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2004年12月

終わる2004年

第九を聞きながら年越しそばを食べる。 - 絵に描いたようなnya家の年越しだ。 

今年は災害が多く、平穏とはいいがたい一年であった。私的にも、自分の未熟さを痛感することが多く、40年生きてきていったい何をやっとるんだ私は、不惑なんて嘘っぱちだあ!と叫ぶこと数回。寛容な夫やよき友人、同僚に恵まれなんとかかんとか1年を乗り切ったという感じだ。本当に私は周囲に恵まれている。みんなに感謝を。そして来年はもっと前向きに、もっと思慮深く生きたいなあと思う次第。

こんな拙いブログですが、多くの方に見ていただきありがとうございました。来年も淡々と続けていけたらと思っております。どうぞ良いお年を!

20041231<今年のおせちはラ・ベットラのイタリアン..つーかつまみだな。賞味期限が元日なのですでに今日から食べてるよ。>

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宴のあと

今日は大掃除。ばたばたとキッチンなどを掃除していると、居間を掃除している夫がなにか歌っている。

「ざざざざぶーん、どどどどど(フランシスコザビエルが海を渡ってくる音)... 今日も~押入れのおくで~こっそり賛美歌歌う~♪」

それは、山本正之の「私の彼は隠れキリシタン」ではないか。

私「それがお前のSHIROHの感想なのか?」 夫「っつーか総括」 私「それが全てなのか?」

夫「かみをしんじてしんじゃった~。紙よりかる~いこのいのち♪ ...他に何を言えと?」

すんませんすんません。オールスタンディングのカーテンコールでただひとり(たぶん)座ってたのはこいつです。(面白くなかったわけじゃなくて単に立つという習慣がない)「SHIROH」 HPの粟根さんデジカメ写真にもしっかり写ってるよ(とほほ)

感想をきけば「ふつーに面白かったよ」といってるけど、翌日こんな歌を歌ってることから鑑みても、彼の心になにがしか響くものはあったようだ。ほんと、滅多にこういうことはないんだよ。

20041230<ねこまる写真でお茶を濁す>

追記 : 夫に「ね~しげちゃんかっこよかったでしょ?」といったら「ああ、ありゃあ逸材だ。彼には是非呪寝美坐或丸(じゅねびざあるまる)をやってもらいたいね」だそうだ。じゃいあんとオカマかよ!(「踊れ!いんど屋敷」のキャラ。YOSHIKIのパロ?ゴスロリ美形なのだ!...たしかに似合うかも)。吉野さんファンの方、すみません。

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「SHIROH」千秋楽感想

いやあ、時間が経つのは早いな。12月7日から始まった「SHIROH」もついに本日帝劇の千秋楽だ。そして私は二度目の観劇。初日から日も浅い前回の観劇で既に十分な完成度を呈していた「SHIROH」が東京楽でどこまで化けているか楽しみに帝劇を訪れた。

前回は、あまりにも私好みの芝居に幻惑されろくな感想も抱けないままだった。今回は二回目だしもうすこし俯瞰的に舞台を見ようと思っていたのだが、ちょっと無理だった。何せ席が最前列センターという(FC歴長いけどこんな席来たのは初めてだ)舞台にのめりこめといわんばかりのこのお膳立て - しょうがない。冷静な観劇は来年の梅コマ(二階席なのだ)に持ち越すとして、今日は思いっきり舞台に浸ろうっと。

なあんて思ったら...やヴァイ。ふつーの新感線の千秋楽だ...。

豆知識。新感線公演の千秋楽はお祭りだ。みんなで歌を(「いい湯だな」だったり「ゴローにおまかせ」(初期のおぼんちシリーズ主題歌。作:山本正之!)だったり)を歌って踊ったりもちまきをしたり。そして何より板の上では役者同士がお互い落としあおう(芝居ができないくらい素で笑わしちゃうこと)としてたいへんだ。芝居がとまる~とはらはらしたことも一度や二度ではないよ。まあ、そんなちゃらけた千秋楽も新感線のエンターテインメントの一環!醍醐味なのだ。

それをまさか帝劇でやるなんてな。やっぱり前回はまだ劇団員・準劇団員があったまってなかったのか...千秋楽となればもう遠慮はない!板の上ではじゅんさんが暴れている~。素の台詞忘れちゃうくらいぐだぐだになって、なるしーや江守御大を台詞いえないくらい笑わせている~。何せ上川さんに「やっと新感線らしくなってきたな!」なんていわれてるし。しげちゃんも「猫にゃ~にゃ」で伊豆守に逆襲だ!じゅねさまものりのりだよ。「わしらはミュージカルを勉強しなおしにいってまいります。よろしければごいっしょに~」には爆笑した。

しかし....こんなふざけた舞台に芝居の神様は降りてこないよな..しゃあない、これはこれで千秋楽芝居を楽しんじゃおう、らっきーな最前列だしね。なーんて思ってたら、とんでもなかった。やっぱりこの舞台には神様が憑いているよ。ちゃらけた場のユルイ空気はすぐに、そこに立ち現われた熱狂の作品世界に呑まれていったのだ。

化けたよ - ほんとうになんて芝居なんだ「SHIROH」!この場に立ち会えた幸運を心から享受した。

脚本も、演出もダイナミックに変わったわけではない。なのにこのグルーブ感はなんだ。全ての役者のクオリティがあがって板の上により鮮やかな世界が築かれているのだ。

今回は中川シローは言うにおよばず上川四郎が神がかっていたよ。中川シローの歌唱力が芝居の根幹ならば、上川四郎は芝居そのものをその存在感と台詞(ニアリーイコール歌)でぐいぐいと引っ張っていく。彼の絶望、逡巡、決心、後悔、逃避、諦観、すべての心の動きが胸に響いた。

そしてリオの大塚ちひろちゃんも化けた!台詞なんてほとんどないのに、その表情、その仕草、そして歌。人間ではない象徴としての彼女が見事にそこにいた。

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スタバ責め

会社の近くにスターバックスがある。7時から空いているので、朝はラテのショートを買って出勤するのが習慣だ。

午後いちにお客様訪問のため、お昼に営業と待ち合わせした。お客様最寄のスタバで待ち合わせし、昼食をとりながら打ち合わせ。つい習慣でラテ(とクロックムッシュ)を頼む。

