稀有な才を惜しむ
その訃報に吃驚した。悠々自適の楽隠居生活を楽しまれているんだろうなと思っていたので、まさか闘病されていたとは - 杉浦日向子先生のご冥福を祈るばかりだ。
わたしにとって杉浦先生はいまも漫画家だ。その天賦の才で縦横に過日の日本を遊んだ作品の数々をほんとうに愛している(作品は多分初版で全部所有していると思う)。どれもこれも珠玉の名品であるがもっとも印象深いのは江戸から近代に移行する日本を描いた「東のエデン」。 大好きなラストの台詞「ヨーソロ、ニッポン」は今でもときどきニュースなどをみて日本の世界での立ち位置を思ったときにつぶやいてみたりもするよ。
おりしも大川端は納涼の頃。両国あたりで夕涼みが楽しい季節だ。先生はきっとかの世でも洒脱に風流に遊んでいることだろう。稀有な才能がこの世から旅立たれたことを惜しんで追悼を。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント