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「のだめカンタービレ」感想 Lesson 116

そしてクライマックスに向かって物語は加速する。千秋が遂に動いたよ!

例によって私の感想はネタバレには躊躇がありませんので、単行本派の方はご注意くださいませ~。 あ、それに加えてヘンな断言やら予想やらが入ってますけど、あくまで私の世迷言なんでホンキにしちゃいやですよ~。


千秋の憂鬱は続く。前回のだめが千秋と共演したいと語ったラヴェルのピアノ協奏曲は、千秋が5月にウィルトールでRuiと共演する曲だった。自分のやりたい曲を他の誰かがやるなんて、この世界じゃ良くあることなんだからさらっと明かせば良かったのに、なぜ言えなかったのかと自問自答する千秋。勿論それはのだめがとても嬉しそうで言い出せなかったからというヘタレな理由なんだけどね。このままじゃ引越しの時の二の舞だよ!(そして悪い予感はあたるわけだ)

場面は変わって、峰と清良の出発の日。二人はウィーンに戻った後、日本に帰国予定。のだめは学校なのでアパルトマンで彼らを見送る。名残を惜しむのだめの声は低オクターブ声で前回のホタルをひきずっている様子。それでも、しっかりハグしてエールを交換する峰とのだめに千秋と清良はあきれ顔。

二人を空港に車で送る道すがら、千秋は峰に日本でR☆Sオケを振ってくれると快諾した片平さん(子守姿がキュート!)とジャンの連絡先を書いたメモを渡す。怪訝な顔をする峰に千秋は、R☆Sはおまえのやる気でできたオケなんだから、やる気次第だと励ます。L111で、松田さんが忙しくR☆Sのメンバーも集まらないという峰の嘆きを立ち聞きしていた千秋。、「オレには何もできない」とその場は立ち去ったがちゃんとフォローしているあたり、やっぱり峰の親友だよね。

千秋の友情に感激し、逆にやる気150%くらいになってしまった峰は、千秋にR☆Sでのだめと共演して「ラヴェルのピアノ協奏曲」をやればいいじゃないかと提案する。一瞬その気になる千秋。

しかし、次の瞬間千秋の頭をよぎるのは、L28、千秋とラフマのピアコン2番を弾いて、それで満足してしまったのだめ。あれではだめだ、そんな共演で満足されたら困る、と否定する。

かつて、千秋がミルヒーと共演したラフマを聞いたのだめは、その演奏にうたれ、曲に執着し、練習に没頭した。しかしその執着も情熱も千秋と演奏することで昇華してしまい、そこで終わってしまった。

千秋が最も恐れていること - それは、のだめの留学も、ただこのエピソードが長いスパンで繰り返されているに過ぎないのではないかということだ。とりあえずのお膳立て公演で、のだめの「千秋先輩との共演の夢」をかなえてしまったら、L28と同じように彼女の挑戦を満足して終わらせて、「ただ楽しくピアノをひいていた」のだめに戻ってしまうのではないか - それは千秋にとってとても「困る」ことだ。そんなところでのだめが舞台を降りてしまったら、それからの人生をのだめと歩けなくなってしまうからね。そんな千秋の心境を峰は「まさか『満足したらそこがおまえの限界だ!』なんて話じゃないだろうな!!」「どこのコーチだ!!それ」と図らずも言い当ててしまう。(千秋目そらし)

空港からの道すがら、千秋は明後日のイタリア行きの前にRuiとの共演曲の話をしようと決心する。しかしその頃のだめは、案の定、アパルトマンでユンロンからそのことを知らされていた。一挙にホタル化するのだめ。

スコールの中、アパルトマンに到着した千秋。中庭に車を止める彼を、シーツをかぶって窓から見下ろす不気味のだめ。その姿を見て「ハロウィン?」 (ちがうって)千秋は震え上がる。そして携帯に電話がかかる(ホラー風味、フォントもホラー)。発信はNODAME。


「のだめに話すことがあるんじゃないですか?真一君」 「バレてる――」

のだめは電話で、千秋に何ですぐに言ってくれなかったのか、ちょっとは悔しいけど仕方ないと訴える。事実を知らさずはしゃいでいたのだめは千秋からはさぞかわいそうに見えたでしょうと千秋の「上から目線」を詰る。ユンロンもターニャも帰ってしまうのにのだめはコンクールにも応募できないと自分を哀れむ。

