映画「トロン・レガシー」感想
最初のトロンは1982年だからもう28年前。学生時代に結婚前の夫と観に行った。CG映画っていう触れ込みだったけど、ラストのエンドクレジットで台湾アニメーターの名前がずらっとでて「手描きかよ!」ってちょっとがっかりした記憶がある。でもデザインセンスは最高にステキだし、バイクの動きも超格好良かった。当時からコンピュータは好きだったけど、そんなに詳しくなかったから夫にMCPやゲートキーパーの意味を教えてもらった記憶があるよ。ちなみに坂村先生の国産OSのTRONはこの映画のちょっと後。
あれから幾星霜。私もコンピュータ関連の仕事について長いので、もうこの映画が何をいってるかもわかるし、そのうえで「つっこみどころ満載じゃん!」ということもできる。ラスト、グリッド世界ってスマホにおさまっちゃうのかよ!32GBかよ!と思ったけど、28年前の32GBなんて夢の世界だったよなあ(512KMacより前だ)とかね。携帯電話もWi-Fiもない世界(なぜポケベルが生きてたんだあ)。夫は「トロンは前回も今回もサイエンスの無いファンタジーだよ。ディズニーに相応しい映画じゃん」と言っている。
そういえばタイトルは「トロン・レガシー」。コンピュータの世界で「レガシー・システム」というのは、汎用機(メインフレーム)上で構築された一世代以上前のシステムのこと。1970~80年の企業の基幹業務はみんな大型の汎用機やオフコンで構築されていた。独自プロセッサやI/O、OSを持ち、言語も独自。各企業クローズドな世界で構築されていて相互接続性(インターオペラビリティ)は上位互換性も非常に厳しかった。その後Unix/LinuxやWindowsがメインストリームとなりオープンな世界が実現し、瞬く間に企業の基幹業務までがその世界に移行していったのはご覧のとおり(厳密に言えばまだ上位互換は厳しいけどね~)。
28年ぶりのトロンは3D(川崎109のIMAX)で、ちょっと飛び出してたけど、あいかわらず話はファンタジーで更にジュブナイルでちょっとタイクツで途中で寝ちゃったよ。そういった意味ではこのトロン世界はまさに「レガシー」。私たちが28年前に観たその世界を同じイメージで信じられないくらい高性能になったCGを使って再現してる。昔のトロンを見たことない人なら「なにこれー、攻殻機動隊やマトリックスxのほうがすごい~」っていっちゃうかも。でもそれらのベースに間違いなくこのトロンはあるんだけどね。どうして発展させずレガシーを作っちゃったのか製作者の気持ちはよくわかんない。(当初の企画ではTRON 2.0(笑)なんていってたくらいだから新しいものやってやろうって気はあったのかにゃあ)
あ、でもダフト・パンクの音楽はすげー格好良かったしオビ・ワンみたいなパパ・フリンも格好よくっていいじゃんいいじゃん。クオラたんは綾波みたいでかわいいし。万人におすすめはしないけど、28年前に最初のトロン観た人はまあ、観に行ってもいいんじゃないって感じでした。IMAX料金高いけどね!
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