« 英国逍遥 その1 はじめてイングランド篇 | トップページ | 英国逍遥3 週末ロンドン 「ディファレンス・エンジンとの出逢い」篇 »

英国逍遥2 英国お仕事篇

ukswan.JPG
<野良白鳥。わりと凶暴>

特に名を秘すイングランド中央部。美しい町の郊外に出張先のラボ(研究開発部門)はあった。

世界どの国でもラボの立地とつくりは似たり寄ったりではないだろうか? 郊外にあって広い敷地に低層の研究棟。社員は近くに住んで車で出社する。日本でも出張先もほぼ同じで違和感はなかった。ただ、庭先に社員用パブ(!)があって、家族も利用できるというのがちょっと英国っぽかったかな。また、庭には山のように野うさぎ(ピーター!)がいて、窓から外をみると芝の間からたくさんのうさぎの耳がみえた。さいしょはもの珍しがって眺めていたがやがて飽きた。

出社した私は、早速英国側のプロジェクトチームに引き合わされた。このチームの顔ぶれがもろ英連邦で、英国香港カナダ南アといった人種から構成されていたのが面白かった。打ち合わせをした後、席が与えられ早速仕事がはじまった。

それまでご多分にもれず、欧米人というのは残業しない、個人主義で自分以外の領分には決して口をださない..などと私も思っていた。ドメスティックな環境にしか身を置いたことのない私が、そんなドライな人たちとお仕事ができるかしら..と出張前は不安であった。その不安は当たっていたし外れてもいた。
彼らは確かに滅多に残業をしない。夜6時を過ぎればオフィスはほとんど無人になるのだ。しかしその分、朝も早かった。 彼らは朝の7時頃には出社しているのだ。早朝から仕事をはじめ、きっちりと夕刻には終わる。もちろんトラブルやスケジュールによっては残業も厭わない。要するに英国人も(日本人も)働く人は働く、当たり前のことであった。

また、彼らは確かに自分に振られた仕事以外はしない。しかし、それは言い換えれば自分の仕事を責任持って遂行するということだ。日本語環境が想像できないため、ときにとんでもない主張をしたりもするが、こちらで筋道だてて説得すればちゃんと対応してくれる。新しい仕事範囲が発生するようならマネジメントに相談すれば良い。それが妥当なものならば、新しい担当者をちゃんと振ってくれる。待っているだけではなにも解決しないが主張さえすればちゃんと対応してくれるのだ。

というわけで、ひと安心して仕事をすすめることができたのだが、仕事以外では気になることが多々あった。
私の席は、研究所内の高いパーティションに区切られた一角で、仕切りの上部には蛍光灯がとりつけられているのだが、その蛍光灯が妙に曲がっているのだ。よくみると真新しくてきれいな研究棟のあちらこちらにそんなちょっとした歪みが見える。トイレのドアの建てつけが悪いとかね。
そして研究所で働く女性たち。たとえば日本のOLは、おおむね出社時には髪の毛をきれいにセットしている(除く私)
しかし英国女性は、どうやらヘアスタイルには無頓着のようで、きっちりとしたセットというのをついぞみなかった。ありていにいえば切りっぱなし洗いっぱなしだ。英国人てひょっとして割と大雑把で無頓着? 同じ性向を持つ私は妙に居心地のよさを感じていた。

仕事の話に戻ろう。

日本語パソコンをセットアップした私は、開発中のコードを導入しテストケースを実行していった。不具合やアヤシイ動作はレポートにして担当者に修正をお願いする。ある時、データが正しく表示されない不具合がでたので、画面のハードコピーをとって、担当者にその旨報告した。すると彼は言った。「どうしてこれが不具合なのだ。ちゃんとデータは表示されているではないか!」「???」
彼が指した画面のハードコピーには、一面〓が並んでいた。この記号は通称下駄、該当文字コードがない場合に表示されるものだ。これには私もショックを受けた。彼らは日本語の文字と記号の区別もつかないのだ。道理で海外で製作された映画の日本の風景にはアヤしい日本語がならんでいるわけだよ。

「この二本の棒は該当文字コードがない場合に表示される記号で文字ではない。即ちここに表示されている文字コードは全部こわれているのだ。どこかで表示するデータの長さを1バイトをベースに計算しているため途中で分断されたのが原因であろう」と説明し、納得して修正してもらった。次からは画面のハードコピーをつける際には、これがどういけないのか詳細な説明をつけるようにした。考えてみれば私も知らない言葉、たとえばハングルやアラビア文字がならんでいれば、それが正しいものかそうでないかは全く判別ができない。それと同じであろう。

ちょっとしたカルチャーショックと安堵の繰り返し。日本のごく狭い範囲の地域しか知らなかった私には英国はなにもかも新鮮で面白かった。プライベートではなく仕事なのもよかった。出張期間内で仕事を終わらせるには自分が動くしかない。英語ができないしー恥ずかしいしーなんていっている暇もなく、半ばヤケクソ気分で、片言な英語を駆使して走り回っていたのであった。(その3 「週末ロンドン篇」に続く)

|
|

« 英国逍遥 その1 はじめてイングランド篇 | トップページ | 英国逍遥3 週末ロンドン 「ディファレンス・エンジンとの出逢い」篇 »

会社生活」カテゴリの記事

「旅行・地域」カテゴリの記事

「英国」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33364/1180736

この記事へのトラックバック一覧です: 英国逍遥2 英国お仕事篇:

« 英国逍遥 その1 はじめてイングランド篇 | トップページ | 英国逍遥3 週末ロンドン 「ディファレンス・エンジンとの出逢い」篇 »