或る日
鬱々とした梅雨空の合間にふと訪れた爽やかな夕間暮れ。家路をたどる間に西の地で失われた家族のことを暫し思う。憤ることは容易いが私には既にその資格はない。挫折も絶望もそして殺意ですら私には馴染んだ感情だ。彼は私であり、失われた家族もまた私自身なのだ。
私が堰を越えなかったのは単なる偶然だ。何故誰も幸福になれなかったのだろう。今はただ失われた方々の冥福と残された方々の心の救済を願う。
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