そして夕刻、都内某所で打ち合わせ。ちょっと早く着いてしまった私はつい目についたスタバにはいり、「あ~。今日はラテばっかり飲んでたよなあ。いい加減飽きちゃったよ。」と思いながらそこでもラテを飲んだ。

ラテ以外のものを頼めばよかったんじゃんと気がついたのは飲み終えたあとであった。

そんな間抜けな仕事納めの日。

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反抗期の頃の思い出

小さい頃からわりと学校の成績は良かった。20歳すぎればただの人の典型で、いまでは全くお笑い種だが。精神的に早熟で早くから読書に親しんでいたのがよかったのか。小学校の折に通わされた家の近所の塾のフレンドリーな雰囲気がイヤで、親に頼み込んで某有名進学教室の会員選抜試験を受験させてもらい、会員となって受験勉強のトレーニングを受けたのがよかったのか。

親からしてみれば手のかからない良い子であった。中学で全国模試3位という成績をとった折には、「本当に東大にいけるかと思った」といまでも語っている。なにそのころが知能のピークだっただけだ。それが挫折したのは高校2年のはじめに大病をしてからだ。長期入院しているうちにみるみる勉強が遅れ、胃を切っているから退院してもすぐには復帰できず無理がきかなくなった。都内の進学校に通っていたが、退院直後の定期試験ではじめて3桁の順位になったときには人生に絶望した。焦る子の気持ちも知らず成績の低下を嘆く親の振る舞いがひどく通俗的で凡庸に見え、自暴自棄になって反抗した。(といっても学校をさぼって日比谷の映画館で映画をみるくらいであったが...)
それまで優等生だったわが子の手のひらをかえしたごとくの変貌ぶりに慌てた親にカウンセラーのもとにつれていかれ、そこで親子ともども先生にこんこんと諭されてわれにかえったりもしたのだが。

まあそんなこんなで、落ちこぼれたまま大学受験を迎え、結局、第五志望くらいでなんとかひっかかった大学にすすんだのだが、そこで夫にであいやがて結婚の運びとなったのは不思議な縁だ。過日、私の両親とともに夫の実家に挨拶に行った。父曰く「いやあ、娘も高校までは成績が良かったんですが、落ちこぼれましてねえ、三流大学にしかはいれずお恥ずかしいことです」...夫と私は父言うところの三流大学の同級生だったわけだが...思わず額に青筋がたったが、夫の両親、夫ともにたいへん寛容だったので(いまにいたるまで寛容だ。とても感謝している)、特に波風はたたなかったが、実は私自身はいまでもちょっと根に持ってたりする。とーちゃんそりゃないよな。

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クリスマスの残滓

観劇とクリスマスのごちそうの食べすぎあんどシャンパンの飲みすぎでけだるいクリスマス明けの26日。夫はプレ大掃除とばかりにキッチンのガス台を磨いている(多分年末進行からの逃避だ)

私はといえば、クリスマス明けのお約束、ケーキの残りをあさご飯代わりに(イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのトランシュ・シャンプノワーズ - さっぱりとしたシャンパン・ムースとすっぱいフランボワーズの味わいが絶品!)つつきながら仕事をしているのだ。12/24(金)に関係者で仕事分担して、月曜日に資料をまとめて、火曜日に提出と..まるでクリスマスに対する挑戦のようなスケジュールだよ(;-;)

てなわけで居間のコタツでいじいじと仕事中。傍らではねこまるがくかーと寝ているよ(にくいー)

20041226<くかーと寝るねこまる>

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爆笑スリラー「スプーキーハウス」感想

そこは前の住人が謎の死を遂げた洋館、通称「赤の館」。無人のはずのその館に夜な夜な何かの気配。そこへ訪れるビデオ撮影のディレクターとカメラマン。一方、館に国際的組織の裏金があるという情報を聞いて忍び込む泥棒と詐欺師。それは惨劇の序曲だった....。

なんちゃってなんちゃって!

川下"Doc"大洋。後藤"大王"ひろひと。山内"僧正"圭哉。の才人ユニットに腹筋"電人"善之介、竹下"SAL"宏太郎の二人が加わった新生「Piper」の第五回"でも腹筋さんが走れメルスに出演してるのでとっぱなから四人かよ!”公演はなんとスリラー!

脚本・演出の大王は、「ガマ王子とザリガニ魔人」のように美しい悪夢のような素敵でおかしな寓話もよくものにする一方、ウェルメイドの軽くて洒落たお芝居も得意。今回も館のひと部屋で繰り広げられる一幕もの。館に無断で住む家族、神経質な隣人、何も知らないマスコミ関係者、泥棒、オカルト関係 - たくさんの思惑のあるひとたちの勘違い、すれ違いコメディ。もうベタでどたばたでドリフ(「志村、うしろうしろっ!」の世界ね)で楽しい楽しい。

で、その内容は大王みずからカーテンコールでおっしゃったように「あ~だめですだめですおうちに帰って家族に芝居の内容を教えようとしたって。あなたがた(=観客)にできるわけがありません」なので多くは語りません。その場限りの面白さ。仕事や日常の憂さをひととき(芝居が1時間30分と短いのも超Good!)の笑いで晴らすのだ。嬉しいな~。こんなお芝居が身近にあるなんてね。大王ありがとう!同じ時代、同じ場で大王のお芝居に出会えてほんとうによかったよ。これからもずっとみるからね!

