なぜかって "その方が面白いって考えたのさ!" 彼は僕を吃驚させようって考えたんだろうけど、僕が頭突きをくらわしたから彼のほうが驚いたみたいだな。あれこれ悩むのはやめにするよ。人生は続くから。

勿論、彼が戻ってきたということは僕もまた危険に身をさらすこと。何しろ僕、誘拐されてガイフォークスの焚火の中で焼かれかけちゃったんだ。何でそうなったのかはまだ解ってない。少なくとも今回のテロの件とは無関係。僕の人生で最も恐ろしかった瞬間のひとつだった。

縛られて動けない。呼吸すら困難。僕の耳には子供の歓声が聞こえていた。 楽しそうな笑い声や歌声、まるでホラー映画のようだったよ。あ、もちろん彼らは僕が薪の山の中に囚われていることを知らない。彼らが火をつけて、危うく僕は焼き殺されるところだった。でもシャーロックと彼女が間一髪で僕を助けてくれたんだ。

ひょっとしてこれを仕組んだのは彼じゃないかって考えたよ。僕の命を救えば、僕は彼を許すんじゃないかってね。これは本当のことじゃあないよ。

彼が戻ってきた当初、僕は彼を歓迎しなかった。彼はサイコパスでその仕打ちは僕の許容範囲を超えていたからね。僕は彼を僕の人生から締め出したけど、僕はとんと鈍かった。彼もまた彼自身を彼と僕の人生から締め出していたんだ。

僕は働いていたし、戻らなかった。彼はベイカー街に戻り、僕の代わりにモリー・フーパーとテロの件を含む事件の調査を始めていた。

だけど、誘拐・焚火の事件が起こって、彼は僕の命を救ってくれた。僕は彼にありがとうを言いにいって .... ひっかかったんだ!彼はまるで麻薬のようだ。彼は僕にテロリストの計画を話して、僕は彼を助けたんだ

僕はある駅から発車した地下鉄が次の駅に到着するCCTV映像を見せられた。ある車両から1人の乗客が姿を消していた。でも実際に消えたのは乗客じゃない、乗客の乗った車両ごと消えてたのさ!僕らは使われていない古い駅が2つの駅の間にあることをつきとめた。

その廃駅は国会議事堂の下にあった。

僕らはそこで車両を発見した。その車両は一見空っぽに見えたけど、実は車両全体が爆弾だったんだ!あらゆる席の下に爆薬が仕込んであった。そしてそれは数分後に爆発するようにセットされた!

この爆弾は国会議事堂を爆破し英国政府を転覆させようとするものだった。勿論僕たちも死ぬ。

しかし、シャーロック(賢いくそったれめ!)は勿論それを止める方法を知ってたってわけさ。彼は僕たちの命と英国を救ったのだ。

その後は君たちも知っているよね。モラン卿は逮捕された。そう、テロリストは海外開発大臣だったのさ。信じられないよ。

ともあれ、シャーロックは死から甦り英国を救った。

で、他のニュース。僕は婚約したよ。これ以上詳しく話すつもりはない。プライベートだからね。彼女は僕の人生で起こった一番素晴らしいことさ。すまないね、シャーロック:)

そうさ、いまや全て良し。いやもっと良し!素晴らしい!

#sherlocklives すなわち #johnwatsonlivesだからね。

どうよどうよ!いい感じでしょう。まあテロの事件自体はちゃちいけど、帰還のくだりはすごくエモーショナルで素晴らしい。ジョンは最初怒って、シャーロックは何故ジョンが怒るのか全然わかってなくて、ジョンはお医者さんとしてシャーロックはモリーを助手にして別々に行動し始めるんだけど、ガイフォークスの事件が起こって、あっという間に名コンビ復活って感じかな。

ジョンはメアリーに出逢ったこともあって、シャーロックの件からようやく立ち直り、普通の人生を送ろうとし始めるんだけどブログに書いている通り「麻薬のような」シャーロックの誘いに抗えない。このアドレナリンジャンキーってば!破れ鍋に綴じ蓋な二人の冒険がまた始まる。

「#sherlocklives means #johnwatsonlives.」の一文はいいよね。ハッシュタグを本当に効果的にエモーショナルに使っててじんときちゃった。