洪水のようなのだめの心情の吐露 - 前にも書いたが、のだめ物語は、千秋視点で語られて、のだめの心情はほぼ語られていない。だからのだめの心情を吐露するこのシーンはとても珍しい。クライマックスに向けての、短いスパンでエピソードの収拾にかかっているのかなあとも思ったよ。

自室でシーツをかぶって泣いているのだめを抱きしめて、千秋は 「もう焦るなとは言えないのか」と独白する。L65のぼへキスの時も、L78のボロボレロの時も、千秋はいつものだめの焦る気持ちを諌めてきた。彼女の才能が羽ばたく日を信じ、じっくりと見守って、やがて大きく羽ばたいたら、見失わずにともに歩いて行こう - それが千秋の「覚悟」であったはずだ(私的解釈)。しかし、のだめは一向に羽ばたけず、彼女の中の「焦り」だけが膨らんでいく。

次のページは何故か夫婦漫才風四コマ「のだめさん!ハイ!」。ほぼ同じ構図で2本ならんでおります。のだめは「ハイ」しか言っておりません。

その1.
「オクレール先生が意地悪をすると?」
「ハイ」「他の生徒はバンバンコンクールに出るのに」「のだめだけはだめだと」
「ハイ」 「嫌われてるんじゃないかって?」
「ハイ!」「子供か!?」(千秋白目、のだめムキー)

その2.
「オクレール先生はお前をパリに誘ってくれた先生だよな?」
「ハイ」「いつもレッスンはきちんと」「厳しくやってくれるんだな?」
「ハイ……・」「おまえ」「自分に実力がないからコンクールに出してもらえないとは思わないの?」
「ハイ?」(千秋白目で……)

てなわけで、のだめの持つフラストと課題が棚卸(四コマってのはうまい方法だね!)されたところで、千秋はのだめにオクレール先生の課題と試験の曲を尋ねる。「ベートーヴェンの後期のソナタ」「ブラームスの小品集、サン=サーンス……」

それはおそらく、いまののだめに欠けているものを強化するための課題(だよね?) - 千秋はオクレール先生の意図に気づく。「よし!」「とっととやろう」「これ全部」 「ハイ?」

二人の特訓がはじまる。

いやあ、今回千秋は男をあげたねえ。峰とのだめへのフォローは的確で外していない。Ruiとの共演曲をさらりといえなかったあたりも引越しエピソードとほぼ同じ流れとみせかけて、その後の千秋のフォローが的確になっていることで千秋の成長と物語の進行を感じさせる。

ただ、この繰り返しエピソードは(千秋後ろめたくて言い出せない→のだめが第三者から聞かされる→言い合い→ラブで解決)だけど、実はのだめが仕方ないと諦めただけで本質的な解決には至っていないと思うんだ。

日本で「ただ楽しくピアノを弾いていた」のだめ。千秋に出会い、恋をして、その才能にうたれ彼女の夢は「千秋先輩のお嫁さん」から「ピアニストとして千秋先輩と共演」に変化した。そして何より千秋がのだめ自身の才能に惚れ込んで、彼女を音楽の道へ共に歩くように誘った。

彼女の持つポテンシャルは、そのまま伸びるだけでおそらく夢を容易にかなえてしまうだろう。でもそれだけでは「コンクールに入賞してプロになって千秋と共演しておしまい」になってしまうのだ。

もちろん、そのレベルで物語を閉じることは可能だ。それぞれの理由で天才を埋もれさせるしかなかった二人が偶然に出会い、恋をして、何より互いの才能に引かれ、手をとりあって世界にとびだし、艱難辛苦の果てに成功して共演して(たぶん結婚して)大団円 - というビルドィングスロマンにならった物語になるからね。

でも二ノ宮先生が「のだめカンタービレ」で目指しているのは、そんな手垢のついた成功物語ではないと思うんだ。ま、その手垢のついた成功物語は千秋がやっているんだけどね(千秋御免)。何しろ「のだめカンタービレ」がタイトルなんだから、のだめが主人公(断言)だし、一筋縄でいくわきゃあないじゃありませんか。どんな荒唐無稽なサプライズが待っているのか。

それは全く予想がつかないけど、そうなったら、もう二度とのだめが千秋について「仕方が無い」とあきらめなくて良くなるはずなんだ。ああ、はやく開眼したのだめが見たいなあ。

過去感想まとめました。

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コメント

こんばんは~。本屋で最後の一冊になってたKISS慌てて購入。
プレゼント号だから?

