ドラマ「のだめカンタービレ」総括
『楽しい音楽の時間』が終わったって人生は続く(涙)。いろいろ反芻しながら、時折「あへー」とか「ぎゃぼー」とかつぶやく私にキレた夫に「とっととのだめから離れろー!そして大掃除をしろー!」とどつかれる今日このごろですが、ドラマのだめファンに皆様はこの喪失感(=めちゃくちゃ盛り上がった文化祭が終わった気分)をどのように収拾つけてるのかしらどうかしら?
....とりあえずのだめまとめWIKIがどんどん進化していてものすごいデータベースになりつつあることだけは事実です。
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原作ドラマ含めてよく言われていることだけど、この物語は千秋が主人公だ。さまざまな障害から才能をもてあまし、心を閉じて、周囲に当り散らしていた不遇の天才千秋真一が、のだめという彼の運命の女(ファム・ファタール)と出会い、障害を乗り越え、何よりも仲間を得て、音楽の喜びを知って成長する話。
それだけならただの千秋のビルドゥングスロマンだけど、ポイントはのだめ。彼女に与えられた役割は千秋を成長させる装置にとどまらない。やすやすと彼の範疇と飛び越えて自由に悩み、奏で、成長し - いつの間にか彼を脅かさんばかりの強烈な光となっていく。
まあ、それもまたよくある話といってしまえばそれまでで。異なる種類の天才が出会うべくして出会い、惹かれあい、互いを刺激しながら手を取り合ってさらなる高みを目指していく - あくまでも彼等は音楽のしもべであり、それを通して繋がっている、しかしその絆は緩いように見えて強く深い(はず。原作はまだそこまで到達してない)。基本的にとーっても前向きな話なんだよね。なによりも若い人が己に課した仕事に打ち込みいろいろなことを学んでいく姿が気持ちよいし、観てて読んでて元気がでるのだ!
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その他の重要なポイントとしては、魅力的な人物がてんこもりのこの群像劇で唯一のお色気担当が千秋ってことで(それかよ!)。これもよくいわれてるけどヒロインだしな千秋。
ドラマのスタッフはそのあたり非常によくわかっていて、ひたすら玉木千秋を美しく色っぽく撮る事を試みて - 成功してるわけです。あんまり成功しすぎて、原作では「ストイック」と評される千秋の色気が、5割増くらいになってて「全開放」になってるのがすげー笑えるんだけどね。
何よりシンプルな白いシャツと黒ズボン、黒髪無造作ヘアスタイルという一歩間違うと野暮ったい(=大河内君)国立理系学生のような千秋ファッションが、玉木君が着るとこれほどステキになってしまうということで。玉木君を千秋に推した原作者二ノ宮先生の選択眼には本当に感服。燕尾を着た指揮姿は壮絶に美しいし。
最近の茶髪派手ファッションのホストみたいな若者像に辟易していたのでこの懐古趣味風千秋ファッションが流行ればいいなあと心から思いますた。
で、結局玉木キャラ萌えなのかよ!というとほほな結論ですが、いやいやいや上野のだめも福士くろきんも瑛太峰も小出真澄ちゃんも皆々素晴らしいくらいのはまりっぷり。ドラマ感想でも書いたけど、のだめの存在感、心根の深さを描き出せたのはひとえに樹里ちゃんの天賦の才と努力のたまもの。誰かが欠けても成り立たなかった。ほんとうに奇跡のようなコラボレーションと思っていますよ。
成功要因はいくらでもあるけど、結局原作に対するリスペクトとそこから一歩ひいて冷静に物語を再構築した卓越したドラマツルギーに尽きるのかな。幸福な月曜の夜をありがとう。DVDを待ちますよ~。
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コメント
nyaさん こんばんは〜
のだめ面白かったですね。感動も貰いました。
切り換えのできない私は、未だメタマクから抜け出せていません。
きれいは汚い、ただしオレ以外!!
グ〜ンと寒くなりましたね。
お風邪など引かないよう、お気をつけ下さい。
それでは
投稿: ぎゃば | 2006.12.29 21:26
ぎゃばさん、こんばんわー。
ぎゃばさんものだめ観られたのですね~。ふふふふ、今日から新感線は演舞場で朧公演です。評判よいので楽しみ楽しみ。
ほんとうに寒くなりましたね。今日仕事納めで、来年異動になるので巣食っていたプロジェクトルームの大掃除して大汗かいて外に出たら寒かった~。
ぎゃばさんもお風邪召されぬように。よいお年を~。
投稿: nya | 2006.12.29 23:59