キャラ的には篠原"悲鳴担当"ともえちゃんがほんとうによかったなあ。キュートでコンパクトでお歌がうまくて台詞まわしもまったく問題なし。もっともっと評価されていい女優さんだと思いましたよ。

あとは大好き!石丸"ほんとうに50才?"謙二郎さん。この人の身体能力の高さは、過日の「世界ウルルン滞在記」でも証明済みですが、今回もステキなダンスを披露してくださいました。これからもずっと板の上でみていたい役者さんです。

クリスマス特別カーテンコールはPiper面々によるすてきなお歌のプレゼント。僧正のギターと竹下さんのパーカッション、Docと大王の心に染み入る美しいコーラス。この溢れんばかりの才能!心豊かな思いでクリスマスの家路につきましたよ。


20041225
<会場限定販売のトレーディングカード....誰かーともえちゃん・楠見さんのダブりを大王・Docと交換してー!>

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クリスマス・カロル

20041223Bディケンズのクリスマス・カロルが好きだ。おおきな七面鳥やクリスマス・プティング、鵞鳥、焼いた栗、林檎、糖蜜のかかったケーキ。家族が集う幸せな食卓。教訓的なお話と魅力的な登場人物。そしてお約束なハッピーエンド。クリスマスに再読するにはもってこいの物語。てなわけでうちにある新潮文庫版は1973年版だ。30年以上毎年くりかえし読んでるの。

幼い頃、あれを読んで、英国のクリスマスにとてもとても憧れた。まあ長じて実際に体験するに及んであのごちそうがそんなにおいしいものじゃないことはわかったけどね。七面鳥のソースは甘すぎるし、牛脂を練りこんだクリスマス・プティングはぞっとしない代物だった。でも、ディケンズの描き出す豊穣のクリスマスの食卓はいまでも私の心に燦然と輝いている。ディケンズって本当においしそうにごはんを描くんだよなあ。

はじめて出張で訪れた英国はクリスマス・シーズンだった。前述したが暗く寒く侘しい。しかしロンドンのリージェント・ストリートにはクリスマスのイルミネーションが美しく灯り、グロッサリーの店先には丸いクリスマス・プティングがたくさんディスプレイされている。私は「ああ、ディケンズの国にいるのだなあ」と思ったよ。

話はかわるが、ずーっと昔、ラスベガスで開かれたコンピュータのコンベンション「COMDEX」に参加した折に、ビル・ゲイツの講演を聞いた。その折りにみせられたフィルムによるスキットで、確か一度クリスマス・カロルのパロティがあったと思ったんだよなあ。現在のビル・ゲイツを幽霊のスティーブ・バルマーが訪ねてきて、過去のビル、現在のビル、未来のビルを見せるという....でも詳細は忘れたし、今となってはあったかどうかも定かでないのだ~。

写真は玄関先に飾ったクリスマスアレンジ。クリスマスカラーのタオルをあしらってみた。

20041223A
<カップボードの上はエアコンの温風がいちばんあたるところ。冬のねこまるの特等席>

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無粋な私

年度末の追い込みで、営業部長発信のデイリーメールもだんだん鬼気迫るものになってきた。私は8時頃出社するが、マネジメントもだいたいそのころ出勤してくる。もれ聞こえてくる日本語や英語の会話も切羽詰っている。間の悪いことに、この時期海の向こうはクリスマス休暇だ。しかし、時には彼らとの連絡が必要な場合がある。契約における上位の決裁が必要な場合、本社の担当者の自宅や携帯に電話して捕まえるのだ。(本社は米国東海岸なので時差は13時間。でもこの時期は時差おかまいなし) 全く欧米もFiscal year endの直前に長期休暇なんかいれないで欲しいよ(宗教だから仕方がないんですが)。かててくわえて日本では天皇誕生日がワークデイを減らしている。「なんでこの時期に生まれたんだよ~」と何の咎もない今上天皇をそこはかとなく恨んだりもする年末だ。

さて、うちの営業さん、SEさんはみな仕事熱心だ。夜討ち朝駆けで働いている。そんな彼等も私生活は独身を謳歌する若者だったり、家族を愛する優しい親だったりするわけで -

今週中に会議を召集する必要があり、主催の私はスケジュール調整をしていた。急だし期末だしで、皆のスケジュールがなかなかあわない。今日は出張の人がいるし、24日は15時以降ならOKだけど、私自身が18時まで空かないのだ。営業部では夜の会議は珍しくない。よし、24日の18時からにしようっと。私は参加者にメールを送った。「...会議は12月24日(金) 18:00 - 20:00とさせていただきます。」 するとすかさず参加者のひとりから電話があった。「24日夜はさすがにまずいんじゃないでしょうか?」「えっ、なんで?」私は唖然とした。本当にわからなかったのだ。「イブっすよ!クリスマスイブ!」 ああ、ぽんと手を打つ私。ミーティングは出張者は電話参加にして本日にスケジュールし、参加者の24日夜のプライベートは確保されたのであった。

クリスマス・イブかあ。 そんなイベントもあったわねえ(遠い目)。あやうく無粋な真似をするところであった。あぶにゃいあぶにゃい。

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Nyaも走る師走

年の瀬だ。つい最近書いたような気もするが。12月も下旬に突入し、やっと実感がでてきたぞ。年賀状も買ったし。図案はねこまるのにわとりコスプレを夫に発注済(アレも年末進行で頭が沸いているようだが)

だいたい、あと6労働日じゃん。10労働日前ごろから営業さんと残日数を指折り数えてはため息をついている。外資系のうちの会社はまさにいまが年度末。営業も契約書をもってお客様に最後のお願いだ。製品の在庫や発注締め日に注意し、取引先との連絡を密にして、契約の取りこぼしのないようにみんな頑張っている。営業部長からは、目標まであとXX円!の頑張れメールが連日届く状態。みんな殺気立っている。そんな傍ら来年の仕込にも余念がない。年明け早々には第一四半期の売上見込みを求められちゃうからね。まさに終わりのみえない殺人レース。私も去年までは営業だったので気持ちはよくわかる。期末が近づくたびに、連日香港やらオーストラリアやらのボスから電話がかかってきて売上のレポートあーんど売上アップのプランを求められたときには本当に血を吐くかと思ったよ。

今年は、テクニカル・セールスとして技術的な販売支援を行っているため正確にはSEなのだが、サラリーは売上で決まるわけだから意識としては営業だ。会社勤めってたいへんだよな。ふー。(とじっと手をみる)

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犯人はおまえだ

20041219喘息の治療にあたって受けた
アレルゲン検査の結果がかえってきた。

ねこまる~!(「ネコ ヒクズ」のヒクズは皮屑の意)

