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「夏への扉」を贈られたくないと思う理由

メールどうもありがとうございました。あのページはとても面白かったのでお返事を。以下の部分だけ公開私信とさせていただきます。あくまで私観ということを御承知おきください。

「夏への扉」が女性からみてトホホなところは、大人の女性の本性が俗で性悪で、少女が純粋で善であるという非常に判り易い悪意に満ちた差別がされていることでしょう。また、厳密に言えば主人公と結ばれるのは少女ではなく成長したリッキーなので、ロリコンともまだ違う。もっとタチが悪い女性観をもっているといわざるおえません(ハインラインがな)。

子供のときならいざしらず欲もあれば俗もある成熟した女性へのアプローチとして「夏への扉」を薦めるのは、(SFファンという立場で) 贔屓目にみてもその歪んだ女性観に疑問を持たないほど女性慣れしていない初心な男である、穿った見方をすれば決して私はあなた(女性)の立場になって考えることはないよと相手に主張しているような滑稽なふるまいなのです。

まあ、そんなわけで私自身はハインラインの悪意とか偏見とか大好き(「悪徳なんか怖くない」なんてその歪んだ性意識が気持ち悪くていーんだ)なので、上記部分はあまり気にならないのですが、少なくともそれを好きな女性にプレゼントしようと考えている男性には今一度すすめられる立場の性の側にたって考えて物語を読んで欲しいものだなと思います。

追伸: 我が家にも三冊の「夏への扉」はあります。まあ若気の至りってやつだな。

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「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

なるほど、そういう理由から「夏の扉」は女の人に贈っては
いけないのですね。ご教授ありがとうございます。
しばらくその本自体を読んでないので、書棚から発掘して
じっくり考察してみますね。

私は、危険性が非常に高い理由から
女の人に本を贈ったりはしないことにしているのですが
逆に、女の人が薦められてうれしい本って、どんな本でしょうね。

投稿: 研太郎 | 2005.06.10 23:34

やほー、研太郎君、コメントありがとう!

勿論私の見方はずいぶんと穿った読み方と思うので、ぜひぜひ研太郎君も読んで感想をきかせてね。

>私は、危険性が非常に高い理由から
そう、本を人に贈るってすごく難しい。自分が気に入った本を人に贈るって、自分自身をさらけ出してるよなものだから、よっぽど気心の知れた人じゃないとね。

だからある程度相手の事を理解して、その上で自分が深く感銘を受けた本、面白かった本なんかをお薦めするのはありだと思う。いずれにせよ贈る相手は本好きであることが大前提だよね。活字読まない人に自分の思い入れだけで本をすすめてもねえ。

投稿: nya | 2005.06.11 08:02

はじめまして、ふと思いたって夏への扉の感想文を検索していてこちらに辿り着きました。
少々気になったものでコメントさせてください。
ダンが本当の幸福を手にするお相手がリッキィだから、本著において、「少女=純粋・善」「成熟した女性=俗物・悪」であるというのが作品の思想というのは、ダンがまだ少女時代のリッキィと愛を誓ったのならともかく、少々無理があるように思えます。
もしこの作品単体に、何がしかの、立場による人間の区分けがあったとするならば、それは「猫好きでない奴は下衆なんだ」というくらいのことではないでしょうか?

投稿: オオタカ | 2006.04.20 15:40

オオタカさん、コメントをありがとうございます。

オオタカさんの指摘されている「ダンが少女時代のリッキィと愛を誓ってはいない」というところがまさに私のひっかかったところです。

リッキィはダンに仄かな好意をよせている。しかしダンは勿論大人の男性であるために、そのカウンターパートであるところの大人の女性ベルと恋愛をしている。しかしその大人の女性に裏切られ、最終的にはリッキィの純な恋心を利用し(縋り?)、成人後にコールドスリープをさせることによって純な恋心を持った身体は大人のリッキィをまんまと手に入れる ... これってダンに都合よすぎじゃない?というふうに思ったわけです。

また、私はピートは大好きですが、猫飼いとしてはこのピートは猫というよりは犬の性質をもっているようにみえます。

投稿: nya | 2006.04.21 22:37

通りすがりで失礼します。私、まさに自分の彼女にこの作品を貸す(贈る)という「滑稽なふるまい」をしたばかりの男性でして…
nyaさんの「穿った読み方」、興味深く拝読しました。こういう感じ方もあるんですねえ。失礼ですが、ご自分の性を(過剰に?)意識した結果として、こうした感想が成立するのかなぁ、などと思いました。こうした点にまったく鈍感でいられるのは、私自身が日本社会で典型的に男性として育ったからでしょうか。「女性慣れしていない初心な男」だとは思いませんが…。
ただ、この一点のみについてはまったく同感です。
>>本を人に贈るってすごく難しい
ではでは。

投稿: 護民官ペトロニウス | 2006.08.18 01:21

ペトロニウスさん(ピートですね!)、コメントありがとうございます!

「天下の暴論」っぽいこの記事をお読みいただきまことにありがとうございます。自分の性を過剰に意識というのはご指摘の通りで、ジェンダーフリー論者としての自分に時折スイッチがはいってしまうんですね。お恥ずかしい限りです。

でもペトロニウスさんは、「本を人に贈るってすごく難しい」ということをちゃんとわかってらっしゃるので問題ないと思います。その上で贈られた「夏への扉」なら彼女も喜んでくれると思いますよ。私もなんだかんだ言ってこの物語が大好きです。山下達郎の「夏への扉」を口ずさみながらいつも読んでいます。

だからリッキー・ティッキー・ティビー、その日までお休み~♪


投稿: nya | 2006.08.19 04:48

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