オタ嫁の宿命
尊敬する安野モヨコ先生の「監督不行届」を読んで思ったこと。
オタクな夫を持った嫁の行動にはテンプレートがあるのだろうか?いや、もちろん安野モヨコ先生は今をときめく売れっ子漫画家(「さくらん」が好きだっ)だし、御夫君の庵野監督も気鋭の映像作家にして天才アニメーター(習作「じょうぶなタイヤ」を学生時代にみたときの衝撃といったらもう..)なので、私たち夫婦如きとはクラスがまったくことなるのだけれど。 でも、ロンパース安野先生の行動は、まさに私が夫に対して行ったこととほぼ同じなのだ - いわゆるごくごく狭い世界にしか興味を示さない夫に、「ほらほら、世界にはこんなに楽しいことがたくさんあるよ。いっしょに遊ぼうよ」と呼びかけ連れまわす妻という構図。
- おいしいものを食べる
- 良い服を着せる。髪型を整える
- 夫婦でできるスポーツをする。ex,自転車
- 旅行に連れ出す
- 家を買う
しかし、この構図は「世間知らずの無垢なお嬢さん」を「金にものをいわせて」良いようにしようとする「成金オヤジ」そのものだよな...。夫は別にいやな顔をせず、妻の我侭に付き合うし、それなりに楽しんでもくれる。もともと好奇心の旺盛な知的ディレッタントなので新しい冒険に対しては偏見がない。しかし、彼には自分の趣味の世界があり、どんなにつついてもその世界は揺るがない。それに気づいた妻は夫を自分の世界にまるまる引き込むことはあきらめて、歩み寄る - かくしてふたりで山本正之なんか歌ったり、エヴァにはまったりする立派なオタ夫婦の完成となるのだ(トホホ)。
オタクな夫に惹かれるということは、そもそも自分だってオタクなのだ。夫も私も筋金入りのSF読みだしな。ただし、男性のオタクはごく狭い範囲を深く探求するのに対し、女性のオタクはあくまでも広く浅くのワンオブゼムなのだ(このあたり偏見なのでご容赦)。知的好奇心を満たしてくれるものは好きだけど、それだけじゃなくてもっと好きなものいっぱいある - よくばりなのかなあ。ストイックな夫と八方美人な妻 ... アレ?これってTypicalな日本人の夫婦なのかな?オタ夫婦といえども、そのくくりからは逃れられないということか - 。
しかし、庵野監督はもともとグッドルッキングでオタ女子界では絶大な人気を誇っていたが、結婚されてからますます素敵になってしまって羨ましい限りです。日産のCMに出演されている姿はまるで俳優さんのようで、長身眼鏡好きの私はため息をつくばかりだ。
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コメント
実は私のGFもオタです。もちろん私もオタです。
なんたって、最初のデートが「ハウル」鑑賞。
最近のデートは「ミュシャ展」。
そして、まさにnya先輩がだんなさまになさっていることが
私たちのあいだでも起こっています。
私はおいしいものを食べることも旅行も好きだけど
相手の方がだんぜん興味の幅が広いです。かけるお金の額もちがうし。
(実は、そのうち愛想つかされるんじゃないかと、ちょっと心配)
私の今までの思い出からすると
「オタクな男はオタクな女としかうまくいかない」ので
これからすると、オタク夫婦はとても安定した幸せを得られるように思いますね。
これからもおふたりがなかよくすごされますように。
投稿: 研太郎 | 2005.02.26 18:40
研太郎君、コメントありがとう!
研太郎君もお幸せそうでなによりです。別に相手の興味の幅が狭いからといって女の子は愛想をつかしたりしないから大丈夫。ふところ深くどーんと構えてさえいればオールOK。
ひとりよりふたりでいることで世界が広がって毎日新鮮な驚きにあえるような、そんな夫婦が良いと思っていますよ。
投稿: nya | 2005.02.27 21:47
「監督不行届」買って読みました。
監督、オタクというよりは度の越したダメ人間ではないですか。
あれに比べれば私の方が何百倍かましだ!と
オタク男もしくはオタク男と付き合う羽目となった
女性のための福音の書なのではないかという気すらしてきましたよ。
相変わらずGFとは連絡がとれませんが
この本を読んで自信がついた、ような気がします。
nya先輩のおっしゃるようにど~んと構えていくことにしませう。
ありがとうございました。
投稿: 研太郎 | 2005.02.28 23:14