2017年7月:SHERLOCK S4E1 「六つのサッチャー」【ネタバレ】感想

やほー、ついについに日本でも放送されましたよシャーロックS4。お正月に英国で放送されて、ほどなくしてS4のDVDも手に入れたけど、英語難民の私には今回の脚本が難しくってねえ。凄く凄くエモーショナル。てなわけで感想もなかなか書けなかったんだけどこのたび目出度く日本でも放送されたので、録画を見ながら紐解いていくよ。いやあ今回も素晴らしい。


ここから先は本編ネタバレ満載です。原語版でS4E3まで視聴してるけど極力そこまで俯瞰した感想にはしていないつもりです。


» 続きを読む

| | コメント (4) | トラックバック (0)
|

2017年1月:SHERLOCK S4E1 「The Six Thatchers」【ネタバレ】英国本放送の諸情報など

あけましておめでとうございます!

2017年、平穏で楽しい年になりますよう.....と思ったらSherlock S4E1が英国で放送されちゃいましたよ!
お正月早々不穏なストーリー展開に英国はたいへんだなあと..まあそのあたりはおいおいと

例によって当ブログではネタバレには容赦しませんが、まだちゃんと視聴していないので、公式やメディアの記事ベースに紹介します。詳細な感想はDVDが到着してからだから1ヵ月後かなあ。



BBC 公式サイト

ネタバレはここから下に記載いたします。デイリーメールの記事.....だけじゃあなくって英国はクオリティペーパーまでがんがんネタバレいれてきますんでご注意を!

» 続きを読む

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|

ねこまる ありがとう,さようなら

いつもの朝だった。

起床して居間に行くと、ソファの定位置に寝ていたねこまるが起き出してきて、トイレに行ってから朝ごはんをねだった。ごはんを食べてからまた定位置に戻って寝始めた。ごはん皿を見たら少ししか食べていない。でも最近は数回に分けて食べるようになっていたので全然気にしていなかった。

7時に身支度をして寝室の夫に声をかけた。居間に戻ると体を丸めて寝ていたねこまるがソファから身をのりだすように体を伸ばしている。半目で舌が出ている。様子がおかしい。

駆け寄ると息をしていなかった。

あわてて夫を呼んだ。彼は体を温めながら心臓マッサージをしつつかかりつけの獣医に電話をかけた。医師の指示を受けながら処置したが蘇生はならなかった。ねこまるは旅立ってしまった。

兆候は無かった。

昨日もいつものねこまるだった。ごはんをねだり、トイレをし、家中をどたどたと歩き回り、戸棚の上に飛び乗ってにゃーにゃー鳴き、ソファで丸くなり、ベランダで日向ぼっこして、夜は夫の膝の上で甘えた。

我が家に来たのが2003年7月。生後3ヶ月くらいだった。命名春風猫丸。13歳8ヶ月。

ここ数年は飼い猫の宿命で腎臓が悪くなってきていた。医師の指示で腎臓病用の療養食を食べさせていてだんだん食も細くなってきたけどまだまだ元気だった。

まだまだ生きると思ってた。寝たきり猫になったら介護しつつ大好きなお刺身をたくさん食べさせてあげようと思ってたのに(いや先週も鰹のお刺身たべたけどね)

ほんとうに突然に旅立ってしまった。機嫌良く。苦しまずに。良い猫だった。飼い猫の誉れだ。

さようならねこまる。私たちの美しい甘えん坊。束の間の生を私たちとともに過ごしてくれてありがとう。またきっと逢える。

2016/12/19
ねこまるを見送った朝に

生前最後の写真。夫の膝の上で喉を鳴らす甘えん坊ねこまる

C0agvaeviaa1kuw


| | コメント (4) | トラックバック (0)
|

2016年12月:SHERLOCK S4情報【ネタバレ】いよいよ放送までカウントダウン!

ブログの更新もすっかりご無沙汰してましたああ。そんなこんなでSHERLOCK S4本国放送まであと2週間!(日本は未定)。本国のプロモ活動も本格化してきたよ!