まあ、数値が1は軽い反応で、3を超えたらアレルゲン認定だそうだが。

20041219B
<反省のないねこまる>

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セキュリティ所感

さて仕事の話だ。私はいつもノートパソコンを持ち歩いている。お客様との打ち合わせの際には、プレゼンピッチを表示したり、デモをしたり便利に使っている。まあ基本的には議事録をとるのにつかう。お客様と会話しながらぱちぱちと打ち込んで、打ち合わせ後、すぐにメールで議事録として関係者に送るのだ。

本日はじめて会うお客様。名刺交換のあといつものように鞄からノートパソコンをだしたのだ。するとお客様が俄かに厳しい表情で私を咎めた。「申し訳ありませんが、弊社に登録された以外のパソコンをいっさい持ち込むことはならないのです」 通常は、入り口のセキュリティルームで預かるのだというが、電源をいれないという条件でそれは容赦していただいた。お客様はコンシューマーの個人情報を多く取り扱う。したがってセキュリティのコンプライアンスには非常に配慮されているのだ。許可されていないパソコンを社内ネットワークに接続することを禁止しているお客様は多いが、物理的に排除されているお客様ははじめてだ。「たいへんなご慧眼です」私は頭をさげた。

個人情報保護法が成立し、2005年4月の施行を控えて、多くの会社でセキュリティ遵守に対する意識が高まっている。私の仕事にも大いに関係するため、お客様から社内でのセキュリティポリシー策定に関する助言を求められることもある。その際にまずお話すること。それは機密情報の漏洩というのは必ず社内から物理的に(わりと)間抜けな理由で起こるということだ。サイバー犯罪云々が語られてはいる。たとえばクロススクリプティングやクッキー盗聴など、いわゆるセキュリティホールを狙った情報盗難には大いに警戒しなければいけないのだが、それよりなによりセキュリティ・ハザードの最たる要因は未必の故意による人災であることを理解する必要がある。(そこから漏洩した情報を悪用するのは立派な故意で犯罪だが) そういった被害を最小にする方策を講じ、万一機密情報が悪意の第三者の手に渡っても、容易にアクセスできないようなセキュリティ・ポリシーをつくるべきなのだ。

そういうわけで、社内ネットワークに接続するのは登録済のコンピュータのみで、それ以外は一切持ち込まないというのは、プリミティブだが効果の高いセキュリティ対策なのだ。

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V6の森田さんってどんな方なんでしょう?

すみません。決して揶揄するつもりはなく本当に知らないんです。SMAPやTOKIOは知っているのですが、V6となると年寄りにはとんと..。きっと格好よくて素敵な人であろうことはわかります!

V6森田が初舞台挑戦

SHINKANSEN☆NEXUS『荒神~AraJinn~』記者会見

ジャニーズ事務所の方ならお歌もダンスも舞台での所作も基本ができているし、スター性も十分だからきっと華やかな舞台になることだろう。ほぼ劇団員のアツヒロさんは言うにおよばず、「スサノオ」の松岡さん、生田さんはとても見事だったし。華やかなジャニーズと派手好きの新感線はとても相性が良いと思うのだ!でもちょっと不満があって、DVDにならないの..(;-;)「スサノオ」欲しかったのに!チケットをとれなかったファンのためにせめてテレビで一度でも放送していただきたい(力説)。あとチケット取りが大変だなあ。10代20代のお嬢さん方と競わなければならないかと思うと..(ため息)

あと嬉しいのは若い人向けの芸能雑誌に、お稽古風景がのることかな。スサノオのときもいっぱい買ったよ。じゅんさん、粟根さんはじめ劇団員の方々をあの手の華やかな雑誌でみることができるのはなんとなく嬉しいのだ。

どんな舞台になるのかなあ。元気で明るくて楽しい舞台がいいな(ほらいまの「SHIROH」が重いしね)。楽しみ楽しみ。

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知らぬ間に移転

ちっとも気がつかなかったのだ。電話もかわっていなかったし、数日前、席の予約をいれたときも場所を確認するなんてことはしなかった。だってもう10年以上も通ってるレストランなんだもん。

土曜日の夕方、「SHIROH」マチネ観劇後、友人と夕食をとるため日比谷から京橋までそぞろ歩いて、INAXのビルの前、いつものレストランのある場所に来て愕然とした。店の灯りは暗く小さな扉には貼り紙。

「い、移転?!」 そんなあ、この場所にあるこじんまりとした店が好きだったのに!貼り紙を読んだ友人は言った。「あ、でもすぐそこだよ」 そう、そこに書かれた地図を良くみると移転先は僅かワンブロック離れたところ。ほどなく店はみつかった。真新しいビルの一階。新しい「シェ・イノ」だ。

席について開口一番!「いつ移転したんですか?」
店員さんはいった。「11月26日です。25日までは前のビルで営業して一晩で移転したんですよ」

シェ・イノは有名なフランス料理店。オーナーの井上氏はマスコミにもよく登場するスター・シェフ。その華やかなシェフの名前を冠するレストランは意外にもこじんまりとしてカジュアルな、敷居の高さを感じさせない店なのだ。そしてなにより料理がおいしい。新鮮な素材を際立たせる魔法のようなソースが特徴。バブルの頃にさまざまなフレンチの名店を試し、結局ここに落ち着いた。フレンチが食べたければもっぱらシェ・イノになってしまって長いのだ。まあ、お財布と肝臓のためにせいぜい半年に一度..なのが庶民の悲しいところであるが。

お店はだいぶ広々となり、調度も新しくなったが不思議と店内のかもし出す雰囲気はかわらない。格子の天井、ステンドグラス。そんな話を支配人の方にしたら「移転する際にもっとも気を使ったのは、お店の持つ雰囲気を変えないこということでした」とのこと。「カジュアルで気の置けないレストラン」を心がけているとも。なるほど。それが私がシェ・イノを気に入っている理由なのだ。そして移転した後もそれを守ってくれる限りまた通うだろう。

ところでシェ・イノの私のお気に入りの料理は「オマールと季節野菜のガトー仕立て」「羊のパイ包み焼き“マリア・カラス”」どちらもシェフの手になる定番メニュー。マリア・カラスはフォアグラを子羊の肉で巻き、パイに包んで焼いたもの。ソースはマデラ風味。しっとりしたパイ皮に包まれほどよく火の通った柔らかい子羊肉の中心にはトロっとしたフォアグラ。味覚、触覚、嗅覚、視覚、五感すべてに心地よい一皿だ。私はこの料理に出遭って以来、羊がもっとも好きな肉になった(次点は鴨♪)

