「SHUFFLE - シャッフル - 」感想
ここ最近大王こと後藤ひろひとさんのお芝居が続いている。昨年末の「スプーキーハウス」。2月の「BIGGER BIZ」。そしてこの「シャッフル」。でもまだまだこれだけではない。7月には「姫が愛したダニ小僧」。そして10月には名作「ダブリンの鐘つきカビ人間」の再々演だ。う~ん、大王ってば働き者!まあ若いしね(容貌からは信じられないが)。
ところで今回あまり考えずチケットをとったら初日だったのだ。芝居の初日ってちょっとリスキー。ゲネプロ(本番前の通し稽古)はしてるだろうけど、スタッフも役者さんも慣れないため意外なアクシデントがあったりする。台詞のトチり、段取りの失敗。果ては舞台装置・照明・音楽なんかのトラブルね(記憶に残る最大のトラブルは、2002年夏の新感線公演のアテルイ初日。新橋演舞場の装置故障で幕間が1時間も伸びたことかな。もともと長い芝居だったから終演は11時すぎてて大変だったよ)。特にトリッキー大好きな大王のホン/演出だから、段取りとか大丈夫かなとちょっとどきどきしながら観劇したのだ。
結果としては、ちょっとした段取りミスとか台詞のトチリはあったけどぜんぜんOKだったよ。とくに役者!みんなうまいなあ。オキメグちゃんも伊原さんも。そして隠し玉石野真子ちゃんが良い!(ここはあえて真子ちゃんと呼ばせていただきたい。私たちと同年代のはずなのに何なのよあのアイドルっぷり!) 伊原さんは硬派俳優だと思っていたのに、軟派で軽いおちゃらけ演技がよく似合うし、長い手足でのアクションがとってもかっこいい。奥菜さんも結婚休暇のブランクを感じさせないはまりっぷりだ。伊原さんとならぶと身長差50cmくらいあって(公称だと155cmと185cmで30cm差なんだけど絶対もっとあるようにみえるよ)大人と子供っつーか別のイキモノみたい。でもそんな小柄なのにアクションがばっちりきまってコマネズミのように動き回ってもうキュートでしょうがない。博多弁もナイスに決まってる。ブザイク設定なのにブザイクにみえないのが難点かなあ。
今回のお芝居は昨年の「MID SUMMER CAROL」に続く大王の不思議病気シリーズ。伊原さん演じる腕利き刑事-だけど軟派でカードを切るように女の子をとっかえひっかえ誘惑するためについたあだ名はシャッフル-が、宝石泥棒団のヤマを追ううちに自業自得の事故で頭を強く打ってしまい原因不明の奇病にかかってしまう。それは記憶がシャッフルされる病気。目の前にいる人間が別の人間として認識されてしまうのだ。公演中なのであまり詳しく書けないけれど、シャッフルと他の人間は見えている世界がまったく違うわけ。たとえばAさんがいたとすると、病気のシャッフルはそれがBさんに見えて、でも他の人間にはAさんに見えている。大王はその世界をどのように舞台で表現するか。そして石野真子ちゃんの役どころは!? このあたりがキモ。そして段取りの妙。いやーうまいまい。大王は天才だ!そして自分もおいしいところを持って行くんだ(特に初登場時は満場の観客大爆笑で大拍手)。勿論難しいホンに答える役者さんの演技力あってこそのお話。特に女優陣が素晴らしいんだわ。
課題点がないわけではない。この芝居のキモになるべき上記の見せ方。話作りが大変なのはわかるけど後半部こそ効果的に使って欲しかった。とくにクライマックス・シーンはもっとサスペンス性を盛り上げて欲しかったのだ。あと梶野とシャッフルはもうちょっとクサレ縁だけどお互いを思いあっている親友同士に描いておかないとシャッフルの動機が弱くなっちゃうよ。
この項まだまだ更新します。他の登場人物評は随時追加します。
ところで、渋谷でお芝居見るときはいつも渋谷区役所前の地下駐車場に車を停めるんだけど、駐車場出口が渋谷公会堂前なわけ。そしたらすごい人で「ああ、今日はシブコウでコンサートなのね」と思ったんだ。集まってる若い女の子たちがゴスロリとか軍服とかでコスプレ状態。一体誰のコンサートよと帰宅後ネットで調べたらこの人たちでした。それでお芝居終わってラ・ボエムでご飯食べて十時半ごろ駐車場から車をだしたら地上出口にたくさんの出待ちの子が!夫が「そういや近くにとまってたバンにスタッフらしい人が楽器つんでたな」と...みんなご苦労様!
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