これが本日公式発表された最新S4プロモ画像。221Bに集う登場人物たち。しかし彼らはそれぞれ異なる方向を向いておりその視線が互いを捕らえることは無い。

Cz67hiiwiaajxw2_2

早速デイリーメールが解説という名の憶測記事をだしましたよ。

ここから先はネタバレ、いわゆるsetlock情報がはいってるのでたたみます。私の情報は基本英国メディアで報道されたものを含みます。なお当方のブログ内容はやや腐女子寄りであることをあらかじめお断りさせていただきます。みんなデイリー・メールの見出しには気をつけようね!

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2016年7月:SHERLOCK S4情報【ネタバレ】こんなところでも撮影

シャーロックの撮影は順調。ロンドンでの撮影はもう終わったみたい。でもウェールズでは大掛かりな撮影が続いているよ。

ここから先はネタバレ、いわゆるsetlock情報がはいってるのでたたみます。私の情報は基本英国メディアで報道されたものを含みます。なお当方のブログ内容はやや腐女子寄りであることをあらかじめお断りさせていただきます。みんなデイリー・メールの見出しには気をつけようね!

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2016年6月:SHERLOCK S4情報【ネタバレ】格好良いね!

4月の頭にシャーロックの撮影が始まって早2ヶ月。S4E1の撮影は終了してS4E2の撮影がはじまった様子


ここから先はネタバレ、いわゆるsetlock情報がはいってるのでたたみます。私の情報は基本英国メディアで報道されたものを含みます。なお当方のブログ内容はやや腐女子寄りであることをあらかじめお断りさせていただきます。みんなデイリー・メールの見出しには気をつけようね!

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2016年4月:SHERLOCK S4情報【ネタバレ】ついに二人が!

4月の頭にSHERLOCK S4の撮影が始まってはや1カ月。カーディフではスタジオや室内の中心で撮影の様子がわからない。ちょっとでも良いからシャーロックベネさんやジョンマーティンが見たいなあと思っていたらきましたよ!

ここから先はネタバレ、いわゆるsetlock情報がはいってるのでたたみます。私の情報は基本英国メディアで報道されたものを含みます。なお当方のブログ内容はやや腐女子寄りであることをあらかじめお断りさせていただきます。みんなデイリー・メールの見出しには気をつけようね!

» 続きを読む

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|

2016年4月:SHERLOCK S4情報:They are BACK!

さてS4の撮影がはじまって一週間以上経つけれどまだ屋内らしくて表に情報はでてこない。ちょっとだけでもシャーロックとジョンの姿を見たいなあというファンのリクエストにこたえてゲイティス先生がツイッターでファンサービスを!ありがたいねえ。

シャーロック!ちょっと髪が短いかな?

そしてジョン!後頭部がまんまるだ!

ルイーズちゃんは最新の自分の姿を。S4のモリーはショートなのかな?

そして221Bの入り口!中までばっちり作り込まれてるよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2016年4月:SHERLOCK S4情報【ネタバレ】S4撮影はじまったよ!

いやあ、「忌まわしき花嫁」面白かったねええ。一度きりのヴィクトリアン・スペシャルと思いきや、それはシャーロックのマインドパレス内で行われていた、S3のラストで復活したモリアーティの真実を探る物語。ラスト、己の精神に巣食ったモリアーティの痕跡をジョンと二人で退治したシャーロックは、モリアーティの起こす次なる事件を阻止すべくとジョンとメアリーとともに空港を後にするのでありました~!

で、S4ですよ!いよいよ4/4からはじまっちゃいましたよ。なんとベネさんは前日までニューヨークでドクター・ストレンジの撮影。とんぼ返りでロンドンに戻って読み合わせと撮影に参加と言うタイトなスケジュール。体力あるねえ。

スコット・デリクソン監督のクランク・アップの記念ツイ。ベネさんとチュイテルさんが恰好よくて公開が楽しみだ。


ここから先はネタバレ、いわゆるsetlock情報がはいってるのでたたみます。私の情報は基本英国メディアで報道されたものを含みます。なお当方のブログ内容はやや腐女子寄りであることをあらかじめお断りさせていただきます。みんなデイリー・メールの見出しには気をつけようね!

