« 二ノ宮先生おめでとうございます | トップページ | つれづれにゃんこ v2.0 »

「のだめカンタービレ」21巻感想

若く美しく生命力に溢れた少女は、その身の内に天才という怪物を宿している。才能に溢れた青年に恋をして、彼に並び立つため、闇雲にその天才性を爆発させ、彼の後を追いかけた。

純情で傲慢で恐れを知らぬ彼女 - 曇りの無いその瞳は、しかし彼の背中しか映してはいない。彼の背中にたどり着いたその先を彼女は想像しない。

そして絶望が訪れる -

***差し込み情報(2009/3情報追記

3/10発売のKiss誌上にてのだめ22巻の情報がでましたヨ!2009年8月10日(月)発売とのこと。DVD(OAD)特典付きは完全予約生産で6/11までの予約だそうです。

**

例によって私の感想はネタバレには躊躇がありませんのでご注意くださいませ~。 

すんまそん。いきなりポエマー爆発しますた。もう大詰めだから許してくれい。てなわけでのだめ「苦悩に満ちた試練」の巻デスよ。

「ラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調」 のだめ運命の曲との出会い。のだめ永年の夢「先輩とのコンチェルト」に具体的な目標が与えられる。 しかしそれはRuiと千秋により先に、しかものだめの眼の前で演奏されてしまう。その演奏は、のだめが思い描いていた以上に「のだめの夢」を体現していた。愛の記憶に溢れた暖かでアットホームな夢のコンサート。のだめの矜持も、自信も、夢もいっさいがふきとばされ、まさに「疲れ果て心も無い」状態ののだめの迷走がはじまる。のだめの豹変に戸惑う千秋。そして逃避であるところの唐突な「プロポーズ」と千秋の(スルーという名の)拒絶。

ひとりで楽しくピアノを弾いていた天才少女のだめは、不運な天才千秋に出会い、彼の背を押し、自身も鼓舞して、ともに手をとって世界への扉を開いた。そしてはじまる長い長い戦い。のだめに宿る天才としてのポテンシャルは、おそらく千秋のそれを凌駕している。のだめの成長のよりどころは、千秋への恋心と「先輩とのコンチェルト」という夢。しかしそれは皮肉にも、のだめ自身の才能の開花を阻害したのだ。

のだめ才能の開花に至る最後の大仕掛けは「千秋とRuiによる『いまののだめの夢のコンチェルト』の実現」であった。自分が思い描いていた夢が実現されてしまったのだめは、自分自身の立ち位置を完全に見失い、くじけてしまう。

自身の夢も千秋も見失い、ピアノをあきらめようとするのだめ。しかしそんな絶望のさなかにあっても、彼女ののピアノは冴え渡り、シュトレーゼマンを魅了する。のだめを「楽しい音楽の時間」にいざなうシュトレーゼマンは、悪魔の誘惑か天使の囁きか。いっさいを失ったのだめはその手をとって -

ま、例によって細かい感想や妄想や萌は雑誌掲載時にバクハツさせたからもういいや千秋の背中~(そこかよ!)

連載最大ののだめ試練。そりゃあシリアス展開だし、アオリも扇情的だけど、のだめ自身はその試練を楽しんでるところもあるので、字面ほど鬱展開じゃないのはさすがの二ノ宮先生の描写力ですな。そんなのだめもさすがにRuiと千秋のコンチェルトではうちのめされ、くじけてしまうけど、すかさず悪魔(魅力的!)ミルヒーがあらわれて、新たな挑戦を課すあたり、テンポがよくって痛快だ。

後はまあ、のだめ自身が、自分のかつての夢をとうに通過していたことに気がつき、自身のポテンシャルを解放し、その才能を世界に轟かせるだけですんで(さらっというなあ!)。グランドフィナーレは近い。がんばれのだめ~。

と、ここまで書いたところで、二ノ宮先生のご懐妊発表!しかも妊娠8ヶ月。めでたい!

本誌連載はL126でまさにラストエピソード佳境。大団円が見えてきたってところかな。ご出産前の連載は10月までのあと2回とのことなので、グランドフィナーレちょっと前まで行くかしら。てなわけで、22巻発売はちょびっと先になっちゃったかな。まあ楽しみが先に伸びたと思えば、待つ時間も楽しいですよん。

先生の健やかなご出産とのだめデビューの大成功をお祈りしています!

