昔から、SFとかコミックとかコンピュータとか天文とか、まあいわゆるテッキーもしくはヲタクマージナルな場に身を置いていた。それが故か私の周りには理系の男の子が非常に多かった。長身痩躯線の細い神経質な顔立ち、細長い指でメタルフレームの眼鏡を直す仕草も決まってる。ショルダーバックの中には「大学への数学」と「SFマガジン」が入ってるみたいな。しまった高校限定になってしまった。
放課後地学部室に集まってみんなでわいわいとZ会の通信添削分担して解いたり(Z会よすまん...ズルしてたのだ)、大学への数学の学力コンテストで出題される難問を論じたりしながら一方でオタク話にも花が咲いたのさ。青春だよな。
で、そんな男の子たちのなかにはいわゆる「少女漫画ファン」も多かったのだ。いちばん人気は清原なつのだったかな? 「花岡ちゃんの夏休み」は理系男子の心わしづかみ。猫十字社とか倉多江美とかも人気あった。雑誌なら当時いちばんトンガッてたLaLaとかね(日出処天子とかエイリアンストリートが連載中)。そんな子達と連れ立って放課後に神保町のコミック専門店高岡書店に早売りのLaLaを買いにいったりしたこともいまでは懐かしい思い出だ。四半世紀前の話だよ。
そんな高岡書店である日見つけたのが、アニドウ発行の「ふくやまジックヴック」だと思いねえ。ふくやまけいこ先生が商業誌デビューする前の同人誌はひっくりかえったおもちゃ箱のようにセンスオブワンダーあふれる楽しい落書きに満ちていた。SFやアニメ、アグネス・チャン(!)や動物やぬいぐるみ、さまざまなオタク心くすぐるガジェットがいまと本質はかわりないふくやま先生の愛すべき絵と手書き文字で表現されていたのだ。
すごい才能にであったと思った。まわりのみんなに触れてまわって買わせたよ。そのすぐ後に徳間書店発行のSF漫画専門誌「リュウ(廃刊)」で商業デビューされて以来の単行本はコンプリートだ。思うにこのSF心溢れるかわいらしくもウィットにとんだ落書きは多くのSF好きで少女漫画好きの理系少年少女の琴線に触れたと思うのだ。だから家にはふくやまジックヴックが二冊ある。私の分と夫の分だ。
で、なぜこんなことを話したかというと、「まぼろし谷のねんねこ姫 3巻」の解説が粟根まことさんで、そこには粟根さんとふくやまジックヴックの出会いがかかれててまさにそれ。粟根さんは阪大理工出身、ばりばりの国立理系でSF者で少女漫画好きだからね。シンパシーを一方的に感じてるミーハーファンなのさ。
Web拍手ありがとうございます。最近更新してなくてすみません。癒しの絵がとりたいんですが....
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