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「のだめカンタービレ」感想 Lesson 101

ドラマは佳境で千秋のだめふたりの初々っぷりがたいへんに愛らしい。なのに、原作の四年後の二人はすっかり倦怠期...じゃなかった千秋の試練。前回記念すべきLesson100では、雅之ショックに打ちのめされて追い討ちをかけるようにのだめに避けられて。行き場のない思いをもてあました千秋はついにのだめとの別居(同居じゃね~)を決意...どーするどーなる以下次号ってはらはらの展開だったのだ。

冒頭、早々とニナの紹介で新しいアパルトマンへの引越しを決める千秋。仲介業者に「ペットも大丈夫」と言われて、千秋の頭に浮かぶアヒルのだめが激プリティ..っつーかペットとして連れて行くつもりなのか千秋。「まだのだめに何も言えてないのに」 - 嘆くぐらいならとっとと言えよと背中をどつきたいほどヘタレた千秋にちょっとフラスト。仕事に集中できる環境を確保するため迷いなく引越しを決めるところまではプロらしいが、その中身はまだまだ若造だしな。

一方のだめ。「のだめカンタービレ」の作品としての特長に、のだめの心境は一切語られないというのがあるのだけど、例外がある。それはのだめの夢だ。夢の中ののだめは着ぐるみマングース。登場人物は「プリごろ太」のキャラクターとその時に一番心に引っかかる人物だ。

例えばマラドーナ・ピアノコンクールの際の火の輪くぐりの夢。火の輪をくぐろうとするマングスのだめに向かってコドモのゆーとくんが、「失敗したらハリセンボンの刑」と言って指差した先には子供の頃に体罰をうけたピアノの先生(ハリセンとイメージが混じっている)がいる。 この悪夢はのだめの心の傷の深さを提示し、コンクル失敗への暗示となっていた。

今回は、コンヴァトのサロンでうたたねをしているのだめの夢。オクレール先生がマンドラゴラとして登場(プリティ!)。プリリンやリオナが、「満月の夜のあいだに摘まないと、もうここ戻れないから 」とせかしている。コンクールの夢と違ってあまり不吉な予感がするものではないが、「もうここには戻れない」は非常に暗喩的だ。

夢を破ったのはランベール夫人のサロン・コンサートの依頼の電話。のだめが、うきうきしながらごちそうの鳥のロースト(うまそう)を買ってアパルトマンに戻ると、千秋がピアノの調律師(メガネの青年)と引っ越す旨の会話をしていた。引越し直前に調律師を頼むのはおそらく千秋の部屋のピアノをのだめに残していくための心づくしだろうが、そもそも引越しを知らないのだめにサイアクの形でそれを知られてしまうとは....なんて迂闊なんだ千秋。

たいへんなショックをうけ、千秋に「のだめのこと嫌いになったんですか?」と問うのだめ。そんなことは思ってもみなかった千秋に「なぜそうなる」と聞かれて、「会わなかったから」とのだめは初めて心情を吐露する。「かわいさあまってにくさ100倍(誤用)」なのは、着実にプロとして足固めをし、ピアニストの父の前でバッハの弾き振りまでする千秋に嫉妬し、焦りを感じていたのだと。でも嫌われるなんて思っても見なかったと泣き伏すのだめに、千秋は真摯に理由を話す。子供時代を過ごしたアパルトマンから出るのは、自立のためと仕事に集中するため。いまがプロとしてやっていくための正念場なのだ。「お前だって今そうだろうからわかるだろう?」と問われるのだめの心によぎるのは先ほどの夢の情景だ。 「満月の」「夜のあいだに摘まないと - 」

満月とは機が熟した - 即ち二人が音楽家として飛躍する、いまがまさに時期である。この機会を逸しては成長のチャンスは得られないという極めて前向きな夢であったことが提示される。(このあたりは私の解釈なので間違ってたらすみません...)

寝室の床に正座して目に涙を一杯にためて「はい、わかりました」と応えるのだめの姿を無言で見つめる千秋 - ここでスイッチがはいっちゃったんだねえ。次に来るのはのだめ史上サイコーにあからさまなシーンだ。

ピアノを前に腕組みする調律師が、意を決したように「ショパンのノクターン」を弾き始める。寝室(!)から出てきた千秋は、シャツはボタン一個しかとめてないわ、裾はみでてるわで大変な状態。大赤面しながら「ごめん、もう帰っていいから」と項垂れる千秋に、調律師は「黙って居る方が親切なのかどうなのか考えたんだけどね」と追い討ちをかける。

ってゆーかこのシーンのために千秋の部屋は、玄関をはいるとすぐ寝室で、そこを通らないとピアノの置いてある居間には行けないという、考えてみるとフシギな間取りになっていたとしたら、二ノ宮先生...凄すぎる伏線だよ。何せ調律師、自分の存在を誇示しないと帰るに帰れないもんな。それが「ノクターン」なわけで。サイコー!!

勿論、その際ののだめの姿もそれ以上のシーンもないんだけどね。いや~十分におなかいっぱいでした~。

手段(!)はともかく仲直りして、ローストチキンでディナー。これからは外で待ち合わせてデートができる~と頬染めてうきうきののだめに「倦怠期の夫婦かよ」と憎まれ口を叩く千秋にはなんだかなまあたたかい目を注いでしまうよ。のだめのサロコンが決まったことを喜び、四年間変わらないのはのだめの変態だけかと二人の過ごした年月を思い返す千秋。出逢った頃とは二人の立場も環境もすっかり変わって、いよいよ別居もはじまって。

離れたら何か変わるんだろうか - でも大丈夫。それは成長のため。二人の互いを思う気持ちは確かなものだから。てか千秋はもっとのだめとちゃんと話せ。のだめに「電話しろ」と懇願(くす)するくらいなら自分でどんどん電話しろー!


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コメント

はじめまして、こんにちは。
わたしものだめカンタービレがすきで、コミックスが待ちきれないので、kissでひとあし先に呼んでマす。lesson101はあたし超!超!好きです!!でも、こちらのHPで感想読ませてもらって、なんかより深く話しが理解できたっていうか、lesson101が二度楽しめました!わたしは読んでて、千秋の部屋の間取りまでは考えなかったですね~。そりゃぁ調律師の人帰れませんよネ~。ア・でもあたしが鈍感なだけかも知れないんですケド。アハハ。
ども、ショボい文章で失礼いたしましたー。

投稿: ちゃぁ | 2007.10.17 14:34

ちゃぁさん、はじめまして!

こんな辺境のブログによくお越しくださいました。Lesson101いいですよねえ。私も大好きです。千秋の部屋の間取りはファンブックに載ってるのでピンときました。モデルになったお部屋があるので、二ノ宮先生はそこからL101のストーリーを考えたのかも知れませんね。

私もコミックスが待ちきれなくて、Kiss本誌を買っております。いまは定期休載中でちょっと寂しいですね。でも来月は連載も再開するし、コミックスの19巻(L106も大好きなんです~)も発売されるので楽しみですね。

また遊びにきてくださいね!

投稿: nya | 2007.10.17 23:40

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