P.S.
上記自分の感想を読み返すと千秋がひどい男のように見えますが、彼は一貫して真摯なプロの音楽家であり、誠実なのだめの恋人ですよん。(サービスカットのもんもん千秋に萌え) 今回はのだめが自分で乗り越えなきゃいけない最後の試練だからなあ。まあ、千秋はその後でフォローしろって感じ。


■雑誌連載時の感想

Lesson 124
Lesson 123
Lesson 122
Lesson 121
Lesson 120
Lesson 119

過去感想まとめました。

|

« 二ノ宮先生おめでとうございます | トップページ | つれづれにゃんこ v2.0 »

「アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

こんにちは~nyaさん。
ポエム、素敵ですよ。
私もCDブック&21巻買ってきました。21巻…どうしようかな~って本当は迷っていました。いずれ買うにしても今じゃなくても…って思いがあって…(キツイ巻ですからね)。でも、のだめちゃんの横顔と帯のポエマーに誘われて即買!(笑)。

 やはりまとめて読むと、改めて物語の力に圧倒されました。Rui、千秋とのだめの立ち位置の違いもよく分かりましたし、のだめの追い込まれ方もわかりますし…。
 でも、のだめちゃんもいよいよ音楽の神様に呼ばれたんだな~と感慨深くも感じました。ますます、ミルヒーとの共演が楽しみで楽しみで、ゴロゴロのた打ち回っています(長田風に)。たぶん9月までこの状態でしょう(笑)。
 
 この物語の質を最後まで保つ為に産休の決断をされたんだと思います。楽しみですね。私ものんびり待ちたいと思います(産後こそが大事なので、しっかりお休み取って頂きたいと思っています。経験者は語る 笑)
 もんもん千秋…ツボでしたね。彼は何故か、うつうつとかもんもんが似合う…。

投稿: 茶々 | 2008.08.12 15:33

おお、茶々さん、こちらにもコメントありがとうございます!

そうそう21巻の帯はポエマー佐久間ですよ!いいですねえ。

ポエムは下手なのになんか書いちゃうんですよ(;-;)。

>改めて物語の力に圧倒されました。
のだめは雑誌で読んだときと単行本の印象が異なるんですよ。これはひとえに二ノ宮先生の物語力に尽きると思います。音楽の神々に愛されるのだめは、どのようなデビューを飾るのでしょうか。本当に楽しみですね!

二ノ宮先生のご懐妊も嬉しいニュースです。初産で高齢出産で、いろいろおつらいこともあったでしょうに、ここまで連載を続けられてきたそのプロ意識にまず感銘いたしました。この上はゆっくりとお休みいただいた後に、納得の行くフィナーレを書いていただければもうファンとしてこれ以上の幸せはありません。


>彼は何故か、うつうつとかもんもんが似合う…。
ふふふ、あのもんもんはのだめを想ってのもんもんですからねえ。素敵だぜ千秋。もっと悩め~(アレ?)

ではでは、またいらしてくださいね!


投稿: nya | 2008.08.12 19:46

nayさん こんばんわ

私も茶々さんのように21巻、買うにしても今でなくっても・・・派だったのですよ。でも、やっぱり買いました。CDbookはまだです。実はnyaさんの感想読んで決めようと思ってました。で、結論は買います。

> のだめは雑誌で読んだときと単行本の印象が異なるんですよ。これはひとえに二ノ宮先生の物語力に尽きると思います。

もうここがどん底で次回は浮上して・・と、読み続けた日々を思い出しました。
希望的観測ばかりで読んでいたので、のだめがピアノを捨ててしまったことにも気付いていませんでした。コミックになるとこうしたところに気付かせてくれますね。

> 感想を読み返すと千秋がひどい男のように見えますが、

でも、あの展開で千秋に別の選択枝があったとは思えないですよ。むしろのだめへの愛がだだ漏れなのがおかしいくらい。

> まあ、千秋はその後でフォローしろって感じ。

ずっと千秋はのだめのtutorだったけど、合宿のあたりでのだめがその手を離したというか千秋では手に負えなくなったんだと思います。でも、のだめはそれに気付いていなかった。千秋は憧れの人だから、いつも自分の前にいると思ってる。実は並び、ある面では追い越しているのに。このことにのだめが気付いた時、「当たり前だろ。俺のほれた女なんだから。」と言ってほしい。

二ノ宮先生、おめでたとのこと。後、2話書いてくださって産休に入られるおつもりとか。のだめのコンチェルト成功とそれに関わるお話でお休みにしてほしいな。まさに第3楽章の終わりになるのでは?