ここのソムリエにはたくさんのおいしいワインを教わった。(いつもラベルをくれるのだ!)。自宅にワイン・セラーを供え、プリムールでおさえるまでになったのもその薫陶のおかげだ。

移転後の住所は、中央区京橋2-4-16 明治製菓本社ビル1F(電話は同じ)


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「新撰組!」終了

小劇場系劇団の観劇が趣味の人間にとって今年の大河は天国だった。お馴染み・ご贔屓の役者さんたちがゴールデンタイムのNHK大河の画面をぞくぞくと彩ったのだ。主要どころでは三谷サンシャイン組の小林隆さん、相島一之さん。山南さんで巷を席巻した東京オレンジの堺雅人さん。ナイロン三宅アニキに大倉さん、カムカムの八嶋さん、重鎮の野田秀樹さんに白井晃さん。マニアックなところでは、元惑星ピスタチオの保村大和さんまででてきて唖然としたのだ。新感線からは、第4話のみだけどとても印象的な役で橋本じゅんさんもでていたし。この1年は祝祭のようだったよ。

そしていよいよ終盤になって登場したのだ。新政府軍に捕われた近藤に心情的に味方する義に厚い薩摩の藩士、有馬藤太役で我らが古田新太さんが!この起用に関しては三谷さん自らNHKのサイトで思い入れを語ってらっしゃる。そうか古田さんをかつぎだしたのは、実力派の小劇場役者を起用するというキャスティングのテーマを完結させるためだったのね。すごいじゃん古ちん!そして三谷さんの思惑通り、古田さんはとても格好よく有馬を演じたのでありました。

ミーハーな私がもっとも嬉しかったのは、本日の最終回で古田さんとともに大好きな粟根まことさんも出演されたこと!古田さんとちがって粟根さんはめったにテレビにでない(最近では数年前のNHKの朝の連続ドラマに1回だけ出演されたくらいかな?)ので嬉しいこと嬉しいこと。古田さんと同じく薩摩の藩士なのだけどこちらは近藤を断罪する役で、その特徴であるところの殺し屋のような目つきを存分に発揮されておられました、ちなみに上記のページの右上写真が古田さんと粟根さんのツーショットだ)

てなわけでいろいろ嬉しかったけどやっぱり哀しい最終回。末期に近藤が土方の名をつぶやくところでぐっときた。楽しい1年だったなあ。終わっちゃって寂しいよ。

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「SHIROH」感想

どうしよう。傑作に出遭ってしまった。舞台からものすごい力がうねりをあげて襲ってくる。なすすべもなく翻弄される。ともに疾り、叫び、歌う。天高く持ち上げられて奈落に落とされる。 - そして残るのは深い寂寞感、生き抜くことへの歓喜。ひとがひとで在る限り繰り返し紡がれる物語の無常と希望。

すごいものを観てしまった。「SHIROH」に完敗だ。いのうえさんとかずきさん、そしてもちろん音楽担当のつかささんにも最大の賛辞を。すばらしい舞台をありがとう。

今回はまた、衣装の団吾さんも素晴らしい! アカ・アオと実はちょっと衣装にフラストしていたが、今回はそれを払拭する素晴らしい造作。ごーじゃすでせくしーでロック魂、これぞ新感線!小道具のインディさんともども素晴らしい仕事だ。(すばらしい団吾さんの衣装の一端はこちらに)

例によってこの項思いっきりネタバレしていますので、SHIROH観劇予定の方は読まぬが吉でございます~。

口上

春の「アカ」、秋の「アオ」に続く新感線のトリコロール三部作(ってなんだよ?!)の締め、冬の「SHIROH(シロ)」の開幕である。旗揚げ24年にして帝劇進出で劇団としてはいわゆる「あがり」状態(私としては歌舞伎座に髑髏城の演目がかかることをもってあがりとしたいのだが)。「新感線初のミュージカル、しかも完全オリジナルを翻訳ミュージカルの殿堂である帝劇にかけるなんて何かの冗談じゃないか」とか「いやいや史実を題材とした歴史劇という範疇では『アテルイ』という傑作をものにしたいのうえ中島コンビがミュージカルでもきっとかましてくれるにちがいない」と期待と不安で迎えたマイ初日。

攫われた。3時間30分、物語に、役者に、音楽に、そして舞台そのものに酔った。ラストシーン、二人のSHIROHと寿庵が舞台の奥に消えてようやく自身に立ち戻ったのだ。

これこそ舞台だ。演劇の神がそこに降臨している。

OVERTURE

それは江戸時代初期、豊臣との合戦の記憶も薄れず人心も未だ揺れ動いていた三代将軍家光の頃。舞台は江戸から遥か離れた九州、島原。 領主松倉勝家(右近健一)に課せられた重税とキリスト教弾圧に喘ぐ民衆は、信仰を棄てず、救い主の光臨と救済を祈っていた。彼らの扇動を目論むキリシタン牢人益田甚兵衛(植本潤)は、息子益田四郎時貞(上川隆也)こそが、奇跡の力を持って生まれた救い主であると説き、領主に反旗を翻す時を狙っていた。四郎は剣の腕が立ち、聡明で心やさしい青年であったが、それがゆえに自身が救い主であるはずがないと苦悩する。確かに彼は人を癒す奇跡の力を持っていたが、ある事件をきっかけにそれが失われていたのだ。苦悩する彼を断罪するようにあらわれる幻の少女リオ(大塚ちひろ)は何を訴えているのか - 。
 
一方、もうひとりのシロー(中川晃教)は、天草の廃船に住む異人との混血の少年であった。同じ境遇の少年ゼンザ(泉見洋平)や少女マツ(山本カナコ)たちと暮らし、いつかその船を修理して日本を脱出することを夢見ていた。彼らを取り締まろうとする役人三宅蔵人(粟根まこと)とその部下を、シローの歌の力で操り追い返す光景を目の当たりにした絵双紙屋のお蜜(秋山菜津子)は、なぜその力を弾圧される民衆のために使わないのかと説く。お蜜に心動かされるシロー。

