Our Boom(造語)
学生時代から数えれば四半世紀にもなる夫とのつきあい。どこか知り合った頃のコドモな気分が残ってる。アンファンテリブルな中年夫婦というのもちょっと気持ちが悪い。子供を持たないがゆえの成熟しないハンチクな関係というのは半ば自分たちが望んだのだから仕方ない。かわりといっちゃあなんだが私たちはいろいろなものにはまってきたよ。以下遍歴。
学生の頃は映画。貧乏だからロードショーじゃなくて三本立てとかオールナイトね。池袋文芸座にはよく通った。タルコフスキーとか尾道三部作とか玉石混合でがんがんみた。就職してからはミニシアター。ユーロスペースとかシネマスクエアだね。薔薇の名前やニューシネマパラダイスなんかのエヴァーグリーンをたくさんみつけたよ。
高校大学時代を通じての私の趣味はカメラだった。自分で現像もする本格志向(でも暗室キット)。天文部だったから天体写真から始まり後に風景をとるようになった。就職した最初のボーナスで当時話題のキヤノンの初代EOSを買ったのだ。それまでは高校時代に買ったAE-1を使っていた。そしたらEOSにはまったのは私じゃなくて夫だった。彼の撮った写真は私の百万倍くらいセンスがよくてかなりへこんだ。そう、彼は写真の才能があったのだ。当時メーカーのサラリーマンだった彼は後にフリーのライター兼カメラマンになるのだ。零細を嘆く日々だがその種をまいたのは私だったので自業自得というわけだ。
閑話休題。まあそれからも二人していろいろはまったよ。結婚直後は家の近くにボーリング場があってなぜかそれにはまった。週末毎に通ったのだ。演劇も最初は夫婦ではまってた。いまでは夫は冷めちゃって私だけがはまり続けてるんだけどね。あと忘れちゃいけないのがエヴァンゲリオン。これを作ったガイナックスとは大学時代彼らがゼネプロを名乗っていた頃からのおつきあい。バックグラウンドも十分承知している同年代の彼らからいきなり出てきたブロックバスターに夫婦ともどもノックアウトされた。この余波は長く続いたなあ。ある意味トラウマのようにいまでも心に刺さり続けてる。
いまだに有効なのは英国と自転車かな。私が連れ出した英国カントリーサイドのドライブ旅行が夫は妙に性に合ったらしい。自作のUKドライブ用GPSキットも作成し嬉々としてBの4桁道路を走ってるよ。そして車にはいつもフォールディングバイクが積んである。私は赤のBROMPTON。英国生まれのキュートな自転車だ。夫はBike FirdayのSAT A DAY。週末に多摩川土手を走ってると好奇の目で見られるし、休んでると話しかけもされちゃう変わり者のりカンベントを夫は愛しているようだ。
老後を考えれば共通の趣味を持つことは悪くない。でも二人で熱くなるのはちょっと怖い。ボケがいなくなったつっこみみたいにひたすらエスカレートしていくんだよね(エヴァのときがそうだった) 二人でヌルくはまって、ときどきは熱くなってもどちらかがほどよく冷めててつっこみいれるのが長く楽しむコツみたいだよ。
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