「姫が愛したダニ小僧~Princess and Danny Boy~」感想
新生Piperフルメンバーの「姫ダニ」はむかし大王とDocの二人でPiperをはじめた時の旗揚げ公演「Piper」の再演だ。といっても「Piper」は大阪(大阪球場の特設野外劇場で5日間)で行われたので見に行けなかったのだ。かえすがえすも残念。
というわけでとても楽しみにしていた「姫ダニ」だったのだが、芝居としての評価はちと保留。いやいやもちろん大王のお芝居は大好きで、「姫ダニ」も洒脱で皮肉にあふれてて愉快で時間を忘れて楽しんださ。
でも微妙。なぜなら - いってしまえばこのお芝居は大王の傑作「ダブリンの鐘つきカビ人間」とほぼ同じ物語だからだ。現代からファンタジーの世界に紛れ込む常識人カップル(そしていつでも世界に馴染むのは女の子だ)。姫と騎士(馬!)。悪意の権力者。そして聖なる自由人(カビ人間であり笛吹き男であり)。最初にダブリンみてるからデジャブ感が凄くっていまいちお話に乗り切れなかったところがちと残念だった。なにか新しい発見があればと思ったのだが悲しいかなそれが見つけられなかったのだよ。(ラストの余韻はダブリンが凄いんだけど、見終わってハッピーな気分になるのは姫ダニだな。)
それにしても役者さんはみな芸達者。いやー富田靖子ちゃんはうまい!そして今回初見のカムカムミニキーナの座長松村さんも素晴らしい!夫は今回一番凄かったのはユースケだ!と褒めちぎっておりました。だってあの濃ゆい共演者たちのなかで唯一常識人的立場なのに埋もれず光り続けるって凄い。カーテンコールののりのりのミニコンサートもないす(歌手だったんだよねえ)。Piperの皆様+マツナガさんあーんどラサールさんはなにもいうことありません。ゆるぎない存在感。ああ、マツナガさんの色っぽいお姿をもっとみていたかったよ。高杉さんの騎士は姿形と所作は申し分ないけど正直滑舌が苦しかった。「昨年も似たような格好..」の台詞に笑った。アオドクロでメカゴジラやってたもんねー。
そして今回の目玉は大王の生み出した定番キャラ二人。Doc演じるところの芋宮殿MITSURU23才(MITSURUはローマ字)。そして大路恵美さん演じる麗子さん。どちらも変人でわけわからなくて大好きよ。
わすれちゃいけない島じじい。アートスフィアで小劇場なみの客いじり(ちょっとイジワルでかなりおいしい)をやっちゃうのがすごいけどみんな楽しそうでよかったな。
というわけストーリーはちと評価微妙だけど、正直見てる間はそんなこと気にせず笑って楽しくってハッピーになれる芝居だったから良かったよ。
あ、劇場で大好きな粟根まことさんに遭遇。実は観客席でお見かけしたのは初めてだったのだ。眼福眼福。
マチネ観劇後、シーフォートスクエアの中庭で開かれていた夏祭りを見物。上海雑技団のアクロバットやレストランや町内会の屋台がでていて盛況。浴衣姿の子供やお嬢さんもたくさん。スコティッシュ・パブの屋台では英国ビールやシェパーズ・パイなんか売ってた(ので買って食べた)。シェパーズ・パイはラムやビーフをこまかく刻んで、玉ねぎのみじん切りといためてウスターソースとトマトで味付けして上にマッシュポテトとチーズのっけて焼いた英国パブ料理。簡単だけどおいしいので家でも良く作るのだ。
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コメント
しまった、サムシング吉松氏のマンガを見て気がついたのですが
これって腹筋善之助が出演していたのですね。
見に行けばよかったあああ~~~
投稿: 研太郎 | 2005.08.12 08:05