次はドラマ本編感想。ほぼ英語版の感想と同じなんだけど、なんせ英語に不自由で、日本語放送の初回は吹替え版で観ましたとも。いやあベネシャロマージョンもいいけど三上シャロ森川ジョンもいいにゃあああ!大好きですよ。


・冒頭、胸引き裂かれるようなS2E3ライヘンフォールのシーンが軽快な音楽とともにすさまじいカットバックで流される。S2E3と違うのはシャーロックとジョンの会話の後ろで生還トリックが進行していること。複数の男たちがモリアーティの死体にマスクをかぶせてシャーロックに偽装。シャーロックはバンジージャンプの要領で屋上から飛び降り、モリーの部屋にガラスを破って飛び込み、モリーに情熱的なキスをして去っていく。劇団シャーロックのサイクリストがジョンにぶち当たってひきとめ、イリュージョニストのダレン・ブラウンが彼に催眠術をかける。その間にモリアーティの死体を路上に転がして、劇団シャーロックが周囲をとりかこみ血糊を巻く。催眠から覚めたジョンが近寄る....

・わああ、シャーロックまるで007かミッション・インポッシブルみたい!ガラス窓を破ってモリーの部屋に飛び込んでくるシーンはSTIDのジョンハリさん。(ここでモリー役のルイーズちゃんがツイッターで「彼、私にキスするのよ~」と言ってみんなが「わーいいなああ」「どんな匂いした~?」と聞いて「髪の毛くるくるだったわ~」とまるでファンガール同士のような会話をしてましたよ。かわいいね!) すげえなああ斬新な演出だなあと思ってたら

・レストレードに「なあにいってんだお前!」とどやされるアンダーソン!なんとアンダーソンの妄想だったという落ちに大笑い。クリスマスのミニエピソードにもあったように、残念なアンダーソンはシャーロックが生きているという妄想にとりつかれヤードも首になっちゃったみたいでかわいそう。もちろんそれはS2E3でシャーロックを疑い追い詰めてしまった彼自身の罪悪感にさいなまれてのもの。いい人なんだね。レストレードもそれがわかってるから無下にできないのがよくわかる。

・彼らが話していたのは裁判所の外のコーヒースタンド。傍らではレポーターたちが、シャーロックの潔白が証明された旨のレポートをしている。ヤードはちゃんとモリアーティの悪事を明白にし、探偵の名誉回復を果たしたのだ。でももう遅い - 彼は死んでしまった。レストレードとアンダーソンは無き探偵の魂に安らぎあれとコーヒーで乾杯する

・何故、2年後の今になってシャーロックの名誉回復がなされたのか。そりゃ決まってる。探偵生還のお膳立てを作るためだ。誰が?もちろんこのシナリオを描いた人物だ(ダブルミーニングww。くそうゲイティス兄、おいしいなあ!)

・舞台は変わって、東欧の森の中。誰かが逃げている。ヘリコプターが、兵士が、犬が彼を追い立てる。とうとうつかまって拷問を受ける彼 - どうやらセルビアで軍事施設に入り込みなんらかの破壊工作を行ったらしい。棒で打たれながら彼が白状したのは ... 「拷問してる彼の奥さんが隣の棺桶屋と浮気してるよ」 拷問官は「やっぱり!そうじゃないかと思ってたんだ~今日こそ尻尾をつかまえてやる~!」と飛び出していく。コントだね。

・取り残された彼に見張りの兵士が声をかける。最初はセルビア語で「友よ、やっと二人っきりになれたな。お前を探し出すのに苦労したぞ」 英語に切り替わる「よく聞け、ロンドンの地下組織が活動をはじめた。大規模なテロが予想される -休暇はもう終わりだ。弟よ。」

・なんと兵士はマイクロフト本人だった。安楽椅子探偵じゃなかったのかよ!「ベイカー街に戻れ、シャーロック・ホームズ!」兄ちゃんかっこえええ!