» 続きを読む

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|

2016年2月:シャーロック/忌まわしき花嫁 ネタバレ感想メモ(考察はまだ)

さてさていよいよ2/19(金)からシャーロックスペシャル「忌まわしき花嫁」の公開が始まりました!初日に有給休暇とってがっつり観に行ってしまいましたよ。新宿TOHOでは最大箱スクリーン9/TCXと言う大判振る舞いでグッズ売り場も充実。嬉しくって2回続けて観ました。平日にも関わらず昼間の回は6~7割の入りで結構いい感じに入ってた。

入場者特典の絵葉書。

107

映画公式サイト

この先は完全にネタバレってますので未見の方は気をつけてくださいね。これ絶対ネタバレなしで観たほうが面白いしびっくりするよ!あ、ドラマはS1~S3まで観てることはほぼマストでしょうなあ。後述しますがS3.5という位置づけですよ

» 続きを読む

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|

2016年1月:SHERLOCK Special【ネタバレ】英国本放送「The Abominable Bride」諸情報と断片的妄想

あけましておめでとうございます!

ついについにSherlock Specialが英国で放送されましたな!

例によって当ブログではネタバレには容赦しませんが、まだちゃんと視聴していないので、公式やメディアの記事ベースに紹介。DVDはオーダー済みなので詳細な感想はそれから書きます。何より来月は日本でスクリーニングですよ!いや待ち遠しいなあ!

ネタバレはここから下に記載いたします。いや回避組は一切情報入れないで観たほうが面白いと思うよ。そしてデイリーメールの記事には注意しような!

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2015年10月:SHERLOCK SP情報【ネタバレ】英国放送は2016年1月1日!

いやあ、遂にシャーロック・スペシャルのタイトルと放送日が発表されましたねえ。

タイトルは"Abominable Bride(忌まわしき花嫁)" このタイトルは、正典「マスグレイブ家の儀式」の冒頭でホームズが語る、いわゆるタイトルだけ事件の「蟹足リコレッティと忌まわしい妻(Ricoletti of the club foot and his abominable wife)」を参照してるとゲイティス兄が語ったそうな。

英米のオンエア日はは2016/1/1。S3と同じお正月になるんですな。英国はスクリーニングの日程も同じ。世界での日程は順を追ってらしいけど日本はどうなるのかしらん?
まあ、DVDやブルーレイが早々に発売されるので私たちも1月中には観られそうですな。楽しみ楽しみ。

そんな中、ファンダム騒然としたBBCオーストラリアのトレイラー。従来のトレイラーに未公開シーンが加えてあるんですな。

ここからはたたみます。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2015年10月:SHERLOCK SP情報【ネタバレ】トレイラーが公開されたよ!

気がつくともう10月だ!はやっ!そろそろシャーロックスペシャルの放送日程が明らかになるかあと思っていたらこれですよ!

まず予告の予告をチラ見せ。ふふふ焦らしますなあ。懐中電灯を持つヴィクトリアン・シャーロック。

そして、英国時間10/7 夜9時(日本時間10/8 朝5時) とうとう予告のトレイラーが公開されたよ!

わああシャーロックとジョンが「ホームズ」「ワトソン」と呼び合ってる!現代版の名前を呼び合う二人は当時ものすごい新鮮だったけど、原点に回帰して苗字で呼び合う二人もまた新鮮で良いですなあ。

Youtubeにも!

ここからはシーン解説になるのでたたみます。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

英国逍遥2015 - 「ハムレット」観劇(作成中)

明けて9月12日、土曜日。朝はBBC Breakfastを見ながらコーヒーをいれてのんびりと。

ホテルには綺麗な庭が付いている。 共有スペースの暖炉付きのお部屋も素敵。

181

182

ホテルから歩いて10分ほど、毎週土曜日に開かれるポートぺローの骨董市をのぞいてみた。9時ごろ行ったから屋台のお店はまだ8割がたのオープン。それでも結構なお客さんがきていた。

