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「87CLOCKERS」短感 001

うーんこう来たか。まったくあさっての方向をついてくるなあ二ノ宮先生。

人口に膾炙し、作品は大ベストセラー。メディアの展開も大成功。国を越えたクラシックブームまで引き起こした押しも押されぬ前作「のだめカンタービレ」の後にどんな作品を発表されるかと思ったら、オーバークロッカーの話をもってくるたあ恐れ入谷の鬼子母神だにゃあ。

作品をカンタンに紹介すると、登場人物は3人。語り手はバイオリン専攻の音大生の眼鏡男子一之瀬奏(かなで)。音大といっても桃が丘じゃないよ。のだめの登場人物たちと違って、才能はあるのに、コンクールや留学にまるで興味なく、しかもおうちが恵まれてて就職の心配もなく、学校では浮いているし、合コンにでてもあまりの覇気のなさにドン引きされている。そんな自分に嫌気がさして誰かがスイッチいれてくれるのを待っている。まあいま流行の草食系男子ですな。そんな彼が出合った美女は寒い夜に裸足でアパートの外に佇んでいた。

彼女は彼(MIKE)と同棲(?)中。ちょっとほややんな感じ。とーってもブザイクな通い猫を可愛がってる。そして俺様系に見える彼は、世界的なオーバークロッカーらしいよ。狭いアパートの部屋で今日もベンチマークにいそしむんだけど、なにかとほややんな彼女に邪魔されて、そのたびに部屋の外に追い出しているらしい。一之瀬くんと彼と彼女の出会いは何をもたらすのかは以下次号!

てなわけで、導入部も導入部って感じで、これからこのお話がどんな風に転がるのか!オーバークロッカーに賭ける青春!になるのか、それとも恋の三角模様!になるのかはまだよくわからない。でも天才ファミリーカンパニーではバブル時代のエコノミーを、GREENでは農業を、のだめではクラシック界を、どれもこれも楽しく面白く書いてくれた二ノ宮先生だからこれからが楽しみだにゃあ。

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漫画「のだめカンタービレ」感想ページ

【オーバークロックに関する閑話休題】

1990年頃、インテルの新チップ80386に対応するためにアプリを修正したんだけど、従来の8086,80286と比較してクロックがはやすぎてタイミングあわずWAITめちゃくちゃぶちこんだ記憶がある(ひでー)。その飛躍的に早かった80386のクロック数は12MHz。いまのXeonだと1~3GHzが普通なので、もう100倍以上速くなってるわけ。ずいぶんと隔世の感があるにゃあ。

CPUって1つのチップに見えるけど、中には膨大な回路がある。その回路それぞれで行われてる処理の同期をとるため組み込まれた水晶振動子が振動して信号を送ってる。いまやその速さはGHz級、すなわち1秒間に10億回以上の処理が可能なのだ!

しかし、CPUはマスプロダクト製品。チップメーカーのインテルやAMDが発表しているクロック数は、メーカーが動作保証しているいわゆる定格もの。実際はマージンとってる。マージンは生産されたロットによって差がある。クロックはマザーボードで調整できるから、昔から自作PCを趣味にしている子たちにとっては、クロックアップは割りと普通に行われてた。

なーんて、私も20世紀は自作PCやってたから、香港や秋葉原で安いマザボや石やグラフィックボード買って組み立てたりもしたけれど、最近はすっかり遠ざかってた。まさか自作PCがこんな方向に進化してるとは思わなかったよ。今回の監修の世界的なオーバークロッカーのduckさんの記録を見ると、NehalemのCore i5(QC)で7GHzup叩きだしてるのな。化け物やん。

もちろんここまでの速度たたき出すには、既存のマザボのBIOS設定だけで実現できるわけもなく、マザボからカスタムメイド。高速安定動作させるための冷却には液体窒素(高いよ!)を使うというキンキーっぷり。電気もハンパなく喰うので電源もサーバー並の装備が必要。ブレーカー落ち怖いんならUPSもつけとけよ!ってな感じだよね。うーんマニアック。

あ、速さはなんで測るかって?そりゃベンチマーク。世界一になったスパコン「京」に使ったLINPACKと同じようなベンチマークのプログラムが大学や各種研究機関からフリーで提供されている。ネットを見るとあちこちに、オーバークロックのベンチマークのランキングがあるのだなあ。作中にでてきたのはスーパーπという、東大の金田研で開発された円周率計算プログラム。作内では実行結果にLoop19とあるので104万桁の円周率計算。これを4.9秒でやってのけるという、まさにちょっと前のスパコンクラスのポテンシャルを持ってるわけ。

すごいにゃあ。個人的には大好物なんだけど、これをネタにどう展開するのかぜんぜん予測つかないや!どーするどーなる87CLOCKERS!

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コメント

さっそく感想Up。ありがとうございます。
液体窒素まで出てきて凄い世界ですよね~ってよくわかっておりませんが(nyaさまのオーバークロックの話もほとんど理解できていない有様 汗)とにかくスピードと冷却の世界なんだろうと・・・(^_^;)、一之瀬くんと一緒にこの世界の知識を開拓できたらいいなと思ってます。
私もこーいうマニアックなの好きです。二ノ宮さんがどう料理するのか楽しみ♪

・・・実はMIKEくんに息子(5歳)の未来像がちらほら(苦笑)。知り合いのカラーセラピストさんがおっしゃっていたのはこういった事を言うのかな~って少し思ってみたり・・・(オンナノコとオカネには困らないと聞いて安心していた母ではありますが)。
まだどこのだれかか出てきてないから何とも言えませんけど、そんな視線で見ていっても楽しいかなと思ったりもします(笑)。

投稿: 茶々 | 2011.06.26 19:42

茶々さん、コメントありがとうございます!

はい~わたしもまさかこっちの方向に来るとは思わなかったのでびっくりしました!私もよく知らない世界なので新しいことがたくさんわかるなあとわくわくしています!

そしてMIKEくんですよ!息子さんが将来?!すばらしい~。世界で一番になれるくらい熱中できるんですね。しかも女の子とお金に困らないなんて最高じゃあないですか。楽しみですね~。

投稿: nya | 2011.07.02 08:11

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