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アニメ「天元突破グレンラガン」第20話大グレン団、復活の狼煙をあげろ!感想

おおー、来たよ来ましたよキタン!暑い夏にふさわしいめっちゃ熱い展開でこちらの頭も沸騰中!人類の存続を賭けて奮闘する新政府のロシウ。その立場を斟酌し、それでも「大グレン団」の方法で戦う道を選ぶキタンとのエールの交換に胸がじんときた。歴史には正義も悪もない。ただ人がそのように生きたという事実が残るだけだ。

歴史の無常に翻弄される人々。すべてを諦念し非情に徹する為政者。蟷螂の斧だとわかっていても振り上げられずにはいられない熱い魂。くーっ、これぞかずき脚本だ!涙がでちゃうよ。

だから、だからこそ、ロシウもキタンもみんなみんながんばれー生き残れーヘタレシモンははよ奮起しろー!(アレ?)

例によって私の感想はネタバレには躊躇がありませんので、未見の方はご注意くださいませ~。 また私の感想は劇団☆新感線の座付作家の中島かずきさんが脚本を書いたアニメという観点に基づいています。特に17話から始まる第3部はALL中島脚本ということもあって中島厨バクハツしてるので注意デス。あと青年ロシウに胸キュンキュンしてるんで、腐女子注意もひとつよろしくデス。(だんだん長くなるな注意書き)

閑話休題(いきなりかよ!)。定期購読しているHarvard Business Reviewの最新号がリーダー特集でね、論文「完全なるリーダーはいらない(In Praise of Incomplete Leader)」にいたく感じ入ってしまったのさ。曰く「彼/彼女らを『完全なるリーダー(Complete Leader)』から解放してやることで、組織はずっと良くなることができる」ってね。

現代社会においてリーダーに求められる役割は決断することではなく、組織に属する人々の行動の質を高めたり調整すること。その上でリーダーを補完し、権限を委譲した「分散型リーダーシップ」モデルをとるべきであると。これにはおおいに共感するけれど、ロシウの不幸は、「分散型リーダーシップ」をとりたくってもとれなかったことなんだよなあ。何せまわりがアレだったからなあ。休題おわり。

それにしても今回の脚本は完璧だったと思いマス。うますぎだろうかずきさん!!

監獄に放り込まれたシモンとヴィラルさんとの邂逅と衝突と和解(まさか新感線のお約束ギャグでやるとは思わなんだ)->アークグレンへの避難民収容を進めるロシウとその真意に気がつくキタン->新政府を辞し家族を守る決意をするダヤッカ→カミナシティを襲う無数のムガン→避難民を守るためひとりムガンに立ち向かうキタン→危機一髪!マッケンとレイテ夫妻登場→キタンとロシウの訣別とエールの交換→大グレン団復活の狼煙→監獄のシモンの前にあらわれ絶望を告げる黒ニア様→そしてあの人が!

どうよこの密度!このスピード感!この熱さ!これがかずき脚本・新感線芝居の真骨頂なのよ~!(落ち着いてください)

ムガンの攻撃から避難するダヤッカ一家と避難民を守ろうとして絶望的な戦いを決意するキタンの前に、マッケンがモーショーグンを駆ってあらわれる。そしてレイテさんの乗りつけたトラックの荷台には整備されたキングキタンが!...「政府から廃棄しろっていわれたから、メンテしておいた!」とニヤリ。なーんて男前なのメカニックレイテさん!

そしてロシウ。彼は第三部で悪役的立場を担っているけれど、彼の真意は一貫して「人が皆笑って地上で暮らせるような世界を作ること」でそこに私心はひとつも無い。誠実で献身的なロシウに結果的にはアダイの村での司祭が行っていた間引きを人類規模で背負わせるなんて。もう本当に真の悪人はかずきさんだよ!(涙目)

そんなロシウのとった方策。リーロンのシミュレーションで判明した地上の壊滅。曰く「月衝突後、地殻は剥がされ地上は灼熱の空気に覆われて、その冷却に1年はかかる」 これでは地下に避難した人々もひとたまりもなく壊滅する。としたら、アークグレンを箱舟にして人類と動物(の一部)を1年間宇宙に避難させるという「救えるものだけを救う」冷徹な対策をとるしかない。本来は心優しい青年ロシウの憔悴しきった姿が痛々しい。それを聞いたキタンは彼を責めず、むしろその若さで『軸のぶれない』正しい決断をすると冷静に評価する。

しかし、キタンは新政府に飼い殺されてはいたけれど「無理を通して道理をけっとばす」大グレン団の心を失ってはいなかった。彼はロシウに「自分たちの方法で戦う」ことを告げ、大グレン団の象徴であるシモンの「コアドリル」を返してくれと請う。

ロシウのアークグレン箱舟化の真意に気づいたキタンにリーロンが月衝突シミュレーションの結果を説明する間、ロシウは縋るように首筋に手をやっていた。いつのころからか彼はシモンの「コアドリル」を首にかけていたのだ。それは人類を救うために彼が葬らなければならなかった「シモン=昔の心優しいロシウ」の象徴、祈りのようなものだったのか。キタンにコアドリルを渡すことを逡巡するロシウから、つかの間非情な為政者の仮面が剥がれて迷える子供のような幼い表情が顔をだす。そしてキタンにコアドリルを渡しながらロシウは言う。「僕も一度はこれに未来を託したんだ」。それに応えるキタンの「オレはこいつに明日を賭けるぜ!」の会話が切ない。

