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午後の遺言状

すでにリタイアし悠々自適の老後を送っている両親と私の関係は多分そんなには悪くない。しかし互いに淡白なタチで、結婚以来年に1度お正月に実家に帰るくらいの交流だ。まあ、勿論電話では頻繁に話しているのだが。

そんな親からひさびさに実家に呼ばれた。どうもさきの地震で急に不安になったらしい。なにしろ前にも書いたように地震の際には甚大な被害が予想される下町在住なのだ。両親が一度にいなくなった場合残された私が戸惑うことのないようにという有難い親心らしいよ。メインバンクの貸金庫に連れていかれて、しまってある預金や不動産などの財産目録などことこまかに説明されたのだ。遺言状(いつの間につくっていたのだ..)の中身もみせてもらった。順当に行けばひとり娘の私に引き継がれるべき財産なのだがどうもぴんとこない。別にいらないしー、とかいったらえらいおこられたが。

東北の寒村から上京し東京で役人になった父は、下町育ちの母とおそい結婚をした後、ボロい官舎に住みながら財産形成に勤しんだ。両親の趣味は貯金。他に金のかかる趣味も無かったため、その貯金を不動産に投資したのだ。おりしも高度成長期、不動産の価値はあがり、上手に運用してゼロから出発した割にはそこそこの財産を築いた。なにしろ子供は私ひとりでしかも浪費家で頼りない。たぶんはやいうちに見切りをつけ、自分の老後は自分で面倒をみる覚悟をしたのであろう。実際、私のささやかな給与では夫ひとりを扶養するだけでもたいへんなのに、加えて両親まで扶養することになったら大変なことになるところであった。まあ公務員の年金もあるしな。二人とも老いはしたが、まだまだ頭も身体も矍鑠としたものだ。70過ぎてなんで昼からふたりしてエビフライ定食をたいらげるのだ。老人の食事じゃないよ!刺身定食を食べている私のほうがよっぽど老人食だ。

でも、昼食の話題で、私がいらないならそのお金で実家を賃貸マンションに立て替えてそれでまた家賃収入を..なんて話しているし(地震はどーしたよ!)、ほんとこの人たちは資産を増やすことが趣味なのだなあ、そしてその血は私に一切受け継がれなかったのだなあと思った。私は自分のマンションを維持するだけで精一杯だよ。

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