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lune pleine(Voyage IV)

夜はいっそう深く、月は中天に昇る。窓からは眩しすぎる月明かり。健やかに眠る彼の胸に光が跳ね返り、いつか見たオルセーの彫像のような完璧なフォルムを浮かび上がらせる。

彼女はまんじりともせずにそれを見ていた。

愛しい憎い傍にいたい離れたい - アンビバレンツなよしなし事が彼女の小さな頭の中をぐるぐると巡る。そしてその片隅をよぎった「この砂を噛むような想いすら私の糧となる」という発想が、彼女をいっそう混迷の底に落ち込ませた。

なにもかも手にいれているのに、まだなにも手に入れていない。手を伸ばせばそこに居る彼がとてもとても遠く思えてブランケットを被って丸くなった。

Fin.

2008 5.24

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