クドカンやばい
クドカンこと宮藤官九郎さんの手になる芝居をはじめてみたのは彼の所属劇団大人計画内ユニット「ウーマンリブ」の「キラークイーン666」だった。新感線の右近健一さんが客演しているからだったんだけどね。でも下ネタ満載のチープな喧騒に辟易したし、心に響くものはなにもなかったんだ。大人計画の役者としてのクドカンは好きなんだけど、脚本は合わないなとその後のウーマンリブはスルーしたし、TVドラマも同様だった。だからIWGPも木更津キャッツアイもリアルタイムでみていない。
あるときたまたまTVでやっていたIWGPの特別編「スープの回」をみてびっくりした。引き込まれたのだ。脚本の疾走感がすごいし言語感覚も自然なのに粋。なにより登場人物がかっこいい(森下愛子さんとケンさんがよかったよう)こりゃあ大変な逸材を見逃していたのかとIWGPと木更津キャッツアイのDVD-BOXを立て続けに見てすっかりハマってしまった。特に木更津キャッツアイに惚れ込んだ。登場人物の台詞が生きているし、ぶっさんは漢だし、モー子はかわいいし、オジーは深い。話の進行を円滑にするためにだけ存在するご都合キャラなんていない。どのキャラも愛情深く丁寧に描かれていて捨てキャラなし!ストーリーも緩急自在、全速力で走っていたと思ったらぱたりととまってしんとする。胸がいたくなるような切ないシーンの後におなかがよじれるくらいに大爆笑。クドカンすげえ、ひょろりとした愛嬌のあるにーちゃんルックスのどこにこんな素晴らしい才能が!(いやオトナの舞台の上ではほんとなんでもできるすごい才能の役者さんなんですが)
てなわけですっかりクドカンファンになってしまったのであった。だから昨年の春季日本テレビのドラマ「ぼくの魔法使い」がはじまると聞いてとても楽しみにしていた。なんせ篠原涼子ちゃんと古田新太さんこと古ちんの人格いれかわりドラマ!クドカンは天才役者古ちんをオジーに続いてどう使うのか!....すごかった。古ちんのるみたんは一生こころに残る名演だ...(そして井川遥になったときの古ちんも...すごかったよ)。あのテレビでみると小太りのブザイクオヤヂにしかみえない古田さんが、愛らしい若奥様にみえるんだこれがっ!彼が舞台上で作り出す場があのテレビ空間に再現されていたのに感動した。とにかくクドカンの描く女の子はヒロインだけでなくそのお友達やお母さん世代にいたるまでみな愛らしくかわいらしい。そんなクドカンワールドの女の子になってたよ古ちん!ほんとうに役者の使い方がうまいんだよな。ぼく魔法では井川遥(本人)も秀逸。見事に井川遥ちゃんであったしサダヲとのカップルっぷりもかわいかった。
基本的にクドカンのストーリーは人情噺、切ない恋ごころや大切な仲間との日々を丁寧に細やかにしかもあの疾走感あふれるクドカン節にのせて描いている。きっとこんな不思議でかわいいお話、彼にしかかけない。だから楽しみなんだ日本の伝統人情噺である落語に題をとった「タイガー&ドラゴン」。第一回芝浜も第二回饅頭怖いもよかった~。しかし登場人物みんな江戸時代ルック似合うなあ。ま、DVDは予約ってことでひとつ。
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コメント
はじめまして。TBさせていただいたのですが
2つついてしまいました。申し訳ないのですが、ひとつ削除していただけますか・・・。
猫背椿さん、不思議な魅力ですよね。大好きです。サダヲ好きでもあります。じつは私も「ぼくの魔法使い」大好きです。
投稿: myukat | 2005.05.02 00:36
myukatさん、コメントとTBありがとうございました!
「砂の上の植物群」に猫背さんでてらしたのですね。とても重い原作をどのように舞台化するか興味があったので、myukatさんの感想を読んでなるほどと思いました。大人計画の女優さんたちは猫背さんはじめとしてみなキュートでかわいくって大好きです。あ、もちろん男優さんたちもです。
これからもよろしくおねがいします!
投稿: nya | 2005.05.02 01:14