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野田地図「ザ・キャラクター」感想

年に1度の野田地図公演。今年は東京芸術劇場だよ!はじめての劇場だけど、副都心線の開通で田園都市線からの乗り換えがぐんとらくになって池袋までも楽々。行ってびっくり、でかい劇場コンプレックス。今回のパンフに大好きなアーキテクト隈研吾先生と野田さんの対談がのってて、それによると東京芸術劇場はロンドンのバービカンをモデルにしてるんだって。大中小と劇場あって、カフェやシアターショップもはいってて、野外ステージもあってお客さんがはいってて、いい感じ。やっぱ都市には劇場が不可欠だよ!どんどん税金つかってくれい(うそうそ。でも劇団に安く貸してあげてください)

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初芸術劇場、でかい吹き抜けエスカレータ

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カフェも充実。観劇前にスパークリングワインのんだよ!

さてニュースでも流れたように、銀粉蝶さんが、お稽古中に骨折されて、当面舞台は代役をたてて上演されている。銀粉蝶さんは劇場をまるごと支配するオーラを持った素晴らしい女優さん。リチャード三世に続いての古ちんとの共演を楽しみにしていたのに返す返すも残念無念。一日も早いご快癒をお祈り申し上げます。

例によって私の感想はネタバレには躊躇がありませんので、これから観劇予定の方はご注意くださいませ~。 

ところで、日本人とか世代とか、いろいろ共通の宿題ってあると思う。下の世代とか世界に対して負った業みたいなものかな。答えはきっとでないのだけれども、原因や動機をずっとずっと考えてかなきゃいけない説明責任のあるアレコレ。戦争とか安保とか連合赤軍とかバブルとかクジラとか―

オウムとか。

幼稚な集団と思ってた。ごっこ遊びと笑っていたら、ある時点からこの世の理を超えた存在にシフトした。

欲望でもなく憎悪でもなく意趣返しでもなくただただシステマチックに社会を壊して行く。まるで私たちの体に唐突に出現した悪性腫瘍のように、潜伏し増殖し、ある時急に牙を剥き社会を震撼させる。何が彼らをそうさせたのか。

それは誰にもわからない。

幻に縋れば幼く、その袖を引けば神となる。それは「ザ・キャラクター」。文字の力言葉の力。近年、海外とのコラボが多かった野田さんだけど、日本語でしか表現できない世界であの事件を舞台に描き出す。 文字を描く姿は舞台上に設置されたカメラで背景に投射される。役者さんはお習字もしなきゃいけないからたいへんだなあ。

それは幼稚が許される社会。幼稚なまま成熟し国家を形成する。幼稚な文化を世界にばら撒く日本でしか起きえなかった犯罪だからあえて日本語に特化してみたのかな?

でも、野田さんはあいもかわらず、コトバは思いっきり凝るのに、事象はナマのままだすからなあ。オイルの9.11とか、ロープのソンミ村とか、今回のオウムとかまんまなのよ。なんせクライマックスがビニール傘なんだもん。私はリアルタイムであの地下鉄を経験してるので本当にナマナマしくってイヤだった。

でも、私たちの子供の世代はどうなのかなあ。私たちにとって戦争が連合赤軍が遠いように、オウムもやっぱり遠いんだろうなあ。事件の風化は世代が変わると加速度的に進む。日航機墜落もチャレンジャーの事故も私にはつい昨日のことのように思えるのに、その後に生まれた子供はもう成人して社会人となっているのだ。だから野田さんは繰り返し伝えなければいけないと思ったのだろうか。

役者さんは「オバちゃん」の代演をのぞけば完璧。もちろん代演の役者さんに罪はない。本来銀粉蝶さんがやるはずだった「オバちゃん」は、宮沢りえちゃんの「マドロミ」と対峙し、現実を代表する舞台根幹の役だからね。今回銀粉蝶さんが「オバちゃん」をやってれば舞台の印象がだいぶ明確になったのではないかとちょっと考えてる。

宮沢りえちゃんはカンペキ。すっかり野田世界の巫女となっている。古ちんも変わらず達者。だけどなあ手を抜いてる感もちょっとあり。教祖としての凄味があるんだけど迫ってこない。 この世の理とは違うところで動いている感が無いのだ。野田さんはあいかわらず。古ちんとの夫婦漫才も板についてるよん。池内さんも大舞台にどんどん出演してすっかりうまくなった。「アオドクロ」にでたときはあまりのデクノボーっぷりにため息でたけどさー。藤井隆さんはうますぎ。卑小さも凄みもちゃんとでていてなんでもできてすごい! 美波ちゃんも問題なし!うまいなあ。

田中哲司さんすごいすき。チョウソンハすごいチョウソンハ!(大事なことなので2回言う)。チラシみても来年まで舞台でずっぱりのひっぱりだこ。キュートでうまいし身軽だし気に入った!御大橋爪先生はあまりにうますぎです。ほんとうにすごいなあ。あ、そうそう、アンサンブルはあいかわらずあざといのだがまあがんばっていた。「
パイパー」よりはうるさくなかったし。

■過去の野田地図参照(未完多いよねえ。未熟ですまん)

2005年 「走れメルス
2006年 「贋作・罪と罰
2007年 「ロープ
2008年 「キル
2009年「パイパー

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