・場面は切り替わりロンドン。地下鉄に乗ってベイカー街に向かうジョン。目が死んでいる。221Bの扉の前で、「ガイに1ペニー」と言いながらガイ・フォークスの人形をひく子供たちとすれ違う。重要な伏線。

・一方兄に救出されてロンドンに戻ったシャーロック。彼はこの2年モリアーティの組織の解体に尽力していた。パズルの最後の支部はセルビアにあった。彼はやりとげたのだ。そしてロンドンに迫る危機

・セルビアで彼と行動をともにしていたモーペルチュイ男爵は聖典「ライゲートの大地主」にでてくる語られなかった事件の登場人物

・221Bのハドソンさんは怒ってる。どうやらジョンは長いことハドソンさんに連絡をとっていなかった模様。なぜ突然221Bを訪ねたか。「結婚します。これからプロポーズして」 これには怒っていたハドソンさんも大喜び!「彼の名前を教えて」ってあなた。「ハドソンさん、何度も何度も何度もいってますが、ぼ・く・は・ゲ・イ・じゃ・ない!」 毎シーズンに1回のお約束ですな

・テロの件は解決して見せると豪語するシャーロック。「ところでジョン・ワトソンどうしてる?」 もちろん兄はジョンを監視していた。モリアーティの残党の魔の手から守っていたんだね。彼の写真をみながら「これ(髭)はやめさせよう。老けてみえる。年寄りと組んでると思われたくない」とか「ジョンを驚かしに行こう。きっと喜ぶ(原語ではケーキから飛び出しちゃおうかなとかいってるよ)」とうきうき語る .. 兄じゃなくてもあきれるね。ジョンの気持ちをぜーんぜん慮っていない彼は手痛いしっぺ返しをくらうことになる。

・さていい感じのレストランでドレスアップしたメアリーとディナー中のジョン。ジョンはメアリーにプロポーズ。どうやら知りあってそんな長いわけでもないみたい。そんな人生最重要の瞬間に彼の前に現れるシャーロック。ウェイターに化けて近づいて一生懸命アピールするんだけどテンパってるジョンは気が付かねえ気がつかねえ。とうとう正体を明かしてしまいジョンはボーゼン!最初は唖然としてしかししれっとしたシャーロックに静かに怒りが蓄積していく - 彼の計画を実施するのにマイクロフト、モリー、そして劇団シャーロックw(約25人らしいよ)が知ってたといわれてとうとう爆発。

・ここで素晴らしいのは何よりもマーティンジョンの「シャーロックが生きていた」ことに対する困惑が激怒(でもちょっと嬉しいも交じってる)へと至る表情演技だけど、その隣のアマンダメアリーも素晴らしい。最初はジョン同様に吃驚して困惑しているけど、それがだんだん「この人って面白い!」という顔に変わっていくのだ。メアリーの生き生きとした表情はとってもチャーミング!

・河岸をダイナーに移すけど、まだ全然シャーロックはジョンの気持ちを斟酌していない。哀しいくらいのコドモ。2年間かくれんぼしてて姿を現わせばジョンが喜ぶと無邪気に信じてる。その無垢の信頼はすごくひとりよがりなんだよってこれから彼は思い知ることになるのだ。

・ブログと併せて読むとわかるけど、ジョンはシャーロックの死の偽装はモリアーティの残党からジョンを守るためってわかってる。でもジョンが許せないのは、それを2年前に打ち明けてくれなかったこと。シャーロックも「何度も接触しようとしたけど君が口を滑らせたらと思うと」 - できなかったと。 - この言葉はまずいよね。シャーロックはジョンを信じていなかった。助けてくれたことは嬉しいけど信頼されなかったことは多分ジョンの心に永久に瑕疵になって残るのだ。瑕疵のない友情なんてないけどね。

・シャーロックがいくら言葉を尽くしてもジョンとはすれ違い。とうとう彼も音をあげる。メアリーに「謝ったのに何故頭突きされるんだ」とぼやく。メアリーに「あなたって人間の気持ちがわからないのね」と言われて「気持ち、わからん...人間、もっとわからん」と言うシャーロックが馬鹿ww。「彼に話しとく。まかせて」といわれてはじめてシャーロックはメアリーに興味を抱く。彼女を観察して浮かび上がってきた言葉が

・猫が好き/自由民主党員/ガーディアン紙/近視/サイズ12/賢い/パートタイム看護師/言語が堪能/ロマンチック/パンは自分で焼く/うそつき/幻滅している/見えないところにタトゥー/盲腸の手術跡 ... サイズ12って私と同じやん..(英国のサイズ12って日本の13号..あわわ)...じゃあなくってちょっと気になる言葉もあるよね。うそつきはジョンの髭嫌いってことジョンに黙ってたことかもしれない。これは追って明らかに。不穏な音楽はE1から流れてる。

・シャーロックを置き去りにタクシーにのりこむジョンとメアリー。「最低な奴だろ!」とぼやくジョンに「気に行ったわ。私は好き」とほほ笑むメアリー。頼もしいにゃ!