こんな屋台街がえんえん続く。凄い規模。

176

178

さて午後からはいよいよハムレット観劇。Google Mapさんでルート検索するとSt. Paul駅から歩いて行くのが一番近そう。

聖ポール寺院

185

ロンドン博物館。ホームズ展の踊る人形ロゴが残っている。

186

バービカン着

188

バービカンは劇場、映画館、コンサートホール、美術館に住宅を併設した複合文化施設だ。劇場は地下1階、マチネは土曜だけで13:30から。

プログラムを買い、開場を待って劇場に入る。バービカンは面白い作りの劇場だ。客席の両サイド、列毎に扉がある。通路が無い。1階の席の足元は広いのでそんなに苦労せずに通れるけれど、異国の劇場だし、体調不良等で周囲の人にご迷惑をかけてはいけないので端の席をとった。2回行くので上手と下手の両サイド。これなら見切れはなかろうという魂胆。何れも前列。日本の大方の芝居と違って席を事前に選べるのは本当にありがたい(チケットとるのに数時間かかったけどねw)

チケットは本人チェックをするというので、パスポートを用意していたが、結局チケットを見せるだけで写真チェックはなかった。劇場入り口のみならず、劇場の緞帳(上下に開く面白いタイプ)にも、上演中のスマホ電源オフ、劇場内撮影禁止の注意書きが表示されている。例の盗撮事件があったからだとは思われる。

ここからは舞台感想なのでたたみます。この感想は9/12 ソワレ、9/14 マチネの感想を統合したものになっています。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

英国逍遥2015 - 「バッカイ」観劇

ロンドンに着いて、その夜は観劇という強行軍。体調と相談して無理ならやめようと思っていたけど、早めに着いたしのんびり18時ころ出かける。最寄りの駅はセントラル線のQueensway。駅でオイスターカードにチャージして、イズリントン駅まで30分くらい。駅から10分ほど歩くとアルメイダ・シアター。

168_2

受付で予約メールを見せてチケットに替えてもらう。20時の開演までまだ1時間くらいあったので周囲を散策。劇場前の猫さん。

172

イズリントン地区はおしゃれなレストランやバーが立ち並ぶ地区。六本木とかのイメージかなあ。金曜夜だったせいか街は人が多く華やかな印象。こんな中にあるちょっとおしゃれな小劇場。20時開演だからお仕事終わってから出かけても十分に間に合う。仕事終わって、劇場のバーで軽く飲んでからお芝居をみて、終演後は周囲のレストランでちょっとおそめのディナーなんて素晴らしい。ロンドンは演劇の都ですな。

さて開演して劇場内へ。アルメイダ・シアターは客席325席の小劇場。今回はほぼ正方形のステージを三方から囲む形の座席配置。ステージと座席は本当に近くて独特で親密な劇場空間を作り出してる。私は前から2列目に座ったのだけど、前方席はなぜかカップルシート。隣の同年輩の女性に「私たち二人とも痩せててよかったわ~」と言われて「いや~私はちょいデブだけどあなた細いから~(本当にスリムで羨ましかった)」などと言い合っていた。これちょっと恰幅のいい人同志だとかなりきついと思うよ。

観客は去年のリチャード三世(バービカンも)と同様に老若男女まんべんなく。カップルも多い。私くらいの年輩のお客さんも多いので違和感なく客席に溶け込めるのが嬉しいにゃあ。満席。

バッカイ(Bakkhai)はギリシャ悲劇。日本では「バッカスの信女たち」として知られる。

- ゼウスの子ディオニュソス(バッカス)に従う信女たち(バッカイ)。信者を増やすディオニュソスを疑い捉えようとするテーバイの王ペンテウス。ディオニュソスは信女となったペンテウスの母アガウエーを操りペンティウスを殺させ神の怒りを示すのであった -

というエウリピデスが紀元前400年頃に書いた神の怒りによる子殺しの悲劇。神の怒りと愚かな人間との乖離を描いた古代劇でありながら新興宗教と信者の熱狂は現代と通じる。事前に脚本を読んで面白いなあと思っていた。

