折口信夫「初稿・死者の書」諸般の事情によりまだ途中
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過日、中公文庫版「死者の書」を読んで非常に感銘を受けた。膨大な学術的知識に支えられた物語もさることながら、独特の語り口に魅せられたのである。くるくるとかわる視点、場面、語り手に振り回されているうちに物語の世界に分け入っていくようなグルーブ感がたいへんに好ましかったのであった。
今回雑誌初出時の原稿を完全収録した版がでたというので、中公版と比較して読もうと思ったら、書斎がリフォーム中でよめないよ。現在、書斎にあった本棚10基と推定5,000冊以上の本が家中に散っている。殆ど積みあがっているのでアクセスできないのだ。
こんな感じ。
家中本まみれ。地震がきたら即死って感じ。
しょうがないので、収録されている著者の自伝的作品「口ぶえ」を先に読もうっと。
男子校に通う憂い顔で病弱な美少年の安良は粗野で強引な上級生と高潔な同級生に求愛されて、二人の間でこころ揺れ動く...って、これボーイズラブじゃん! しかも自伝だし.. ためしに「折口信夫」と「口ぶえ」でぐぐってみたらいわゆるガイシュツ。少年愛研究者や腐女子の間ではスタンダードな話なのね。..あなどりがたし日本近代文学!人生いくつになっても勉強だ!
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コメント
こんにちは、80生の研太郎です。
本棚の情況を拝見して、「うんうん」と思ってしまいました。
私の家も本で(DVDとCDも)埋もれそうな情況は全くおんなじです。実家なので父親から処分しろとしつこく言われてるのですが、父親がまた本や資料を絶対に捨てないタイプ・・・。
そしてnyaさんと同様、私も父の本棚から掘り出した小松左京で本に目覚めたのでした。
本好きって、遺伝するのかもしれませんね(笑)
投稿: 研太郎 | 2004.07.02 01:30
研太郎くん、コメントありがとう!
お互い本では苦労しますね。親から受け継いだ業のようなものでしょう。
思ったんだけど、私が本を捨てないのは、読んだ本の内容をすぐ忘れてしまうからかもしれません。いつも新鮮。ゆきは一度読んだ本やみた映画の内容を怖いくらいに覚えてるんですよ。
だから本をとっておく必要がないのかも。わたしの蔵書のうちゆきコレクションは、サンリオSF文庫と早川の青背くらいなのだー。
投稿: nya | 2004.07.02 09:55