のだめの終了も寂しいですが、nyaさんとこうしてお話?できる期会が減るもの寂しい(こっちのほうが大きいかも)です。と、来年の話をしても鬼が笑うだけですね。

私は明日からお盆休みです。nyaさんは外資なのでお盆休みはありませんか?まだまだ暑い日が続くようです。ご自愛ください。

投稿: wako | 2008.08.12 21:22

「Ruiが好きなので 言いたいこと含め 色々描けてよかったです。」

21巻で終わる予定が少しはみ出ちゃったのは、ここでRuiと千秋の心情を出しておく必要があったからなのでしょうね。

今回は特に、本誌と単行本の印象が違ってて、
Ruiの気持ち、千秋の気持ち、二人ののだめへのラブコールが細かく描き込まれていて・・・
その間も、のだめはずーっと暗いんですが・・・
その暗さをも面白く感じちゃうのは、やはり二ノ宮先生の表現力の素晴らしさなんですよねぇ。

ベートーヴェンの使い方も素晴らしいですねぇ。
どんどん突き落とされるのだめの心情が上手くリンクされ、ついにどん底に辿りついた時の演奏はオクレール先生に是非とも聴いて欲しかったな・・・ってくらい「疲れ果て 心もない」演奏だったことでしょう。


CD-Bookについても こちらについでに書いてしまいますね。
本誌を読み始めたのがランベール婦人のサロンコンサートの後からなので遅かったのですが、
新しいクラシック曲が誌面に出るたびに、できる限り入手して聴くようにしていましたので、
今回は好きな曲ばかりが入っててとても嬉しかったです。
しかし、それでも全てを網羅していたわけではなく、聴いたはずなのに抜けてる曲もあり・・・
バッハは何となく聴くのをためらってたので、千秋のバッハが聴けてよかった。
「幻想ポロネーズ」も「映像」も、コレを機にまた聴きこもうと思います。

おめでたも嬉しいお知らせですね。
のだめの物語が、どこで途切れるのかが気になりますが・・・
全ては二ノ宮先生の中にあることですし、私たちはただただ それを受け入れるだけのことですから・・・

Nyaさんも体調に気をつけて、夏バテにならぬようご自愛くださいませ。

投稿: まろん | 2008.08.12 22:05

sunwakoさん、コメントありがとうございます!

おお、以外に21巻購入慎重派の方が多いのですね。実はわたしも千秋どん底の17巻では、購入を迷ったクチです。でもまとめて読むと、何故か千秋の葛藤ものだめの闘争心もそれほど鬱にならずに心にすんなりとはいってきたのです。洒脱なユーモアと芯の通ったストーリー。二ノ宮先生の物語構成力には、単行本を読むたびに唸らされます。

千秋はすでにのだめのTutor役を終えていますね~。あとはのだめと対等な音楽家として抜きつ抜かれつやっていくのでしょう。のだめはともかく千秋はそれを本当に望んでいると思います。

あくまでも私自身の憶測ですが、あと数話。年内にはフィナーレだなとちょっと覚悟していたのですが、そこは私たちの斜め上を行く二ノ宮先生。まさかこんなおめでたい原因で休載がやってくるとは思いませんでした。まだまだwako様はじめ皆様と、のだめについて語り合えるではありませんか。嬉しいですね。

そして連載が終わってもきっと番外編がありますよ~。千秋のオペラ編とかね。先生の実体験を踏まえたのだめ子育て編は良妻日記風の四コマ漫画でやってほしいなあ…。

ではでは、またいらしてくださいね~!

sunまろんさん、コメントありがとうございます!

ふふふ、私もRui好きなので先生のコメントは嬉しかったです。立場上のだめのライバル扱いされて、特に20巻の展開ではRuiに対する非難もあったりして、私としてはちょっと悲しかったのです。

でもRuiは、天才少女ともてはやされても奢ることなく、一生懸命ピアノに打ち込み、だからこそ壁にあたって伸び悩み、のだめに出逢いその音に触れることで、自分自身の道を見出した。Ruiはのだめが大好きなんですよ。ステージの上でのだめになって千秋に恋するほどに。まっすぐで大好きなキャラです。

ベートーヴェンは効果的ですね。のだめの試練と絶望。そしてこの曲は雅之ともリンクしています。はやく歓喜のフーガが見たいですねえ。

CDブック、もう本当に良かったですね。「幻想ポロネーズ」は大好きな曲なんです。楽譜も持ってますが、すげー難しくって弾けやしません(涙)。バッハは私はグールド版で持ってますが(グールドのバッハ全集は私の宝物です)、コミックを読みながらCD流しております。

ではでは、お気遣いありがとうございます。また是非いらしてくださいね!