だが彼女は老中・松平伊豆守信綱(江守徹)の腹心のくのいち。信綱はシローの力を使って島原に民衆の反乱を起こし、それを完膚なきまでに鎮圧することで諸国の反乱の芽を封じ、幕府の御世を磐石のものにしようと目論んでいたのだ。

四郎は、民衆の信頼の厚い影の実力者山田寿庵(高橋由美子)の支援をとりつけるために彼女の支配する闇市に赴き、彼にしか見えないはずのリオの見えるシローと出遭う。それは37,000人の民衆が大虐殺された島原の悲劇への序曲であった。

本文

まず開演前、劇場に入って舞台をみて驚いた。平成の浮世絵師、山本タカトさんの手になる二人のSHIROHの巨大なイラストが舞台の両端に配置され、中央の緞帳には幻の少女リオが描かれている。そして舞台を埋める大小のモニターには現代の東京の街頭を行きかう人々が映し出されている。セットは2階建てで、1階の奥がつかささんたちのバンドスペースという「踊る!いんど屋敷」を髣髴とさせる装置。ということは義太夫さん(注)たちも舞台に参加するのかしらわくわく!<-参加しました!

(注 : かつて「いんど屋敷」や「天保12年のシェイクスピア」など、ミュージカル風時代劇では、新感線の座付音楽監督岡崎司さん率いるバンドが生演奏で衣装をつけて舞台に参加した。バンドは「義太夫さん」と呼ばれ、時に役者として演技もする。つかささんはとてもハンサムなので目の保養になるし、なによりギターを弾く姿が格好良いのだ!)

期待でいやがおうにも盛り上がる気分。程なく帝劇になりひびく「Defenders of the faith」と新幹線の発車ベル。そして幕があく。それはすべてが終わった世界。あの島原で何があったのか - 問いただすのはくのいちお蜜の妹、お紅(高田聖子)。それに答えるのは、ただひとり残された山田寿庵。モニターには未だ現代の雑踏が映る。歌が始まる。失われた2人のSHIROHの物語がはじまるのだ。

ところでちょっと脱線

世界で絶え間なく起こる争い。テロという無差別の殺戮、そして貧困。戦火に家を焼かれ、飢餓に疲弊し、命を落とす何千万人もの人々 - なぜ人類は全き平和を生きることができないのか?万物の霊長としてこの地球に君臨し、文明を得て数千年。なぜ争うことをやめないのだろう?

どんなに高い技術を得ても私たちはその力をまず争うことに利用する。鉄も蒸気も - コンピュータも通信も例外ではない。ひとは争いに勝つためにさまざまな手段を編み出し、その結果得たものをつかの間の繁栄に還元するのだ。何故か? -それが人類だからだ。この宇宙は予め終息への道が約束されている。その理に沿って争い滅ぼしあうことは宇宙にある生命の本質であり、人類は割と初期にその本質に気づいているがやめない。それは人類の原罪なのだ。

生まれ争い勝ち残り繁栄し消費し衰退する。それが私たちの本質ならば、課せられた短期の課題は「 勝つ」ことだ。それは良心や同情とは別の次元の人類の「仕事」なのだ。

脱線終わり

(↑)そんなことを日頃とりとめもなく考えていたものだから、伊豆守の「俺は何も信じない。ただ『仕事』をするだけさ」という台詞に深く共感した。そう、彼にとってはシローもお蜜も板倉重政(吉野圭吾<-しげちゃんラブ)も島原37,000の民衆も幕府の御世を磐石にするという仕事のための駒なのだ。手持ちの駒を冷静に評価し、もっとも効果的に配置するというのは仕事の基本だ。正義でもなく悪でもなく、ただ課せられた仕事を冷静に遂行する伊豆守に、登場人物の中でもっとも共感がもてたというのも皮肉な話だが。

また、江守さんがこの単純悪では括れない懐の深い役をよく演じているのだ。歌はまあアレですが。くのいちお蜜やお紅を娘のように愛する一方で冷徹に板倉を捨て駒にする - その清濁併せ呑む存在感はさすがに演劇界の重鎮だ。

かずきさんの脚本の特徴に「二面性」があることはアカドクロの観劇感想でも書いた。この「SHIROH」の粗筋を読んだときも、そのバリエーションと思った。神の声をもつ少年「シロー」と民衆を率いて戦う「四郎」二人のカリスマの葛藤と戦いがメインテーマになるのであろうと。しかしそれは厳密な意味でいえば違っていた。

どちらかといえばこの話の原型は、2003年の再演「花の紅天狗」で永遠のライバル茜(高橋由美子)とカケル(森奈みはる←グッジョブ!)が演じた劇中劇「ヴォルフガングとアマデウス」だ。それはもちろん新感線のなんちゃってミュージカル。シローの中川くんと由美子ちゃんも出演したミュージカル「モーツァルト!」のパロティなのだ。この劇中劇、新感線おぽんちの余興とは思えない高クオリティで絶賛された(特に曲!つかささんの換骨奪胎っぷりはすごいよ!)

音楽の神に愛された二人の天才、アマデウスとヴォルフガング。平和を愛する心優しい青年アマデウスは貴族のための音楽をつくり、ヴォルフガングは虐げられた民衆を扇動する音楽をつくる。二人は出会い、惹かれあい、立場の違いに葛藤する。やがてヴォルフガングは革命を目論むロベスピエール(池田成志。衣装はエリザベートのトート殿下)に操られていたことに気づく。革命のための殉死を説くロベスピエールを道連れにヴォルフガングは死を選ぶ。魂の双子の死を悼みアマデウスは「レクイエム」を作るのであった(完)

誠実な青年と奔放な天然児はともに同じ神の力を持ち、深く理解しあい、互いの立場の差に戸惑う。彼らの力を操る為政者。そして訪れる殉教の悲劇。いま思えばこの寸劇はプレ「SHIROH」であった。

二人の「SHIROH」に対立はない。四郎はただただ己の罪の意識に耽溺し、シローはお蜜に唆されて民衆を扇動する。四郎は自分に失われた奇跡の力を操り民衆どころか父や寿庵までも心酔させるシローを羨みもするがその叫びは弱い。私は「ユダとキリスト」「サリエリとモーツァルト」のような「選ばれたもの」と「選ばれなかったもの」の激しい対立を予測していたので、穏やかにすら見える二人の関係に正直肩透かしを食った思いであった。