変態天才向かうところ敵無しだったと思われた
のだめの未熟さ・女の子らしさが
前面に出てきましたねぇ。 切ないぞ。千秋かっこいいぞ!
初期のぴりぴりとげとげしていた未熟千秋が懐かしい。

ハグしてもらってご飯作ってもらって練習見てもらう・・・
うらやましいなぁのだめさん。
今回初めてのだめ目線で読んでた気がします。

千秋の挑戦もまだまだ続くのでしょうけれど、
ストーリーがのだめにシフトチェンジ始まったのかな。

クライマックスの前に一度は2人が別々に大活躍するような
(音楽では一度離れる?)
千秋が演奏旅行行ったようにのだめも別の国で活躍するとか
ちょい別離が描かれるのでしょうかね~?

またラブラブになる為のしばしのお別れなら
我慢します!なんて、
色々想像が膨らみますが、
今後の展開が楽しみですね~。


投稿: tono | 2007.11.25 03:07

tonoさん、コメントありがとうございます!

あ、わたしも近所のコンビニで発売日の朝に買うんですが、いつもは5冊くらい積んであるのに、今日は2冊しか残ってませんでした。朝6時なのに...。やっぱりプレゼント号だったからなんでしょうか?

のだめの弱音や不安がひさびさに前面にでてきましたね!のだめの心情が登場する毎に、千秋との絆が深まっていくので、物語的にはウェルカムなのですが、私的にはかわいいのだめにあまり苦しんで欲しくないなあとも思ったりしてちょっと複雑です。

それゆえ、もう二人は物理的には離れても心情的には離れて欲しくないな
と思ってます。今号を見る限り、千秋はもうのだめの手を離すことはなさそうですけどね。

ではでは、またいらしてくださいね!

投稿: nya | 2007.11.25 08:17

nyaさん!こんにちわ。
のだめ 読みました。予想外の展開です!!
千秋は案外あっさりと共演曲のことを話す決意をしましたね。
もっと、秘密にしておくのかと思ってました。
のだめもユンロンから聞くの早かったし。。。
って言うか、いつの間にか二人は同居になってるみたいなんですけど。
また、千秋戻って来るのかしら!?<願望かな>
二人でのだめを仕上げていって、マスターヨーダも
のだめの最終目標を知ってるので、千秋の考えも見抜いて
ぴったりの導きをしてくれるのでしょうね。
ますます続きが楽しみになってきました。
12月発売が終わったら、また恒例のお休みなんですかね、、、

投稿: ぱんだ | 2007.11.25 17:02

ぱんださん、コメントありがとうございます!

予想外の展開でしたねえ。そしてエピソードの回収がはやくなっていることがクライマックスを予感させますね。

前回、清良のお祝いで千秋の部屋に皆で集まったように、一応二人は別居中ですが、千秋はL107の反省もあって、オフの時はできるだけのだめの部屋に行ってるんでしょうな。

あと2回で休載、そしたら20巻の原稿がたまります。その後の定期休載をはさんで、あとは一気にラストまで行くんじゃないかなあ(すなわち21巻で完結)と予想してるんですが。ま、あくまで予想です。

ではでは、またいらしてくださいね~。

投稿: nya | 2007.11.25 23:57

読みましたぁ~☆nyaさんの感想読んで妄想してから買ってしまいました!
あの二人のハグハグシーンは、毎回理由がどうであれ(千秋がへたれであれ(笑))目にするたびに和んでしまうぅ。。。
私は千秋が危惧してる『のだめ満足後』は、のだめが音楽から離れていく心配と同じくらい、自分からも遠ざかっていく事を心配してるのでは?と思ってしまいます。
千秋、のだめ大好きだもんね。(今さら。)
今回は、最終ページのターニャがいい☆★のだめの判断材料がピアノですもの。のだめ父と一緒ですね。ターニャ好きの私にとっては大好きな場面です☆
新春スペシャルのノエルゲンカも楽しみ~♪次号も楽しみ~♪

投稿: sara | 2007.11.27 09:59

saraさん、コメントありがとうございます!

そう、今号は千秋ののだめ大好きっぷりが際立ってましたね。二人のらぶらぶは大好きなんですよ~。

あ、私もターニャいいと思いました。あの表情は素敵です。

次号が本当に楽しみですね~。

ではでは、またいらしてくださいね!

投稿: nya | 2007.11.27 22:39

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