だが、アンチスパイラルに蹂躙されたロシウのとった行動は悲しいかな皆想定の範囲内の対応策にしか見えない。おそらく1000年前に螺旋王ロージェノムも同じことをして、アンチスパイラルに完膚なきまでに打ちのめされ絶望の淵に沈み1000年の倦怠に身をおいたのではないか。

アンチスパイラルの真の目的は、「螺旋族に真の絶望を実感させることで、その『闇雲に天に向かう生命力』を奪い去ってしまうこと」なのだろう。ロシウもこのままではロージェノムと同じ道をたどるに違いない。このメビウス状に閉じた円環を打ち破る可能性を持つものはただひとり-ロージェノム以上の螺旋力を持つシモンだ。

もちろん、だからといってロシウの行動を無駄な努力と嘲ることはできない。その時点の彼が『ただしい統治』を行っていることは、登場人物の誰も彼を責めていないことからも明らかだ。でもロシウ萌えの私としては、全てが終わった後のロシウの絶望が心配で心配で(腐)。中島さん~絶望のうちにロシウを殺さないで~そしてシモン~、ロシウを救ってやって~。

監獄で、アークグレンの船出を知り、ひとりロシウにエールを送るシモンは「見捨てられたんだぞ」と呆れるヴィラルさんに「彼らが生き残ることができればいいんだ」と答える。ここに至ってシモンは完全に自身を放棄してしまっていていただけない。そんなヘタレシモンを叱咤(激励?)するように現れるメッセンジャー・ニア。この地上が地下シェルターに避難した人々ごと滅びること・そんな人々をロシウは見捨て宇宙に逃れたこと・そして宇宙に逃れた彼らにも生き残る道はないことをご丁寧にも映像つき(笑)で解説する。唖然とするシモンと怒るヴィラルさん。大いに含むところのありそうな黒ニア様。そこへ銃声!「つまんない女になったわね。ニア」

うわー、ここで切るかと奇絶怪絶また悶絶!メールシュトレームの大渦の中の樽のようにくるくると翻弄されてるよ。でもこの翻弄が気持ちいいのも事実なんでまた来週!

追記 : いつも冷静な夫の20話の評価は「まあ面白かったかな」。そしてぽつりと「アンチスパイラルの目的は、本当に人類を含む螺旋族の殲滅なのかな?この宇宙ごと新しい階梯に昇ることじゃないのかな?」と言ってたよ。うーん、グレラガの特徴は善悪敵味方が相対的ってことだけど、まさかアンスパまでもがその公式にあてはまるとは....ありうるありうる。

でもその後「ヘリオ・セス・ペータ型の惑星開発などはじめからなかったのだ!(@百億の昼と千億の夜)」と叫んでもいたぞ。かずきさんは光瀬龍先生の影響も受けてるからなあ。この宇宙は「神々のかまど」落ちだってありうるかも~。いずれにせよどんな状況でも天元突破するのがシモンなんだろうけどね。

追記2:ガイナさんのニュースに「アンチスパイラル役に俳優の上川隆也さん出演決定!」ですってよ奥様!おおお、なるしー螺旋王に続く、新感線つながりで「SHIROH」の上川さんがアンスパ役か~。上川さんは姿よし演技よし歌よし殺陣よしで舞台にたつとほんとーに映える役者さんなのだ。声も素敵なのできっというまいことやってくれるだろうなあ。

でもアンチスパイラルって種族名じゃなくって個人名なの?集合意識みたいなもの?謎が謎を~。

公式ページ

過去感想目次
(目次独立させました)

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コメント

いや〜 今回は しびれましたよマジで。何度涙を浮かべたことか。やっぱり ロシウはロシウなりにちゃんと考えていたんですね。キタンと交わした言葉…泣きますよ。そして、ヨーコ やってくれますね。 今回のブログはいつになくコメントが熱かったですね、nyaさん。 それだけ感動したってコトですよね。 また 来ま〜す♪ 追伸:コメントに必須な オレのメルアド スペルが1つ抜けてました。ごめんなさい。

投稿: ツフィー | 2007.08.12 10:25

ツフィーさん、コメントありがとうございます!

今回は熱かったですねー!キタンかっこよかったですね~。本当に感動しました!

またきてくださいね~。

投稿: nya | 2007.08.12 11:04

キタンについて:最初に登場した時は、カミナとおもいっきりキャラかぶってるやん!って思ってたんですけどカミナがいなくなった今となっては非常に頼もしい存在となりましたね。 なぜアニキとキャラがかぶる 男を登場させるのか疑問に思ってたこともあったんですが、細かくチェックしてみたら あんまりカミナとかぶることもないかな?と。 キタンはキタンで あって カミナはカミナ なんですからね。
では また。

投稿: ツフィー | 2007.08.12 12:12

ひとつ ニュースを。 アンチスパイラルの声を 俳優の上川隆也 氏が演じることが決定したようです。…ってnyaさんのことですから、もうすでに ご存知でしたか?ね。今回は手短にここまでにしておきます。 では また。

投稿: ツフィー | 2007.08.18 02:12

ツフィーさん、コメントありがとうございます!

上川さんアンスパきまりましたね~。ガイナさんのニュースで見ましたよ。この記事にも追加いたしました~。

上川さんは大河ドラマにも主演されてテレビでも有名ですが、舞台では20年のキャリアのある実力のあるかっこいい俳優さんです。かずきさん脚本の新感線ミュージカル「SHIROH」では主演もされていて、今回はそのご縁なのかなあと思ってます。楽しみですね~。

投稿: nya | 2007.08.18 11:28

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