・さてここで私はアマンダの最新の演技をみたわけけどいやあうまいうまい。マーティンとの相性は最高にいいね。もちろん演技なんだろうけど、ジョンとメアリーが醸し出すある種典型的なとうのたった大人のカップル(結婚間近)。シャーロックと一緒にいると危険な香りがするジョンがメアリーと一緒にいるとほわんとしてる。このオンオフの雰囲気の切り替えが素晴らしい。アマンダもリアルはマーティンのパートナーで二人の子持ちだけど、そんな世帯臭さは微塵も感じさせない。美しい大人の女性だったり悪戯っぽい少女のようだったりシャーロックのおかんだったり、いろんな表情があってどれも魅力的だ。

・シャーロックは身近な人々に自分の生還を知らせてまわる。白眉なのはレストレードとの再会のシーン。駐車場で煙草に火をつけようとポケットを探す警部。「(禁煙しないと)命取りになるぞ」と姿を現すシャーロック。「なんだよ!お前!」と驚く警部に。「復活の時だ。仕事サボりすぎだ。グラハム」「グレッグだってばよ!」 そして警部はシャーロックをハグする。一瞬嬉しそうな顔をして、でも困っちゃうシャーロックが本当にコドモでかわいい。シャーロックは永遠に警部の名前を覚えないんだろうなあと思ってたらそれはシャーロックの照れ隠しだと指摘されて目鱗。シャーロックは警部が大好きなんだね。そして警部もわが子のように思ってる。

・で、私は警部がシャーロックの死の偽装を知っていた派なんだけど、このシーンで揺らいだ。やあっぱ知らなかったのかね。

・さてここでもう1個ライヘンバッハの回想!なんと腐女子サービスっすよ!実はシャーロックとモリアーティは結託していた。二人は恋人同士で…言えねえ言えねえこれ以上は言えねえwww こんなファンフィクみたけどさ、まさか制作側が作ってしまうとわ~。実はこれアンダーソンのファングループ「空の霊柩車」の腐会員の妄想だったのだ。怒るアンダーソン。その時テレビが「探偵は生きていた」臨時ニュースを流す。会員のスマホに一斉に"#シャーロックホームズ生きていた"のツイッタータグが!怒涛のツイッタートレンド始まる。 
でもこのタグは日本語にしないほうが格好良かったと思うんだがどうか#Sherlocklives。

・翌朝、ベッドの上でiPadでジョンのブログを読んでいるメアリー。ジョンは洗面所で髭を剃ってる!「半年間もちくちくするキスに我慢してきたのにご主人さま(!)が帰った途端に..」「別にシャーロックのために髭を剃ってるんじゃないぞ」「あなたその言葉座右の銘にすべきよ(原語はTシャツにプリントして着るべきよ)」「黙れよ!」「でないと?」「結婚しちゃうぞ!」 ああもうかわいいにゃあこのカップルは!仔猫みたいにゃ!

・髭も剃って心機一転するジョンの出勤風景。冒頭の死んだ目のジョンと比較してもうね。表情が生き生きしてるし、目の光が違う。もうこの時点で「ああ、ジョンはシャーロックを赦すんだろうな」ってわかるのがね。

・さてシャーロックは221Bにひとりで(泣)戻り、早速捜査を開始。彼の捜査方法。ホームレスのネットワークを駆使して何人かの重要人物を監視させる。彼らは「Rats」 沈む船から鼠が逃げ出すように、事が起こる前に彼らは何らかの行動を起こすはずだからだ。S3のキーワードのひとつ「RATS」がでてきたね!

