アニメ「時をかける少女」感想(テレビ放映版)
本日フジテレビの地上波で放送された2006年版「時をかける少女」を観た。
小学生の頃に、NHKの少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」を見て、それと前後して筒井康隆の原作、鶴書房版(ドラマ版の写真が表紙になっているもの)を読んだ。そして大林信彦版「時をかける少女」は大学生の時に池袋の映画館で観た。つまりいずれもリアルタイム世代。大林版は、確か「ハウス」や「転校生」などとセットのオールナイト。大林大好きな夫(結婚前だが)と見に行った記憶がある。どれもこれも記憶の彼方だが。
まいった。この年になってこのオールデイズがこんな胸詰まる傑作になって戻ってくるとは思わなかった!青春SFの傑作である原作のエッセンスをそのままに、かつ原作・映像版すべて通して人物像がいちばん生きているなんて。
傑作だ。すばらしい!
夫と二人で最初は「で、誰がケン・ソゴル?」「三馬鹿トリオで女の子がいちばん馬鹿って新しくね?」とかつっこみながら観てたんだけど、もう踏切シーン辺りからだんだん言葉少なになって、後半はほとんど無言で食い入るように見てたよ。エンドクレジットがでたとき思わず二人で大きな息をついて顔をみあわせた。
私「面白かったね~」
夫「ま、フツーに面白かったな(最大限のほめ言葉)。HDDに録画したからまた見れるよ」
私「あ、DVD限定版あるよ。まだ封あけてないけど」
夫「買ってたのかよ!」
てなわけでイソイソとDVDをとりだして、限定版についていたビジュアルノートなどみながらにまにましてます。いい作品にであえて本当によかったなあ。
作品そのものの感想は、これ以上にチラ裏で私的なものになってしまうためにあえて避けます。まだ未熟で自己中で自分を中心に世界がまわっていると思っていたコドモ時代。ある出来事をきっかけに視点がぐんと広がって、人を思いやる心や未来に向かう意思が芽生える。私は「時をかける少女」は昔からそんな成長の扉を開ける話と思っているのだけど、今回のアニメ版はまさにそれを体言していたと思います。
過ぎた時は戻らず、たくさんの人々との邂逅もまた一瞬。だけど、その日々を糧にオトナになった自分がいる。さまざまな理由でお別れした人たちともう二度と逢えないかもしれないけれど、胸の奥に沈んだ遠い約束は決して朽ちることなく宝石のように輝いている。
真琴も、千昭も、功介も、みなみな瑞々しくていとおしい - 素晴らしい作品をありがとうございました。
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