その対立の弱さは意図したものなのか、それとも脚本の甘さによるものなのかは不明だ。もっと二人の差異を強調し、対立させ、その混沌のままに終局になだれこめば、メリハリのきいたより印象的な舞台となったかもしれない。だが私には民衆の救済という大義の下、それぞれの思惑で緩やかに手をとりあい、破滅に向かって邁進する彼らの姿が、モニターに映し出される今日の世界情勢と相まって、非常にリアルに感じたのだ。

舞台の上の世界の縮図は全てを飲み込んで終局にむかう。終局はカタルシスではない。殉教を覚悟して、ひとりまたひとりと崩れ落ちる民衆の姿は痛ましく美しい。しかしモニターに映し出されるのは同時多発テロの図だ。殉教と自爆テロが同じものであることを私たちは知っている。何が正義で何が真実か - 歴史のどこにもそんな定義は存在しない、ただ人はそのように行動したという事実があるだけなのだ。

やがてラストシーン。静謐な光の十字架。静かに消えていくたくさんのひとびと。リオと二人のSHIROH。生きて世界を見届けることを託された寿庵は伊豆守に問う。あなたがたはここにどんな国をつくるのか - はらいそか - それとも いんへるのかと。いつも残された(=勝った)ものの課題は同じ、即ち次も勝つことだ。終末に至るまで勝ち続ける - そこには平和など望むべくもない - これこそいんへるのでなくてなんであろうか。

「SHIROH」は、新感線の芝居としては異色だ。楽屋落ちもしょーもないギャグも少ないし(少ないんですよ~>新感線初見の方)、すっぱり勧善懲悪でもない。アテルイでは象徴的に留めた世界情勢への関わりを明示的にしている。しかし、歴史の大きな流れを、飲み込まれるひとびとの無常を、残されたものの哀惜を語る - これもまた確かに新感線なのだ。私の大好きな。(as of 12/19)

キャラ寸評(敬称略)

中川晃教:初アッキーなのでキャンディードのビデオで予習して行ったのですが、生アッキーにやられました。彼の歌の力あってこその「SHIROH」ですね。ルックスはまるで少年だなあと思ったら本当に若いんだね...末恐ろしい。
上川隆也:天保に続いて二度目。歌の評判がよろしくないんだけどミュージカル耳をもっていない私には十分に説得力のある歌に聞こえましたよ。苦悩する青年が本当に似合うなあ。
江守徹:好きだ知恵伊豆!あの役は粋も甘いもかみ分けた大人の男にしかできないでしょ。しかも頭のいい。ジャイアンボイスも私には愛嬌に感じられました。
吉野圭吾:しげちゃんラブ!!新感線MEETS吉野さん。今回の一番の収穫かも。かっこいいしはじけてるし絵はうまいし(犬好き)お歌もダンスも申し分ないし...おポンチでてください~(;-;)
秋山菜津子:秋山さんはナイロンや大人計画の舞台で何度か見ているのだけれど、失礼ながらあまり印象には残っていなかった。なのに今回はきた!まごうことなきこの舞台の中核!狡猾で艶っぽい、でも純で可愛い大人の女。アテルイの西牟田さんが場を攫ったことを彷彿とさせました。大好きです。
杏子:全編通して歌での進行役。おいしい役のはずなのだけど何故か存在感が薄いの。お歌は十分うまいし演技も申し分ないのだけど、多分他の役者さんに比べてほんのちょっとだけオーラが足りないんだと思うんだ。がんばれー。
大塚ちひろ:シンストではおちゃめなシンデレラ。今回はいわばアヤナミ(EVAかよ!)。姿勢的に難しい役なのに良くがんばったです。新感線公演にもでてほしいな。
泉見洋平:あのー私二ヶ月前に「ミス・サイゴン」見に行ってるんですが、ほんとにこの可愛い少年はあのトゥイとおなじ人なんですか?顔ちがうやん!透明な歌声は多分私の一番好みの声。

[準劇団員編]
高橋由美子:ラスト上川四郎との体格差にぐっときました。あんなに小さいのにピンで立つと大きくみえるもんなあ。姐さん立派だ!次に「いんど屋敷」をやるときは天草の三姉妹(長女)をやって欲しいなとなんとなく思った。
植本潤:老若男女なんでもできるじゅねさまは、胸に一物あるお父さん役。「この人アテルイの紀布留部をやったんだよ。あと紅天狗初演ではカケル(女の子にしかみえなかった..再演では森奈みはる)」と同行の友人にいっても信じてもらえないほどの老人っぷり。
池田成志:この善悪微妙な物語の中にあって気持ちよいくらいの悪役ぶり。お歌をもうちょっと聴きたかったなあ。ああばってん不知火丸~。

[劇団員編]
高田聖子:妹キャラ、娘キャラの聖子さんなんてひさびさ。まだまだ若キャラいけるよ!衣装もばっちりきまって素敵でした!
橋本じゅん:う~ん。いつものじゅんさんおばかなキャラなんだけどファンとしては複雑なところ。脚本通りの十兵衛の最期ならすごく「SHIROH」も締まると思うのだー。聖子さんともっと絡んでほしかった
粟根まこと:なるしーと組んだワルモノキャラを楽しそうに演じてます!衣装もダンスもステキ。でも粟根さんが帝劇の舞台で歌うのはやっぱ間違いのような気もするな(「ミス・サイゴン」でさとしさんに感動したのが二ヶ月前なんだよなあ..)