・マイクロフトはシャーロックの捜査方法を手ぬるいと非難する。「首相にお前にやらせると申し上げた」「やるよ!だからいまこうして(待って)るんじゃないか」 待ってる間にゲームでもしようとマイクロフトを誘う。子供のころからいつもやってたってね。

・このマイクロフトとシャーロックのシーンは彼らの子供時代を彷彿とさせる。この天才兄弟はいつも二人きりで高度なゲームをして遊んでいた。そして大抵マイクロフトが勝つ。シャーロックは自分を馬鹿と考えていた。彼らがいつも二人きりで遊んでいるのを心配した両親が他の子供を家に呼ぶまでは。他の子供を見て彼らは自分たち二人とも傑出した天才だと気づくのだ。

・シャーロックはジョンを得たが、彼以上の天才のマイクロフトには心を許せる友達がいない。「お前すら馬鹿に見えるのに、他の人間と交わるなんて不可能だ」と シャーロックは一度得た友人をいまは失ってしまい孤独を知る。しかし友人をもったことのないマイクロフトは孤独を知らない。さあ、かわいそうなのはどちらなのだろうか -

・このホームズ兄弟の会話はS3を貫くテーマだ。社会性を持たない天才の弟が親友を得てそれに固執する。彼以上の天才の兄は弟を心配する。S1は出逢い、S2は成長と深化、そしてS3は再会と再構成だと思っている。再構成されるのは兄弟(マイクロフトとシャーロック)、親友(シャーロックとジョン)、夫婦(ジョンとメアリー)。まず兄弟だ。

・で、ジョンの勤務先。なんとジョンは泌尿器科の先生だった(GBだろうね)。シモのネタがてんこもりっすよ。いやあ英国人最高ですわ。これから生涯一度も使わないであろう単語を辞書でひいたひいたww

・一方シャーロックはジョンの代わりにモリーを助手にして探偵業を再開していた。ジョンとシャーロックが別々に仕事をしているけれどまるで掛け合いをしているように切り替えてみせるのは最高の演出!大好きにゃあ。

・ここでジョンの患者。怪しげな白髪とメガネ。アダルトショップの経営者でエロ本をどんどんみせるあたり、明らかに「空家の冒険」のオマージュですな。エロ本のタイトルまで聖典パロっていて大笑い。当然ジョンはシャーロックの変装と疑ってかかるドタバタがw(違うのよ)

・モリーを助手に次々と事件を解明していくシャーロック。しかし次第に彼の頭の中にジョンの声が響き始める。「格好つけ」「嫉妬か?」「知ったかぶり」「襟を立て忘れ」 それを払いながら推理する。しかし - 最後にはモリーをジョンと呼んでしまうのだ。かわいそうだよ!

・シャーロックとモリーは鉄道ヲタクの依頼人の家を訪ねる。彼は地下鉄のCCTV映像をチェックして消去する仕事をしていて奇妙なことに気がついたのだ。最終電車。ウエストミンスター駅から乗り込んだ乗客が、隣の聖ジェームズ・パークに到着したときには消えている。2つの駅の間には駅も測道もない。彼はどこに消えたのか....

・シャーロックのマインドパレス描写が進化していてそれはそれは美しいですよ!

・シャーロックの仕事を1日手伝ったモリーを彼は食事に誘う(大した進化だけどフィッシュ&チップス屋さんてあたりが小学生男子の発想)。でもモリーが新しい恋人と付き合っていることに気がついて祝福して去っていくのでありました。モリーってモリアーティとシャーロックが好きになったじゃん。サイコパスが趣味....としたら新しい恋人は?

・結局1日悩んだジョンは221Bを訪ねようとして、暴漢に襲われる。首筋に注射をされて昏倒し誘拐されるのだ!お約束の拉致ジョン健在ww

・メアリーのスマホに謎のメッセージが届く。すぐさま解読し221Bに駆け込む。シャーロックがフィッシュ&チップスもぐもぐしながらでてくるのがおかしい。謎のメッセージはスキップコードだった。三文字おきに読むと「ジョンを助けろ!聖小ヤコブ教会」となるのだ。バイクを駆って急ぐシャーロック。

・S1では単なるグーグルマップで示されたシャーロックの追跡能力。何と今回は三次元のグーグル・ナビで示されます!しかも現地までの到着予定時間(Estimated Time Arrival)付きで。まじナビ機能!いやあこれロンドン行った時お世話になりました~便利なんだグーグルナビ!