投稿: nya | 2008.08.13 19:19

こんばんは☆
バタバタしててやっと今日、21巻買いに行けました。(*^_^*)

「Ruiが好きなので言いたいこと含め色々書けてよかったです。」
という二宮先生の言葉を読んで
Nyaさんと一緒だ~!!と思いました。
Ruiをのだめの恋のライバル視してたのでL122を読むまでは大人目線でRuiを見られなかった私ですが、今回改めて「Ruiの表情可愛いな~☆」と思いました(今さらか!?って感じですけど(^_^;))。

>のだめは雑誌で読んだときと単行本の印象が異なるんですよ。これはひとえに二ノ宮先生の物語力に尽きると思います。
という言葉にうんうんとうなづいちゃいました。
特にL124でのだめを誘うミルヒーの表情見てあれ?こんな顔してたっけ?と驚いちゃいました。

21巻を読んで、連載感想でNyaさんの言ってたのはこういうことか~♪とやっと実感してる部分が何カ所もありました(遅いですね~私)。

二宮先生妊娠中に書いてたんだ~!?と尊敬しつつ、ミルヒーとのコンチェルトは読めそうでご自分も大変なのにファンの気持ちを考えてくださって嬉しく思ってます。

あ~ホントに9月がとっても楽しみです!!(^o^)

投稿: kuro | 2008.08.15 20:30

kuroさん、コメントありがとうございます!

はいー、私もRuiが大好きだったので二ノ宮先生のお言葉は嬉しかったですよ~。Ruiはのだめがもし子供の頃からの才能をストレートに開花させていたらこうなったであろう、もうひとりののだめの姿なんですよねえ。だから憎めないし、キュートだし、一生懸命な姿に心を打たれます。

Ruiがのだめの音楽に出会って、スランプから脱出できて本当によかったと思いますよ。そしてそのRuiと千秋の音楽がのだめの開眼のきっかけになるのです。音楽がつなぐ絆ですね。

二ノ宮先生が、身重のお身体でも作品を書き続けていたそのプロ意識に感銘を受けました。個人差があるとはいえ、妊娠初期はつらいはずで、臨月までも大変でしたでしょう。どうかご無理なさらずに健やかな出産をと祈らずにはいられません。

ではでは、またいらしてくださいね!

投稿: nya | 2008.08.16 13:07

Nyaさん、またお邪魔します。こんにちは。

いまさらなコメントなのですが、「のだめカンタービレ」は、
協奏曲に多い、3楽章形式なのかもしれませんね。
で、のだめの、もうじき見られるであろう活躍が、
3楽章最後のフーガに当たるのかなぁ、なんて。
週末に単行本を読み直していて、そう思いました。

なので、今は、ベートーベンのピアノソナタ31番と、
ショパンのピアノコンチェルト第1番を聞き込んで、
来月の連載に備えてます。

そしてNyaさんの解釈も、とても楽しみにしてます!

投稿: ゆきだるま | 2008.08.25 11:48

ゆきだるまさん、コメントありがとうございます!

おお、3楽章とは新しい!ただ楽章形式に関しては、二ノ宮先生ご自身がインタビューでのだめは全4楽章で、3楽章は長く、4楽章はごく短いとおっしゃってるんですね~。あ、もちろん歓喜のフーガはあると思いますけどね!楽しみに来月を待ちましょう。

ではでは、またいらしてくださいね!

投稿: nya | 2008.08.26 05:46

そうなんですね!
先生ご自身がおっしゃってるなら、4楽章デスね。
お恥ずかしい・・・

とにもかくにも、来月が楽しみです。
またお邪魔します♪

投稿: ゆきだるま | 2008.08.26 10:13

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33364/42139227

この記事へのトラックバック一覧です: 「のだめカンタービレ」21巻感想:

» のだめカンタービレ 21巻 [shaberiba]
のだめカンタービレ #21 (21) (講談社コミックスキス)二ノ宮 知子(2008-08-11)Amazonランキング:位Amazonおすすめ度:Amazonで詳細を見るBooklogでレビューを... [続きを読む]

受信: 2008.08.22 00:47

« 二ノ宮先生おめでとうございます | トップページ | つれづれにゃんこ v2.0 »