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若い頃は好きだった

「千と千尋の神隠し」は映画館でみた最後の宮崎アニメだ。 - そして私は宮崎アニメに訣別したわけで。

今日テレビで放映されていたので、テレビをニ画面にして音はBS2の「生放送!シンガーソングライター・不滅の名曲集」を流していた。細野ハリーと矢野あっこちゃんの「恋は桃色」に滂沱の涙を流して夫にあきれられたりもしていた。

湯屋のシーンとかものすごいイマジネーションだが如何せん散文的に過ぎてなにも心に残らない。砂を噛むような思いで映画館を出たことだけが思い出される。ただ、もう宮さんに物語を紡ぐ力はないのだということだけがわかった。
そんなことを夫に話すと、宮崎アニメはもともと記号の羅列でそこから物語を喚起していたのは受け手の方なのだと言われた。なるほど、そして近年の作品では物語を喚起させる力が失われたため、ただの散文的な場面の羅列にしかみえなくなっているのかと得心した。しかし - と夫は言う。それはもしかして受ける私たちが年をとって物語を喚起する力をなくしてしまったのが原因かもしれないよと。長年宮崎アニメを見ていて(何しろ「太陽の王子ホルス」をリアルタイムで見た世代だ)新鮮な驚きを失い、そこから物語を紡ぎだすことを放棄してしまっているのだと。

なにしろこれは「アカデミー賞」作品なのだ。ひろく人々に評価され受け入れられている。受け入れられない自身を哀しいと思うけれど。

そんな私の宮さんマイベストは漫画版「ナウシカ」だったりする。ものすごく悲観的で暗い話だけれど、それでも人は人として生き続けるのだというパワーにあふれているから。まあアニメは「On Your Mark」があればいいや。別にチャゲアスのファンじゃないんですが(いやもちろんホルスとか長猫とかルパンとかパンコパは好きですが)

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家庭内無線LANの罠

自宅では無線LANを使用している。夫のデスクトップと東芝のRD-XS43が有線、私のノートパソコンとプリンタが無線LANでルータに接続されているのだ。プリンタは書斎に置いてある。さきほど仕事でちょっとした文書を居間からプリントアウトしていた。

そしたらまず紙が無くなった。書斎に行って紙をセットして居間に戻ったら、「プリンタのリセットボタンを押してください」のダイアログが!もう一度書斎に戻ってリセットボタンを押し、戻ってしばらくプリントしていたら、今度はインクが切れた。泣きながらインクを取り替える....ちっとも無線LANじゃないやん!

いやたいした距離じゃないんだけどね...ってゆーかそれくらい動けよ<ヲレ。

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お歳暮の季節

年の瀬である。ぜんぜん実感がわかないのは例年と一緒だけど。だいたいまだ年賀状買ってないし。

それでもお歳暮はすでに手配した。昔はデパートまで出かけたものだが、現在はネットで手軽にオーダーできるのがありがたい。住所録も保管できるので、宛先を入力する手間もない。送り先は親戚関係がもっとも多い。結婚当初はお歳暮はハム、小さなお子様がいる家にはお菓子とごくごくありふれたものだったが、いまは岩崎本舗の「長崎角煮まんじゅう」を使っている。ずっと昔に週刊文春の巻末の私の大好物というコーナーで料理評論家の岸朝子先生が紹介していたのだ。記事に惹かれた私は早速、お店に電話をかけて取り寄せ、いっぺんでファンになった。冷凍のパックを電子レンジで温めるだけで、ふわふわの生地に柔らかでジューシーな東坡肉をはさんだ中華饅頭ができあがる。やみつきになるおいしさだ。

というわけで以後、我が家のお使い物の定番となっているのだ。


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喘息薬の副作用

喘息(仮)の薬をのみはじめ、すっかり咳はおさまった。強い薬を短期間投与してまず気管支の炎症を鎮め、その後検査結果に応じて本格的に治療するとのことなので、副作用を心配していたが仕事に影響がでるようなこともなかったので安心していたのだ。

ところが昨日午後、打ち合わせ中にノートにメモをとろうとして、手が震えて字が書きづらいことに気がついた。じっと手を見るとあきらかにぶるぶると震えている。「さてはアル中!」と一瞬思った。喘息によくないときいてここ数日お酒をひかえていたからだ。まあ、そこまで酒に依存しているとも思えなかったので、もらった薬をネットの「ハイパー薬辞典」で調べてみた。そうしたら6種中3種の薬、気管支拡張の効用を持つユニフィル錠・フスコデ錠・ホクナリンテープの副作用には手の震えがあることがわかった。まあこれだけ飲んでたらしょうがないのかな?

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<これはキュバール100エアゾール。1日2回。噴霧式の抗アレルギー薬>

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「SHIROH」が近づいてきたよ

大好きなお芝居の初日が近づいてきた。劇団☆新感線初のロックミュージカル「SHIROH」@帝国劇場。

新感線お得意のなんちゃってじゃない本格的なミュージカル。しかも本場の帝国劇場。ついにここまで来たのかという感慨とほんとに大丈夫かなという不安でいっぱいだったけど、12月7日(火)の初日が近づいて、公式やNiftyのシアターフォーラムに稽古場風景の動画があがったり、購読している演劇雑誌「レプリーク」や「シアターガイド」の特集記事をみているとどんどん楽しみになってきた。「おお、じゅんさんの殺陣がすげーかっこいい!」とか「じゅねさま(「花組芝居の植本潤さん」)は女形じゃなくて老人なのだなー」とか「池田なるしー(成志)とあわねさんのワルモノデュエットがすてきー」とかまあいろいろ。私のマイ初日(当然複数回チケットをおさえているのだ)は12月11日(土)。あと一週間。わくわくしてるよ。

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犯人は誰だ

確か風邪をひいたのは1ヶ月ほど前だ。熱もひき喉の痛みもとれたのに、咳が残り一向になおらず、むしろどんどんひどくなる。ここ1週間、夜も眠れないほどの咳に悩まされ、昨日ついに会社近くの呼吸器科のあるクリニックに出かけた。そうしたら喘息の疑いがあるとのこと。アトピーや鼻炎のように(両方わたしの既往症)体質で、生まれつきのものかと思っていたが、アレルギーを持っていると後天的になる場合もあるようだ。診察してくれた先生によると、喘息を引きおこす誘引には5つの大きな原因があるとのこと。曰く「煙草」「お酒」「風邪」「ストレス」「ペット」。全部該当するよ...(私は煙草を吸わないが夫が吸う)。とりあえずアレルゲンを特定すべく採血したがペット原因だったらねこまるはどうしようかねえ。(「毛をそっちゃえ」と夫はいっているが...)

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<渋谷駅にはられていたケロロのポスター。「電車男も大ファン」と書いてあったが、そんな言及あったっけ?>

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