・囚われたジョンはガイフォークスのお祭りの薪の山の中に閉じ込められていた。ガイフォークスデイって11/5に行われる英国の火祭りってのは前に話したよね。なんとジョンはガイフォークス人形に見たてられて焼かれちゃうところなのだ!

・薪の山に火がかけられる。「残念なホームズ君。ジョンはナイスガイだ」というメッセージ。しかしシャーロックは燃え盛る炎をものともせず、焚火の中からジョンを助け出す。かっこええ!

・ここでシャーロックのご両親が登場。リアルベネさんのパパとママ!勿論お二人とも役者さん。特にワンダママは英国の往年の人気SFドラマ「謎の円盤UFO」で地球防衛組織「シャドー」の精鋭ヴァージニア・レイク大佐として一世を風靡した。美しく聡明で私の同世代のSFヲタ男子はみんな彼女に憧れたんだよ。このシャドーはエヴァンゲリヲンのゼーレのモデルとなったといわれている。ミサトさんはレイク大佐の役どころなんだ。あれから40年たってベネさんと言う大きな子供もいて、お年を召されたけど美しさに面影があるよ。

・でもここでのパパとママはあの天才兄弟の親らしくなく普通の田舎住まいの両親。おそらくアッパーミドルのお家柄だけど、なに向こうの上流階級なんて日ごろの生活は慎ましいもの。マイクロフトに家督を譲ってのんびり田舎暮らしをしているんだろうね。コーチ(長距離バス)でロンドンにやってきて観光中。マイクロフトがレ・ミゼラブルに連れてくって約束したみたいだよ。

・そこへ訪ねてくるジョン。シャーロックの両親を見てびっくり「驚いた。だって二人ともすごく、その....普通だね」にシャーロックが「僕が背負う十字架さ」と返すのがおかしい。

・ジョンはシャーロックに助けてくれたお礼を言いにやってきた。シャーロックは殊勝にあやまるけど。S「髭を.剃ったんだね」J「まあ、どうせ似合わなかったしね」S「嬉しいよ」J「髭は嫌い?」って会話はなんですかもう甘いなあ仲いいなあ!「主治医には清潔でいてほしいからね」ってなんですかあああああ!「毎日は聞けない台詞だな」ってなんですかあああああ!(じたじたしている)

・ジョンを襲ったのは誰か、テロと関係があるのかまだ不明。シャーロックはジョンに例の地下鉄のCCTVを見せる。二人のコンビネーションが稼働し始めるのは本当にわくわくする瞬間だ。ジョンの的外れな推理に応答しているうちにシャーロックのインスピレーションが加速する。そして遂に真相にたどり着く。

・マイクロフトのエージェントが命を賭して残した言葉「地下組織がロンドンにテロ攻撃をたくらんでいるらしい」は曖昧な言葉ではなかった!もっと明確に「テロ組織が地下でテロをする」ということだったのだ。彼らは地下鉄を使ったテロを遂行する計画をたてていたのだ!消えたのは乗客ではなく、乗客をのせた車両だった!

・鉄ヲタ君とSkypeで会話しながら地図を探すジョンとシャーロック、スマトラ通りの地下にかつて一度も使われなかった駅があることを発見する。その駅は国会議事堂の真下にある。テロリストは車両に爆弾を満載して、国会議事堂を爆破する計画をたてていたのだ。

・ここでシャーロックとジョンがいう「語り継ぐべし、火薬大逆陰謀(Remember, Remember, Gunpowder, treason and plot!)」はガイフォークスデイのはやし文句。映画「Vフォー・ヴェンデッタ」でも効果的に使われていたね。

・スマトラ通りは語られなかった事件「スマトラの大鼠」(「サセックスの吸血鬼」に登場)からでしょう。

・しかしまあS1/S2でもそうなんだけど。シャーロック、かんじんの事件そのものは結構杜撰だ。列車消失トリックはドイル卿の外典「消えた臨急」(北原尚彦先生よりご指摘)とはいえ、いくらなんでも現代のロンドン地下鉄で車両が1個きえたら気がつくでしょうに。このあたりはなんというかTVドラマなんだよなああああ!まあいいけどさってな感じですね。だってシャーロックとジョンが2年ぶりにコンビで捜査してるんだよ!ブランクを感じさせない息のあいっぷりでさ。嬉しくって嬉しくって!

