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グリーン車と私

またまた昔話だ。現場のSEだった頃。東北地方のあるお客様のシステム導入を請け負ったことがあった。導入自体はお盆休みに一気に行う計画だったが、その準備に数ヶ月。週に何回か東北新幹線を利用してお客様のところに通っていたのだ。稀に泊まることもあったが概ね日帰り。いくつかの仕事を掛け持ちしていたからね。片道2時間ほどの道程であったが日帰り出張は疲れる。おりしも夏休み。新幹線は観光客で結構混んでいたのだ。

いちばん混んだのは週末の上りだったかな。首都圏の自宅に戻る単身赴任の会社員で普段から混雑しているうえに、週末に上京して遊ぼうとする観光客で自由席は満席。通路までぎっしり人が溢れた状態も珍しくはなかった。指定席までいっぱいの時でもグリーン車は空いていたから、時には奮発してグリーン車にゆったり座って帰ることも多かったのだ。もちろん自腹だよ。お金がたまらないわけだよねえ。

まあ、その日もそんな感じでグリーン車を利用した私。ビールとお弁当でちょっといい気持ち。そんなときにのりこんできたのが親子連れ。私と同世代のお母さんと小さな子供。お母さんはいった。「あらあらここはこんなに空いてるじゃない。よかったわねえ○○ちゃん。座らしてもらいましょう。」といって空席に陣取った二人。私はちとイヤな気持ちになった。あの親子連れはここがグリーン車って知らないんじゃないかな。注意した方が良いのかなってね。

案の定、ほどなく検札にまわってきた車掌さんとひと悶着。といっても車掌さんは冷静にグリーン車に乗るならチケットを購入してほしい旨を訴えていただけだけどね。でもその女性は料金を払おうとはしないし、席を立とうともしない。子供がいて疲れているのでここに座らせてほしいと言い続けているのだ。しかしそんな道理が通りはずも無く、とうとう彼女は立ち上がってまわりに聞こえるように大きな声で叫んだ。「なによ!こんなに空いてるんだから二人くらい座ったっていいじゃない。こんな小さな○○ちゃんを立たせてもいいの?あなたたちには情けってものがないの?!」

いや、そういう問題じゃなくって。とたぶんまわりの乗客全員の心の中つっこみが入ったと思う。親子連れはしぶしぶ退出して言った。

お母さん。そりゃああなたは小さな子供をかかえていて疲れてるとは思うのだ。たとえば電車に座っていて、小さな子供の手を引いたあなたが目の前に立ったなら私はあなたに喜んで席を譲ったことだろう。でも規定の料金を払わず、ただただ座らせてほしいとごねるのは - それは物乞いと一緒だ。私はヤダナ物乞いになるのは。

てなわけで、かの愛ルケ先生の物議をかもしているこのブログ。社会に対し木鐸を鳴らすべき立場のお方の李下に冠を正しまくっちゃったこの行為にはあきれ果てるばかりだ。どうかご自重を。

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