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野田地図「パイパー」感想

さてさて、2009年初観劇は渋谷シアターコクーンで、年始恒例野田地図「パイパー」だ!ソワレ観劇だったもんで、夕刻渋谷に出かけたら、もんのすごい人出で嫌になっちゃったよ。もう渋谷もパルコ劇場かコクーンで芝居観るときしか行かなくなっちゃったもんなあ。

あ、それよりびっくりした!渋谷ブックファーストが無くなってたよ!少し早く着いたので、ブックファーストで本でも見ようと思ったら、きれいにビルごと消えてました。2007年10月の閉店というから、昨年の野田地図観劇の際にはもう閉店してたはずなんだけど、気がつかなかったなあ迂闊。

そんでもって今回の野田地図は、野田版火星年代記。野田初のSFとうたっているけれど、まあ他の野田作品とそんなに変わんないわな。

以降あんまネタバレしてないけど冗長なので畳みマス。

■SFというには?なストーリー

人類の憧れ、希望の星「火星」に人類が入植して1000年。今の火星は荒れ果てた地となり、都市を破壊し殺戮をくり返す狂ったロボット「パイパー」が跋扈するなか、人々は細々と生をつないでいた。

貯蔵された人工食料を守りながら「ストア」で暮らす親子、ワタナベ(橋爪功)とダイモス(松たかこ)。「おっぱいの大きい若い女」マトリョーシカ(佐藤江梨子)に惚れ、その8歳の子供キム(大倉孝ニ)とともにストアに住まわせようとするワタナベを阻止するために、ダイモスは家を出奔した姉フォボス(宮沢りえ)を呼び戻す。女をどう追い出すか算段する姉妹の前にあらわれたキムは天才少年であり、ワタナベとともに「火星の失われた歴史」を調査する研究者であった。

火星に入植した人々は、生まれたときから鎖骨に「おはじき」を埋め込んでいた。そのおはじきはその人生を生涯記録し続け、死ぬと取り出される。「死者のおはじき」を鎖骨にあてると、その人生が追体験できるのだ。

収集された「死者のおはじき」から、フォボスとダイモス、そしてキムは、なぜこの火星が希望に満ちた入植後、いっとき栄え、その後廃墟となったのかを徐々に知っていく -

■ てなわけで感想

膨大な言葉遊びの向こうからモンゴルの大平原が立ち登ってきたのは名作「キル」。そのドライブ感はハンパじゃあなかったけど、今回のラスト近く、フォボスとダイモスの10分以上にもなる掛け合い。確かに凄みはあったけど残念ながら火星の荒廃は胸に迫ってこなかった。野田特有の青臭いメッセージはソフィスティケイテッドされてあちこちに埋め込まれ、伏線も過不足なく張り巡らされて(「ストア」とかね)、言葉遊びも健在(「火星府は観た!」とかね)、達者な役者さんプラスパイパー担当にコンドルズまで贅沢に揃えて、文句無く面白かったんだけどねえ。何が足りないのかなあ。終盤に向かってすすむ闇雲なパワーなのかなあ。

本当に松たかちゃんとりえちゃんの演技は凄かったんだけどねえ。特に宮沢さんは本当に凄い。あるときは食堂のオバちゃん、あるときは4歳の幼女。あの華奢で美しいからだのどこにそんなパワーが宿ってるんだとばかりに自由自在に変化する、化け物のような女優ですよ。そういった意味ではいつでも同じテンションの松さんがちょっと見劣りしたのも事実。とはいえその横に”ド素人”(パンフより)サトエリちゃんを持ってくるともう全然レベルちがうんだけどね。すっげー高いところでのちょっとした差異です。

あ、サトエリちゃんをけなしてるわけじゃないよ。発声も演技も申し分ないし。なによりあの人間離れしたスタイルはそれだけで舞台の宝です。ロケットおっぱいのすぐ下に蜂のようにくびれたウエストとながーいながーい足。なんかひとりだけ違う人種がいるって感じで凄くて眼福眼福。

男優さんはみなかっこいい。橋爪さんは野田さんと同じ人種だったのですね。もう体動く動く。達観して偉大でしかも矮小なワタナベを見事に演じておられました。大倉くんはもうイケメンのくくりでいいや。あと我らがユッキー北村さんも、”ありふれた悪党”ビオランをワイルドに格好よく演じられておりました。小松さん田中さんもぐー。

そして野田さんは、50歳越えてなお衰えぬあの身体能力はなんなのよ。出演者中いちばん体動いてたよ(いやいちばん動いてたのはコンドルズですが。近藤さんすげえ)。喉はちょっとやばかったのでおいといください。

あとアンサンブルは思ったより効果でてなかったなあ。数の効果をだしたかったんだと思うけどねえ。コンドルズの6人のパイパーの存在感に負けるってどうよ。

この項追加するかも。でも野田御大のいろんな比喩をいちいち論評する気にはなれんのだよねえ。戯曲載ってる「新潮」買ったけどさあ。あ、一言、今回の音楽のセンスって通俗すぎてどうよ。クライマックスがバーバーの弦楽のためのアダージョ にラフマのピアコン2番ってあなた、のだめ思い出しちゃっていまいち感動できなかったよ!(すみません私がのだめヲタだからですね)

■過去の野田地図参照(未完多いよねえ。未熟ですまん)

2005年 「走れメルス
2006年 「贋作・罪と罰
2007年 「ロープ
2008年 「キル

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