・シャーロックとジョンは地下鉄に潜入し、廃駅の引き込み線で車両をみつける。しかしテロリストのモラン卿は爆弾のスイッチをいれてしまった!絶体絶命!このあたりスラップスティックです!マーティンジョンの独壇場です!面白い面白い!

・「爆破をとめる手立てはない、君だけでも逃げろ」というシャーロックに、「逃げてどうする!僕たちがこれを解除しなかったらおおぜいが死ぬ!」と果敢に立ち向かうジョン。シャーロックは半泣きでジョンに赦しを請う。

・J「僕は君に死んでてほしくなかった。」 - 彼の願いは適った。でもそれが故に絶体絶命の危機に陥ってしまった。シャーロックはジョンに謝る「君のメアリーとの未来を奪ってしまった」と。

・ここで場面が切り替わる。ビデオに向かってシャーロックがライヘンバッハの真相を語っている。とっているのはアンダーソン。マイクロフトがモリアーティにシャーロックの個人情報をわざと流して彼がシャーロックの評判を落とさせるようにした。彼の計画がうまくいっているようにみせかけ逆に彼の組織の情報を掴んでいたのだ。モリアーティには強烈な自殺願望があって、シャーロックを道連れに死にたがっていた。彼は完璧に死ぬ必要があった。マイクロフトとシャーロックは13の計画を立て、状況に従ってそのうちのひとつラザロ・プランを発動した(ラザロはキリストの友。主の奇跡により死からよみがえる)

・まあその計画ってエアバック使って飛び降りるパターン。死体はS2E3で子供を誘拐した際にモリアーティが用意したシャーロックのそっくりさん。即効でモリアーティに殺されてモルグにいたのをモリーにみつけてもらって偽装した。脈はバーツで遊んでたボールで止めた。おおむねネットで語られつくしていたことですな。

・シャーロックはここに来た理由は、アンダーソンとファンクラブが偽の事件を作ってシャーロックをおびきよせようとしたこと(モリーと捜査してた切り裂きジャックの事件ね。すぐにフェイクと見破ったけど)を指摘するために。

・それを聞いたアンダーソンはシャーロックに泣いてすがって赦しを請う。ここで不思議だったのは何故シャーロックがアンダーソンに真相を語ったのかということなのだ。私自身はこれも含めてフェイクではないかと思っている。アンダーソンの部屋の壁に貼ってある様々なライヘントリック。中にはDr.Whoのポリスボックス型タイムマシン「ターディス」でドクターがシャロを助けるというファンの間で有名になった説もあって大笑い。S3E1のアンダーソンは2年間、さんざんシャーロックのライヘントリックを議論してきたファンダムそのものだ。結局モファティスは明快な解を避けてこのライヘントリックの諸説をショーケースのように提示することにしたんだね…っていうか解なかったんだろうなあ(ヲイww

・そして場面は地下鉄に戻る。遂に爆発!と覚悟するジョンを前にシャーロックは笑い転げる。なーんと爆弾はとっくに停まっていた。シャーロックは止め方をしっていたのだ(オフスイッチがあるってあなた...)。騙したなと怒るジョン。しかし笑い続けるシャーロックを見てジョンは「そうだこういうやつだった」と思いなおす。結局ジョンはシャーロックを許すのだ。なぜなら -

・221B、シャーロックは電話している。電話の向こうからはレ・ミゼラブルの民衆の歌が。弱り切った声でマイクロフトが「幕間で変わってくれよ」と懇願している。無下に断るシャーロック。マイクロフトはミュージカル苦手なのにご両親をレミゼに連れて行ってあげているのだ。優しいね!

・221Bではシャーロック帰還のパーティが開かれていた。ジョンとメアリーの結婚式は5月の予定。メアリーに「あなたも来てね」と言われて、しれっと「結婚式は苦手なんだ」と返すシャーロック(ふふふのふ、出席どころかベストマンを!祝辞を!)