冒頭あらわれて「我はディオニュソス、ゼウスの子なり」と話し出すディオニュソス。 シンプルなTシャツにジーンズ(神が人間の姿を模しているという記号的な) ウィショー君は細いけどよく筋肉の乗っているしなやかな姿。シャツをめくってちらりと見えたおなかにも筋肉がついていて役者さんてすげーと思ったよ。

バッカイを演じる女優さんたちは人種も年齢もまちまち。冒頭はショッピングバックレディの様にカートを引いたり旅行鞄を持つ現代のいで立ち。彼女たちはコロス(ギリシャ劇における合唱隊。物語の筋を詠唱で補う。歌舞伎の義太夫に似てるよね)も兼ねている。詠唱は時にはグレゴリオ聖歌、時にはケチャやホーミー、アフリカ民族音楽風となり心地よく(内容は恐ろしい)劇場に響き渡る。

バッカイ(コロス)。素晴らしい詠唱。

ディオニュソスやバッカイは登場時こそ現代衣裳だが、すぐに古代ギリシャ風の衣装に舞台上で着替える(時にバッカイは持っていたカートや鞄から衣裳を取り出して着始める)。ディオニュソスは山羊革(フォーンスキン)のワンピース風衣に杖。「神にはありがちな恰好なんだけど~」と着替える姿が可愛らしい。

現代→ギリシャ風装束と着替えるディオニュソスやバッカイと異なり、一貫して背広なのはディオニュソスを敵視するテーバイの王ペンテウス。演じるのはバーティ・カーヴェルさん。チケットとった後で気がついたけど、シャーロックS1E2に登場した銀行マンセバスチャンの人。オリヴィエ賞も受賞している手練れの舞台役者さんでいや素晴らしかった。弁舌も敏腕ビジネスマンのよう。

最初は自信満々に登場したペンテウスは、ディオニュソスにまみえ次第に彼に浸食されていく。このあたりのウィショー君の演技は素晴らしい。時にはにこやかに優しく、時には傲慢に朗々と、厭らしく魅力的にペンテウスを翻弄するのだ。そして時折見せる神としての無機質で無慈悲な顔の恐ろしいこと。

あ、ディオニュソスはロングヘアーなんだけど、いつも髪の毛をひと房、指でもてあそんでいた。あの仕草可愛らしくも色っぽかったけどなにか意味があるのかな?

信女たちのいやらしい饗宴を覗いてみたくはないかとペンテウスを誘うディオニュソス。彼を女装(シャネル風スーツ)させ、口紅を塗って送り出す。ここでいまや信女となったペンテウスの母アガウエーが登場する。ここで吃驚したのはこのアガウエーもまたペンテウス同様バーティさんが演じていたことだ。ひとりの役者が母と息子。殺すものと殺されるものを演じるのだ。これは非常に暗喩的である。

ペンテウスを翻弄するディオニュソスの笑み。怖い

ラスト、血まみれのトーガをひきずり、父カドモスに向かって引き裂いたわが子の首を見せる狂乱の女アガウエーはおかしくて哀れで恐ろしい。嘆くカドモスと正気にかえったアガウエー。灰にまみれた舞台でブルーシートにのせたペンテウスの死体を引きずるバッカイ。

彼らを高みから無慈悲に見下ろすディオニュソスはすでに人の姿ではなく。牛頭となっている(ディオニュソスの本来の姿は雄牛の角を持つ神) 人知の届かぬ獣の姿 - 即ちそれが神の怒りなのであった。

終わってみれば現代の風刺もそれほど強くなく、神の無慈悲さ、人の矮小さが印象に残る舞台であった。即ち本来のギリシャ悲劇のエッセンスを心地よく体験した感じ。

2時間足らずの非常にミニマルなプロダクション。セットも小道具も最小限で、力のある役者さんたちの身一つのプリミティブなパフォーマンスを観てとても満足しましたよ!ウィショー君の人知を超えた神も良かったけど、彼に翻弄されるペンテウスのバーディさんの演技は本当に説得力があった。素晴らしい役者さんたちの生の舞台を堪能しました!


| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

«英国逍遥2015 - 久しぶりのANA(羽田からヒースローまで)