新感線おポンチ公演「犬顔家の一族の陰謀 ~金田真一耕助之介の事件です。ノート~」感想
小さい頃は「つまんない大人にはなりたくない(@ガラスのジェネレーションby佐野元春)」ってずっと思っていた。不惑を越えたいまも実はそんな気持ちをちょびっと持ってるってちょっとおかしいよね。まあ年月を経て今は、「つまんない大人になりたくないなら面白い大人になりゃいいじゃん!」って思ってるんだけどね。
普段さぼったりへたれたりしてるけれど、ここはというところでがつんと真剣勝負でがんばっちゃう。そんな大人になれたら素敵だって四十すぎて真剣におポンチ芝居をやってる新感線のみんなをみて改めて思いましたよ。
てなわけで「劇団☆新感線 2007年夏休みチャンピオン祭り 犬顔家の一族の陰謀 ~金田真一耕助之介の事件です。ノート~」、2004年の「レッツゴー!忍法帖」以来、実に3年ぶりのおポンチ芝居が帰ってきたよ。無駄に歌って無駄にパロって小学生レベルの下品なギャグを、帝劇までいっちゃって、権威ある賞までもらっちゃった劇団がいい年して真剣にやってるんだよ!最高だよ!
閑話休題。新感線のお芝居は大別して二つ。ひとつは骨太の歴史やファンタジーを扱った「いのうえ歌舞伎」。おおむね座付作家の中島かずきさんが脚本を担当。豪奢で骨太で見ごたえたっぷりの活劇だ。そしてもうひとつは「おポンチ(ネタもの)」。劇団主宰で演出担当のいのうえひでのりさんが脚本も担当。上述のようにすっげー偏差値低いお馬鹿芝居。「いのうえ歌舞伎」が石川賢先生的伝奇ロマンなら、「おポンチ」は永井豪先生的ハレンチギャグで、両方あっての劇団☆新感線なのだっ!休題終わり
例によって私の感想はネタバレには躊躇がありませんので、これから犬顔観劇予定の方はご注意くださいませ~ってかネタものは本当にネタが命なんでみんな気をつけてっ!
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とはいってもさあ、この内容の無い芝居にどんな感想を書けというのだ。カーテンコールが終わって客電ついたときにはすっかり内容を忘れちゃったよ。ベテラン木野花先生や、いまをときめく脚本家兼俳優のクドカン、グレンラガンの悪役螺旋王なるしー、映画「亡国のイージス」ではクールな如月君を演じてた勝地涼君、ほんとうに容赦なく、しかも嬉々としておまぬけでスケベで姑息ないのうえおポンチワールドにはまっているよ。ステキー。
この芝居最大のネタは多分パンフおまけのアレ。表紙から広告までみっしりパロティ。大森望監修。詳しくはいえないけど家宝にするよ!
内容はいつものごとく無いよう。「1976年版犬神家の一族ちょびっとミュージカル風味」。クドカンに金田一先生のコスプレさせたら似合うだろうなあという一発ネタで勝負だ...ってそりゃあ出落ちってやつですよいのうえさん。
後はえっと(必死に思い出してる)、今回喘息の発作が出るほど(やばかった)笑った「○に広がる」最高!エマちゃん全裸スーツで渾身の捨身ギャグに頭がさがりマス。あと特別ゲストの池○は予想してなかったので思いっきりふいた。今回右近さんが地味にすごかった。○の風になって...うまかったよ!
今回の敢闘賞はヒロイン(いやマジで島田陽子枠)の中谷さとみちゃん。さとみちゃんはいつものうざいキャラより絶対清楚な美人キャラ(でもおちゃらけ)が似合うよなって「Cat in the Red Boots」のハーマイ鬼塚みて思ってたんで満足。あと天地明智ぱろ逆木さんもすげーおいしい役だったよ!
いやまじに内容忘れてるんで、週末の2回目(予定)の観劇後に補足します~。そうだ!幕前の音楽は映画犬神家のサウンドトラック担当大野雄二先生作品集だね。あれからキャプテン・フューチャーのテーマが耳についてはなれません。「コドモの頃は空をとべたよ~♪」
■ キャスト感想
ノリノリな客演組
宮藤官九郎 : 古参の劇団員が野放図に芝居する中、ひとりちゃんと芝居をしているクドカンがだんだんいじらしく見えてきたよ。ほーらやっぱりクドカンは板の上にのせてなんぼの俳優さんだ。細いなあかっこいいなあ。パンフの田辺誠一さんの「生まれ変わったら宮藤さんかラオウになりたい」という言葉がツボにはいりました。お体おいといください!
勝地涼:いや見事に自分を捨てた芝居がとても若手イケメン俳優さんとは思えません。ムダにさわやかでも頭の中はめっちゃスケベといういのうえワールドの男の子そのものでした。石川賢的ダーク桃太郎もばっちりはまってた。若いのに実力ある舞台俳優さんになりつつあるよ!がんばれー。
小松和重 : サモアリの小松さんが新感線舞台に!でもなんつーかメタマクの皆川さんのような劇団員的使われ方がニントモカントモ(ほめてます)。ほんとうに三木のり平ににてるよね!
劇団員以上にお馬鹿な準劇団員
池田成志:なるしー螺旋王様~!グレンラガン前半では威厳のある悪役。後半ではおちゃめなコンピュータお義父さん。舞台の上ではいつものように自由にのびのび。姑息で身体能力高い役をぬる~く演じてますよん。なるしーが舞台の上でぴょんぴょん飛び跳ねてるのが大好きだ!
木野花:先生!自由すぎます。あんな50代になりたいです。無駄に走らされて息も絶え絶えで、でもギャグを忘れない姿は演劇界の重鎮とは思えません!
お馬鹿な劇団員
古田新太:あーもういつも以上にふるちん。なんつーかしばらくぶりにこんな楽しそうなふるちん観た。強烈に下品なあの歌が忘れられません!
橋本じゅん:じゅんさん今回ちょっと出番少ないんだけど、どの場面も強烈だからいいかあ。本日の日ねたは美空ひばり:坂本九:足利尊氏:森繁久弥でしたっ!じゅんさんが暴走始めると、舞台のみんなは素で半笑いだよ。
高田聖子:美しい聖子ねえさんも今回はわが身を捨ててるぞ!70年代ファッションがすごい似合うんだわ。
粟根まこと:エッセイで「今回の役はラク」なんて言ってるから出番少ないのかなあなんて思ってたら全場面登場で何気にいちばんおいしい役かも。ってかあの台詞の量はハンパじゃないでしょう!アレで楽なのか~...ま、殺陣はないしね。ルックスは新庄先生(MIRAGE@キャラメルボックス)でとってもラブリー。次回はオペラグラス持参だっ(腐)
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