・そこへやってくるモリー、紹介する新しい恋人はどことなくシャーロックの面影があってぎょっとする一同。この一幕が今後どう転んでくるかは誰にもわからない。

・ともかくシャーロックは帰還した。221Bの前に群がるマスコミにでていこうとする二人。ジョンは彼に話しかける。
「(君は)好きなんだよ - シャーロック・ホームズであることが」と

・何を言いたいんだと歩き出す彼の後姿にジョンはもう一度話しかける。

"When you were dead, I went to your grave.(君が死んで、僕は墓を訪ねた)"
"I made a little speech. I actually spoke to you(墓の前で、君に話しかけたんだ)"

シャーロックは答える。
"I know. I was there.(知ってる。僕もいた)"

"I asked you for one more miracle.I asked you to stop being dead.(君に奇跡を願った。死んでちゃだめだって)"

"I heard you(聞いてた)"

・シャーロックの瞳は潤んでいる。ジョンの願いはかなったのだ。それは勿論シャーロックの願いでもあった。人でなしのソシオパスを標榜してはいるけれどシャーロックの心には温かな愛情がちゃんとある。ジョンの気持ちは届いているのだ。

・シャーロックは気を取り直して言う。ディアストーカーをかぶって
"Anyway, time to go and be Sherlock Holmes. (さあ、シャーロック・ホームズになる時間だ!)"

シャーロック・ホームズであることを楽しんでいるのは彼だけでは無い。何よりもジョン・ワトソンが彼がホームズであることを、そしてその傍らにあるジョン・ワトソンであることを楽しんでいるのだ。まさにブログにあったように
#sharlocklives = #johnnwatsonlivesなのだ。コンビ復活。

- かくしてシャーロック・ホームズは221Bに帰還した。ワトソン医師とともに。

めでたしめでたし.....ではない! S3E2 「The Sign of Three」予告ではシャーロックの人生最大のピンチ! ジョンの結婚式で無事にスピーチできるのか!そして最大の敵が姿をあらわしてきてるぞ!

現時点ではここまで!次回放送は5/31(土) 21:00から 日本で放送っていいにゃあああ!

1月の英国放映当時のツイッター等をまとめたエントリー(一部本エントリーとダブっております)


BBCドラマ「SHERLOCK」感想および情報目次  

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コメント

はじめましてこんにちは、
SHERLOCKの感想検索で見かけてお邪魔しました。

少し前からSHERLOCKを見出してハマり、丁度昨日S3の1話をみてシャーロックの居た堪れなさといいますか。
私自身がうっかりシャーロック側に感情移入して視聴してしまった為に、何でジョンは帰って来たのに喜んでくれないのか。
とショックを受けて視聴継続を迷っていたところでした。

そんな時こちらのブログに辿り着き、
「多分ジョンの心に永久に瑕疵になって残るのだ。瑕疵のない友情なんてないけどね。」
の文を読んで救われた気持ちになりました。
他にも細かなところについて書かれているのを読んで、もう2度と観まいと誓ったS3の1話を観かえしたくなりました。

管理人さんの暖かくてそれでいて冷静な視聴者としての感想とても面白かったです。
また他の話も見終えたらお邪魔したいです。
乱文失礼致しました。

投稿: たこたこ | 2017.01.03 15:52

たこたこさん、はじめまして!

拙い感想ご覧いただきありがとうございます!どうぞよろしくお願いいたします。

S3E1ご覧になったのですね!シャーロックの帰還をなかなか喜べないジョンの頑固さにはらはらしましたなあ。

でも冒頭の光を失ったジョンの目。シャーロックが帰ってきて騙されたと知ったときの激しい怒り。シャーロックに命を救われての仲直りから彼を赦すに至るまで。マーティンがそれはそれは細かくジョン・ワトソンの心の機微を演じているのが好きなんですよ~。もちろんシャーロックも。ジョンを大切に思ってる気持ちが伝わってきたし、最後のジョンに赦されて涙ぐむシーンが最高でした。本当に帰ってきて良かったと思いましたなあ。

シリーズはまだまだ続きます。本国ではまさに今S4の放送がはじまりました(日本にはいつ来るかなあ)どうぞまたいらしてくださいね!

投稿: nya | 2017.01.04 05:18

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