最近読んだ本
このブログをはじめる時には、読書記録中心にしようと思っていたのにさっぱりなのは何故か。観劇記録と音楽CDは書くのになあ。やっぱり量の問題なのかしらん。せめて何を読んだかだけでも書いて、感想は後追いで書いておくこととしよう。てなわけで最近読んだ本。
日暮らし上・下 宮部みゆき いやあ私はこんな宮部みゆきが読みたかったんだ!と膝を打った。美少年探偵弓之助君(映像化するならやっぱ神木君?)とワトソン同心平四郎が前作「ぼんくら」で解決されなかった謎と因縁を解く。後味はすっきりとはしないんだけどそれが嫌じゃない。登場人物みんな好きだけどやっぱ得体の知れない湊屋がいちばんかな。人間データベースのおでこ(インデックスとしてもれなく弓之助がついてくるよ)ちゃんも愛しいキャラだ。
これを読むにあたって「ぼんくら」を読み直したのだが私はずっと最後の短編にでてくる女性をおふじだと思い込んでいた。ぜんぜん違うやん!
吉原御免状 隆 慶一郎 新感線の秋公演の原作というのではじめて手に取った。そしたらめちゃ面白いやんこれ!かっこいいよ誠さん!生まれが雅で鬼人のように強くて純情で良い男~! そうか髑髏城の無界屋はこの吉原にインスパイアされているのだなあ。 まつろわぬ民、徳川の出自、柳生御密の暗躍、そして華やかな吉原 - 歴史の大きな流れと傑出した自身の才能に翻弄されつつも人の細やかな情愛を忘れない誠さん(奥さんはロリ)が大好きだ。
隆慶一郎先生は、61才でこの作品でデビューして僅か5年の作家活動で亡くなってしまったのか...これはほんとうに惜しい才能だ。でも読んでて思ったのだけど、きっとめちゃめちゃ楽しんでお話を書いていたのだろうなあ。男は強くて純でえっち。女は美しくて強くて情が深い(「鬼麿斬人剣」のおりんちゃん、好きだあ!)。そして背後には- 趣味で長い間研究されていたのだろう -膨大なまつろわぬ民にたいする深い共感と愛情。
本業で(脚本家)功成り名を遂げ、リタイア後は好きな小説を書き、それがめちゃ面白いエンターテインメントで万人から評価される...なんて充実された人生を送られたのだろう。ただただ感心してしまった。
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コメント
隆 慶一郎ですか、私も大好きな作家です。
いちばん好きなのは「捨て童子松平忠輝」かな。
面白いですよ~~~!
今日、東京ドームでやっていたイタリアフェスティバルに行ってきました。
ベネチアンガラスって、綺麗なもんですねえ。
重いから、帰る間際に買おうと思っていたお目当てのワインと
パルマプロシュートが根こそぎ売り切れていたのには愕然。
でも、とても楽しかったです。
投稿: 研太郎 | 2005.01.23 00:21
研太郎くん、コメントありがとう!
隆先生面白いっすね。悲しいのはもう新作が読めないこと(;-;) だから既作を大事によまなくちゃね!次は「捨て童子松平忠輝」読んでみますよ~。
イタリアンフェスティバルには私も興味があったのですが、結局行く機会を失ってしまったのです。イタリアは気候も良いしごはんもお酒もおいしいし(車はアレだけど..でも乗ってるけど)大好きなんですよう。
投稿: nya | 2005.01.23 21:16